質問コーナー「 過去問全般 」
22件の質問

予備試験対策としての司法試験過去問の位置づけについては、こちらで回答しておりますので、ご確認くださいませ。 https://kato.blog/qapost/10562/ ご質問では「予備試験過去問をほぼやりつくしている」とありますが、「予備試験過去問なら正解筋レベルのことはほとんど気が付けるが、点の入る書き方ができてない」という状態なのだと思います。 この状態で当てはめの練習をするために司法試験過去問をやっても、当てはめをする際に意識するべきポイントが分からないままがむしゃらに学習進度に合っていない難易度の司法試験過去問をやることになるだけです。 予備試験論文で点数が伸びない原因はもっと初歩 […]

2022年11月30日

加藤ゼミナールの基礎問題演習講座には司法試験過去問の重要部分も問題文をシンプルにした上で反映されているので、予備試験対策としては、基礎問題演習講座と予備試験過去問講座をやればやれば足りると考えます。 仮に基礎問題演習講座を受講しない、あるいは受講の有無にかかわらず司法試験過去問までやりたいというのであれば、次の科目がお薦めです。 憲法は、平成30年、令和1年の2年分については、問題文のヒントに従って何をどう論じるべきかを判断するという問題文の読み方のコツと、違憲審査基準の基本形の使い方を学ぶ上で大変有益ですから、予備試験対策としてもお薦めです。 行政法は不要です。問題文の文章・形式が違いすぎま […]

2022年11月01日

まず、1行35文字程度で4~5枚なら、分量としては合格水準であると考えます。私の場合、1行28~30文字前後で平均5枚でした。 次に、分量を増やす方法ですが、ご質問に書かれている内容からすると、4~5枚にとどまっている原因は、おそらく、法律知識の定着が不十分であることと、司法試験レベルの問題の処理に慣れていないことの2点にあると思います。司法試験過去問では、短文事例問題とは異なり、複雑な事実関係を前提としてたくさんの条文・論点等に関する法律知識を組み合わせて答案を作成することになりますから、”なんとなく知っている”というレベルの知識水準だと本問で使うべき法律知識の抽出& […]

2021年08月28日

回答が少し遅れてしまい、申し訳ございません。司法試験関連の対応に追われておりました。 私が考える良問は、次の司法試験で出題される可能性の高い分野・論点が出題された問題ではなく、多くの問題に共通する考え方・書き方を習得・確認することができる問題です。 民法だと、平成28年司法試験です。令和2年リアル解答企画に向けた答案練習でも、民法では平成28年司法試験の答案を書きました。①検討事項が多い問題を時間内に処理し切るための訓練になる、②訴訟物⇒法律要件⇒論点という書き方の基礎を確認することができる、③現場思考問題(設問2(3))における書き方・考え方の習得に役立つ、④改正民法を前提とした答案作成も経 […]

2021年01月21日

「基本7科目の司法試験過去問のランク付け(令和3年司法試験向け)」を参考にして頂きありがとうございます。 予備試験論文式の出題内容により翌年の司法試験における出題可能性の高い分野・低い分野が変わることがあり、これに伴い司法試験過去問の年度ごとにおける重要度まで変わることがあります。 例えば、仮に司法試験過去問で一事不再理効が出題されているのであれば、令和2年予備試験で一事不再理効が出題されたことから、令和3年司法試験において一事不再理効が出題される可能性が下がることになり、これにより司法試験過去問のうち一事不再理効を問う部分の重要度が下がります。 しかし、令和2年予備試験論文式の出題内容と司法 […]

2021年01月15日

司法試験過去問をやる意味には、3つあります。 ①今後の勉強の方向性を把握するために「出題傾向」と「自分と過去問の距離」を把握する。 ②司法試験過去問から再度出題される可能性に備えるために司法試験過去問(特に出題頻度の高い分野・論点)をやり込む。 ③アウトプット力を身につける。具体的には、問題文から検討事項を抽出するコツを掴む(本試験特有の問題文の読み方に慣れる)、現場思考問題・分からない問題に対処するための読解・思考・書き方のコツを掴む、文章力を鍛える、情報処理に慣れる、途中答案対策などが挙げられます。 司法試験合格に向けた勉強の出発点となるのは、①です。①では、直近2年分(令和1年・2年)の […]

