加藤喬の法律コラム

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現行の司法試験の出題傾向は、平成18年から平成23年頃までの応用重視の問題とは異なり、比較的オーソドックスな問題が多いです。 基礎問題演習講座を全て終え、司法試験過去問ABランクも1周したのであれば、司法試験過去問と基礎問題演習講座との関連性といいますか、司法試験過去問を解く際に基礎問題演習講座の内容がどれだけ土台になっているのか(司法試験過去問のうちどこまでが基礎問題演習講座だけで対応できる基本事項で、どこからが過去問固有の応用事項なのか)といったことをイメージできると思います。 基礎問題演習講座の内容をしっかりと習得すれば、少なくとも基本事項レベルのことは十分であり、あとは司法試験過去問の […]

2023年03月30日

総まくりテキスト掲載論点のうち基礎問未掲載のものについては、出題可能性が低いものがほとんどであり、それ故に仮に出題されてもちゃんと書ける受験生は少ないです。 したがって、問題形式を想定して勉強するにしても、そこまで本腰を入れてやる必要はなく、答案の大まかな流れ(答案構成の超概要みたいなもの)をイメージした上で総まくりテキストの該当箇所にメモしておくだけで足ります。 判例百選を参照する必要まではありませんが、仮に自力で答案の大まか流れをイメージできないようでしたら、必要に応じて判例百選を参照するのもありです。 ただし、基礎問が最優先であり、440問以上ある基礎問をやり込むだけでもかなり時間を要し […]

2023年03月30日

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令和2年予備試験「民法」の参考答案・解説です。 参考答案は、2時間くらいで、秒速・総まくり2021及び秒速・過去問攻略講座2021の内容だけで作成したものです。 民事系の中では、民法が最も基本的な問題であったと感じています。 本問では、典型論点(無権代理行為に関与した後見人による追認拒絶)についての正確な知識、典型分野(債権者代位権・詐害行為取消権)に関する条文を使いこなす力、及び条文の要件を一つひとつ文言と番号を引用して認定する力が重視されているといえます。   解説動画(2020.11.7追加) 解説レジュメ(問題文・解説・参考答案)を使い、問題文の読み方、現場での頭の使い方、科 […]

令和2年予備試験「行政法」の参考答案・解説です。 参考答案は、2時間くらいで、秒速・総まくり2021及び秒速・過去問攻略講座2021の内容だけで作成したものです。   解説動画(2020.11.07公開) 解説レジュメ(問題文・解説・参考答案)を使い、問題文の読み方、現場での頭の使い方、科目ごとの答案の書き方、コンパクトなまとめ方、出題の角度といった問題の違いを跨いで役立つ汎用性の高いことについても丁寧に解説しています。   設問1 公害防止協定の法的拘束力に関する抽象論 設問1では、公害防止協定の法的拘束力というマイナー論点が出題されています。 公害防止協定の法的拘束力は […]

令和2年予備試験「憲法」の参考答案・解説です。 参考答案は、2時間くらいで、秒速・総まくり2021及び秒速・過去問攻略講座2021の内容だけで作成したものです。   1.解説動画(2020.11.7公開) 解説レジュメ(問題文・解説・参考答案)を使い、問題文の読み方、現場での頭の使い方、科目ごとの答案の書き方、コンパクトなまとめ方、出題の角度といった問題の違いを跨いで役立つ汎用性の高いことについても丁寧に解説しています。 特に、1.08.50からの問題文の読み方と使い方(問題文を最初から最後まで読んで答案構成をする過程を説明している箇所)は必見であると考えます。   2.出 […]

令和2年予備試験論文の問題文が公開されました。 公法系民事系刑事系実務基礎科目一般教養科目 今日から明日にかけて、秒速・総まくり2021及び秒速・過去問攻略講座2021だけを参照して、令和2年予備試験論文の基本7科目の答案を作成し、公開いたします。 秒速シリーズを受講している方や受験を検討している方には、秒速シリーズと予備試験論文との関連性や秒速シリーズの知識・方法論の実践的な使い方を把握する上で参考にして頂けると思います。 答案は、全て、「1枚22行28~30文字」の書式設定で4枚以内(88行以内)で書き上げます。 ※.10月26日・27日に令和2年予備試験基本7科目の参考答案を […]

令和2年予備試験論文の受験、お疲れさまでした。 今日、明日くらいは、ゆっくりと休みましょう。 身体と心の休息を終えたら、予備校の解答速報等も参考にしながら、論文試験のだいたいの手応えを把握し、今後の勉強の方向性について考えましょう。 論文試験で「合格できているかもしれない」というくらいの手応えを得ることができているのであれば、令和3年司法試験の論文対策を開始することになります。   基本7科目の対策 基本7科目については、司法試験の問題に対応するための「技術」、「慣れ」及び「深い理解」を身につける必要があります。 司法試験と予備試験とでは、分野・論点という出題範囲での共通性が強い一方 […]

明日から、令和2年予備試験論文式が始まります。 今年の予備試験受験生の方々は、短答試験、論文試験及び口述試験の3つが全て後ろにずれ、しかも、論文試験の合格発表日が令和3年司法試験の実施日の4カ月前、口述試験の合格発表日が令和3年司法試験の実施日の3カ月前であるため、令和3年司法試験の受験まで視野に入れると非常に不安定な状態に置かれることになります。 令和3年司法試験の司法試験対策をどのタイミングで開始するべきか、選択科目の対策が間に合うかといったことについては、予備試験論文を終えてから考えましょう。論文試験終了後、予備試験論文を受けた手応えに応じて、今後の勉強法について考えましょう。必要であれ […]

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問題の所在の示し方には、①問題提起の段階で示す方法と、②当てはめの段階で初めて示す方法があります。 以下では、平成30年司法試験刑事系第1問の設問1の事案を使い、①・②の答案例を示した上で、試験対策という観点から両者を比較させていただきます。 . 事例 乙は、私立A高校に通う甲(男性、17歳、2年生)の父親(40歳)であり、A高校のPTA会長を務めている。 乙は、「数学の丙先生から、顔を殴られた。」という甲の嘘を鵜呑みにし、PTA役員会を招集した上、同役員会において、「数学の丙先生がうちの子の顔を殴った。徹底的に調査すべきである。」と発言した。 同役員会の出席者は、乙を含む保護者4名とA […]

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論証を記憶するコツにはいくつかあります。 前回は、「論証を記憶する5つのコツ」という記事で、論証を記憶するコツについて5つ紹介させて頂きました。 今回は、関連記事として、「理由付けのキーワードを正確に理解していれば、複数の要件を自然と導くことができる」ということについて、記事にさせて頂きます。 例えば、権利外観法理(表見法理ともいう)絡みの論点については、論証の理由付けの核をなしている権利外観法理の内容を理解していれば、規範である要件の整理や内容の導くことができます。 民法94条2項の趣旨は、権利外観法理にあります。 権利外観法理とは、①虚偽の外形の②作出につき帰責性のある真正権利者の犠牲にお […]

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例えば、設問が3つあり、設問2・3については何を書けばいいかのか分かるが、設問1については何を書けばいいのかが分からないという場合に、設問2・3で確実に得点するために、設問2⇒3⇒1という順序で答案を書こうと思うこともあると思います。 実際に、設問の入れ替えをしても合格している方、さらには、設問の入れ替えをしたことにより書けそうな設問でしっかりと得点することができたため点数が伸びたという合格者の方もいると思います。 確かに、設問を入れ替えたこと自体による採点上の不利益はないと思われます しかし、私は、以下の2つの理由から、設問の入れ替えはできるだけ避けるべきであると考えています。   […]