2021年01月14日

問題文へのマーカー・アンダーラインの引き方は、全科目で統一しております。 グリーンのマーカー:法令・登場人物・重要なキーワード(例えば、問題文で(以下「…」とする)とある部分) ピンクのマーカー:積極方向に働く事情や条文の趣旨(特に行政法) オレンジのマーカー:消極方向に働く事情・例外的な事情・例外的なルール(特に行政法) ブルーのマーカー:重要な行為(例えば、憲法における法令の適用行為、刑法で犯罪の成否を検討する行為、刑事訴訟法で適法性を検討する捜査機関の行為) 私は、4色のマーカーに加え、4色のボールペンも使っていました。色分けの仕方は、グリーンのアンダーラインがグリーンのマーカー、ブルー […]

2021年01月14日

秒速・過去問攻略講座2021の受講を検討して頂きありがとうございます。 ロースクール既修に合格するだけの実力があるのであれば、司法試験過去問に着手する時期にあると思います。予備校を利用している方であれば、①予備校の入門講座のインプット講座(伊藤塾なら基礎マスター)と②予備校のアウトプット講座(伊藤塾なら論文マスター)を一通り受講したという段階から司法試験過去問に着手するべきであると考えます。 短文事例問題(分量は旧司法試験くらい、難易度は旧司法試験よりも低い)で6~7割の検討事項(訴訟物、罪名、条文、論点等)を抽出し、それなりの正確性をもって答案構成をすることができるという状態であれば、司法試 […]

2020年12月21日

いきなり解説等を参照しながら完全解答案を目指すという勉強法は、絶対にやってはいけません。司法試験の難しさの1例として、複雑な事実関係を短時間で整理・把握して配点項目(訴訟物、罪名、条文、論点等)を抽出することが挙げられます。これまでの予備校答案、短文事例問題及び法科大学院入試の問題では簡単に抽出することができていたAランクの訴訟物・罪名・条文・論点であっても、司法試験レベルの問題になると抽出できなくなる、ということがあります。いきなり解説等を参照しながら完全解答案を書こうとすると、肝心の「抽出の難しさ」を実感することができず、司法試験レベルの問題で「抽出するために必要とされる理解度及び問題文の […]

2020年12月13日

論文演習には、基礎固めをする段階(1段階目)と本試験レベルの問題に対応できるだけの実力を身につける段階(2段階目)とがあります。1段階目では、「短文事例」かつ「捻りが少ない」問題を使うのが望ましいです。予備試験・旧司法試験過去問よりもシンプルなものにするべきです。 2段階目では、自分が受験する試験の過去問を最優先します。予備試験受験であれば、全科目につき、予備試験過去問を最優先することになります。予備試験過去問の次は、新司法試験過去問です。仮に旧司法試験過去問までやるなら、民事訴訟法・刑法あたりだと思います。

2020年12月09日

まず初めに、直近2年分(少なくとも、令和2年分)について、制限時間内で答案を書き、解説講義を視聴する(令和2年分については、「リアル解答速報」を用いる)ことで、「自分と本試験の距離及び最新の出題傾向(難易・範囲・角度・形式)」を把握します。これにより、「科目特性と自分の実力等に合った現実的な合格答案像」を具体的にイメージします。現実離れしたゴールを想定するのではなく、自分の筆力・記憶力・理解力・可処分時間等を前提として自分の実力等に見合った現実的なゴールを想定するということが大事です。 次に、「科目特性と自分の実力等に合った現実的な合格答案」を書けるようになるために、司法試験過去問を使った答案 […]

2020年12月07日

2周目以降は、問題文や何をどう論じるのかについて頭に入っている状態になるのはやむを得ないことですし、むしろ、それが理想的です。2周目以降であるにもかかわらず、問題文や何をどう論じるのかについて頭に入っていないのであれば、1周目で何も学んでいない等しいからです。過去問をやる意味の1つとして、再度の出題可能性に備えることが挙げられますから、同種事案が出題された場合に高水準の答案を書くことができるように、問題文や何をどう論じるのかについて頭に入れておく必要があります。 その一方で、過去問をやる意味として、現場での判断力を磨くということも挙げられます。2周目以降は、問題文や何をどう論じるのかについてあ […]