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  全国模試や試験本番に向けた総復習をする際に、論証集等のインプット教材(以下「論証集」とします)と司法試験過去問や短文事例問題(以下「問題集」)のいずれを回すべきかについては、「科目特性」と「各人のインプットの方法」により異なると考えます。 例えば、司法試験過去問で出題範囲の大部分をカバーすることができる行政法・刑事訴訟法であれば、司法試験過去問中心の勉強をしつつ、論証集を補充的に使うというやり方でも対応することができますし、そのほうが望ましいです。 答案の書き方が重視される行政法・刑事訴訟法では、具体的事例を前提とした答案例を通じて、書き方についての具体的なイメージを持ちながら個 […]

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一元化教材を何度回しても論証の記憶が定着しない方は、記憶対象が自分に合っているか、記憶方法が自分に合っているか、記憶に必要とされる理解力・記憶力の不足分を補う工夫をしているか、記憶の反復が足りているかについて確認してみましょう。 これらを意識することで、だいぶ記憶のしやすさが変わると思います。   1.既存の論証を自分に合った長さ・水準・表現に修正する 1つ目は、論証の長さを記憶できるところ(さらには、答案に書けるところ)まで短くするということです。これが記憶にもたらす積極的効果は以下の3つです。 . 論証を短くすることにより、記憶対象が減るため、その分だけ、記憶の負担が軽減される。 […]

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昨日、2003年長崎インターハイの演技動画をTwitterで公開したところ、多くの方々から反響を頂きましたので、ブログでも紹介させて頂きます。 プロフィールにも書いてある通り、私は5歳から中学3年夏までは器械体操を、高校2年夏までは新体操をやっていました。 青山学院大学法学部にはスポーツ自己推薦で入学しているので、大学3年春から伊藤塾で司法試験の勉強を開始するまではずっとスポーツ漬けの人生でした。 ちなみに、大学1年から2年春まではボクシングジムに所属しており、ボクシングのプロテストに落ちたことをきっかけに、自分の人生をスポーツから勉強にシフトしようと思い、司法試験を目指すことにしました。 ス […]

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訴因変更の要件である「公訴事実の同一性」について基本的事実関係の同一性と理解する立場からは、基本的事実関係の同一性の下位基準的なものとして、単一性と狭義の同一性が挙げられます。 古い教材等を使っている方の中には、基本的事実関係の同一性につき「単一性あり、かつ、狭義の同一性あり」と理解している方もいるかもしれません。 しかし、少なくとも現時点では、そのようには理解されておりません。 単一性と狭義の同一性は、事案類型に応じて使い分けられるものです。 基本的事実関係の同一性は、公訴事実の横の広がりが問題となっている場合には単一性により判断され、公訴事実の縦の変化が問題となっている場合には狭義の同一性 […]

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憲法は、行政法と同様、「答案の型」と「最低限の判例知識の水準(広さ・深さ)」が不明瞭になりがちな科目です。 だからこそ、論文対策をする際には、常に上記2点を意識する必要があります。 憲法判例の学習では、特にそうです。 以下では、憲法の論文対策のうち、憲法判例を学習する際のコツについて説明いたします。 Step1:違憲審査の基本的な枠組みについて具体的かつ正確な知識を身につけることで、「答案の骨格」を整える 司法試験委員会は、「保障⇒制約⇒違憲審査基準の設定⇒当てはめ」を違憲審査の基本的な枠組みであると理解しています(平成30年以降の司法試験の出題趣旨・採点実感参照)。 したがって、学説上、上記 […]

2年くらい前にASK.fmで頂いたご質問に対する回答です。 本ブログの「質問コーナー」に質疑応答の内容を反映していますが、記事でも紹介させて頂きます。 以下が、私の考えです。 . 伊藤塾の入門講座について 昔から、「伊藤塾入門講座では法科大学院の学内試験や司法試験に対応できないのでしょうか。」といった質問を頂くことがあります。 私は今でも、伊藤塾の入門講座はとても質が高いと思っています。 今の伊藤塾体系マスターや基礎マスターのサンプル動画、伊藤真塾長のガイダンス動画等を拝聴していてもそう思いますし、伊藤真塾長の動画でも言及されている予備試験合格者に占める伊藤塾入門講座利用者の多さからもそういえ […]

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今日は、民法の「公示の原則」と「公信の原則」の違いについてです。 両者の違いは、基本的かつ重要なことであるものの、正確に理解することができていない方が結構いるので、今回の記事で正確に理解を身につけて頂きたいと思います。   公信の原則 公信の原則は、無いものを有るものとして扱ってもらえるかの問題です。 より丁寧に説明すると、権利関係が存在しないのにそれが存在するかのような不実の「公」示がなされた場合に、その不実の公示を見て公示された通りの権利関係が存在すると「信」じた第三者との関係で、公示された通りの権利関係が存在したものとして扱べきかという問題です。 不動産取引であれば、Cが、B所 […]

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高橋宏志「重点講義  民事訴訟法」(有斐閣)は、司法試験・予備試験の論文対策をするうえで、非常に有益な基本書です。 私も、受験生時代から愛用していましたし、秒速・総まくり及び秒速・過去問攻略講座を作成する際にも参考にさせて頂いております。 もっとも、量の多さからしても、難解さからしても、通読するには不向きであると考えます。 また、今知っている基本概念・重要論点の理解を深めるために読むものであって、知識の量を増やすために読むものでもないと考えます。 いろんな学説を追い掛けて知識の量を増やそうとすると、勉強の方向性を間違えることになりますし、考える勉強をしなくなるため民事訴訟法の勉強がつまらなくな […]

今回の記事では、令和2年司法試験「民法」論文と司法試験過去問との関連性について説明いたします。 司法試験過去問との関連性は35%です。 . 設問1 設問1では、AB間の売買契約に基づく残代金債権5000万円を譲り受けたCから残代金5000万円の支払請求を受けた買主(債務者)Bが、引き渡しを受けた売買目的物である乙建物が防音性能に不備があることを理由に支払額を少なくするための法律構成を複数検討することが求められています。なお、「Bは、乙建物に住み続けることを前提に、…支払額を少なくしたいと考えている」ため、売買契約の解除(541条、542条1項)は検討対象外です。 平成26年司法試験設問1では、 […]

今回の記事では、令和2年司法試験「行政法」論文と司法試験過去問との関連性について説明いたします。 司法試験過去問との関連性は40%です。 司法試験過去問と共通しているのは、設問1(1)の本件計画変更の処分性における判例理論と法効果性の問われ方、設問1(1)の本件申出の拒絶の処分性における判例理論、及び設問2の現場思考問題における対処法です。 . 設問1(1)本件計画変更の処分性 ①出題の角度の共通性 設問1(1)では、農振法13条に基づく農業振興地整備計画の一環としての農地利用計画の変更(=本件計画変更)の処分性と本件計画変更を求める本件申出に対する拒絶の処分性が問われています。 このうち、前 […]

今回の記事では、令和2年司法試験「商法」論文と司法試験過去問との関連性について説明いたします。 司法試験過去問との関連性は45%です。 . 設問1 Bは、甲社の「株主」として本件株式発行の無効の訴え(会社法828条1項2号)を提起し、非公開会社では適法な株主総会特別決議を経ない株式発行は無効であるという考えを前提として、本件株式発行に係る本件決議2(会社法199条2項、309条2項2号)の取消事由を主張することになります。「非公開会社では適法な株主総会特別決議を経ない株式発行は無効であるか」という論点が問題になっているという点で、非公開会社における株主総会特別決議を経ない株式発行(株主割当て以 […]

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講師紹介

加藤 喬 (かとう たかし)

加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
司法試験・予備試験の予備校講師
6歳~中学3年 器械体操
高校1~3年  新体操(長崎インターハイ・個人総合5位)
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
労働法1位・総合39位で司法試験合格(平成26年・受験3回目)
合格後、辰已法律研究所で講師としてデビューし、司法修習後は、オンライン予備校で基本7科目・労働法のインプット講座・過去問講座を担当
2021年5月、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立

執筆
・「受験新報2019年10月号 特集1 合格
 答案を書くための 行政法集中演習」
 (法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 憲法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成30年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成29年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成23~
 25年」行政法(法学書院)

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