2020年11月17日

短文事例問題をやる意味と司法試験過去問をやる意味は異なります。 短文事例問題をやる意味は、司法試験との関係では、①事案と条文・論点の対応関係を確認する、基礎的な読解・思考・構成のコツを掴む等により、司法試験過去問の演習に耐え得るだけの基礎を固める、②司法試験過去問の穴をカバーするという2つです。 司法試験過去問をやる意味は、③出題の傾向・難易及び自分の実力等を確認することを通じて、自分が目指すべき現実的な合格答案像のイメージを掴み、そのために必要な勉強内容を明確にする、④①を基礎力があることを前提として、全科目に共通する読解・思考・書き方と科目・分野単位での読解・思考・書き方をマスターする、長 […]

2020年10月17日

受験者のほぼ全員が、記述と設小問等との対応関係を明確にするために、「設問1」「小問1」といったことを答案に書きます。 もっとも、こうしたことを書かなくても、採点者において各設小問等に対応していると判断することができれば、ちゃんと採点されるはずです。対応関係を明らかにするための一手段として、一応、書いているだけなんですよね(もちろん、採点上の不利益を受ける可能性を0にするために、「設問1」「小問1」といったことを書くべきです)。 「設問1小問(2)を設問2と誤って記載し、設問2を設問3と記載してしまった」としても、設問1小問(1)⇒設問1小問(2)⇒設問2という流れで書いていれば、設問1=設問1 […]

2020年10月16日

これまでと同様、令和2年司法試験の単年度版の過去問攻略講座の販売も実施いたします。 もっとも、令和2年司法試験過去問の出題趣旨・採点実感が出揃うのが令和3年2月であるため、単年度版の過去問攻略講座の販売は3月頃になる予定です。 直近の司法試験過去問から先にやる目的は、「自分と本試験の距離及び最新の出題傾向を把握することで、科目ごとに自分が目指すべき理想の答案像を具体化し、今後の勉強の方向性を明らかにする」ことにあります。なので、この目的にとって必要な限度で出題分析と自己分析をすれば足りるので、ここで正解筋や書き方等について丁寧に分析する必要はありません。 直近の司法試験過去問を使った自己分析と […]

2020年10月10日

論文対策としての問題演習には、2つの段階があります。 1段階目が、入門講座終了直後又は入門講座と並行して行う、短文事例問題集を使った問題演習です。この段階における問題演習の目的は、①インプット講座で学んだ知識の使い方(どういった場面でこの条文・論点が問題になるのか等)を確認する、②基礎的な読解・思考のコツを掴む、③全科目に共通する答案の型を身につける(法的三段論法に従った論述形式など)、④科目ごとの書き方の基礎を身につける(刑法では、客観的Tb⇒主観的Tb・・という流れで書く、民法では訴訟物から考え、それに対応する法律要件に即して論じるなど)といったことにあります。この段階では、初めのうちは、 […]

2020年10月05日

最後まで書き切るまで制限時間を延長すると、例えば5枚しか書けないのに8枚まで書くことになるなど、現実離れした分量の答案を書くことになってしまい、実力からかけ離れた答案作成の感覚が染みついてしまう危険がありますし、適切なメリハリ付けの視点、簡にして要を得た文章を作成する技術等も身につきません。 他方で、制限時間を2時間に設定した結果、最後の設問を丸々書くことができなかったなど、極端な途中答案になってしまうと、書けなかった箇所について適切な分析をすることができません(模範解答と比較するべき自分の答案が存在しないため、自己分析ができない)。なので、両者のバランスを取ることになります。 制限時間を設定 […]

2020年10月03日
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講師紹介

加藤 喬 (かとう たかし)

加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
司法試験・予備試験の予備校講師
6歳~中学3年 器械体操
高校1~3年  新体操(長崎インターハイ・個人総合5位)
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
労働法1位・総合39位で司法試験合格(平成26年・受験3回目)
合格後、辰已法律研究所で講師としてデビューし、司法修習後は、オンライン予備校で基本7科目・労働法のインプット講座・過去問講座を担当
2021年5月、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立

執筆
・「受験新報2019年10月号 特集1 合格
 答案を書くための 行政法集中演習」
 (法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 憲法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成30年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成29年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成23~
 25年」行政法(法学書院)

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