質問コーナー「 労働法 」
13件の質問

ある選択科目を勉強している途中で他の選択科目に変更するのはありですが、本試験を受験するところまで学習が進んでいる場合には、選択科目はなるべく変更しない方がいいです。 新しい科目をいちから勉強する場合、記憶が定着するまでも、知識を事例問題を通じて使うことに慣れるまでにも、時間がかかります。この負担の大きさを踏まえると、選択科目の変更に伴う勉強量の一部を自分に合わないと思っている選択科目の勉強に充てた方が、選択科目の点数が伸びます。 新しい選択科目を勉強する時間の一部を基本7科目の勉強に充てることで、8科目の合計点の底上げを効率がいいともいえます。 それから、仮に本当に倒産法がご自身に合わない科目 […]

2021年05月25日

争議行為は団体交渉の圧力手段として保障されるものですから、その正当性が認められるためには、少なくとも、①争議行為における要求事項が義務的団交事項にあたることと、②葬儀行為における要求事項について既に団体交渉を経ていることが必要です。 ①は目的の正当性として、②は手続の正当性として要求されます。 したがって、例えば、労働組合が使用者に対して所属組合員に対する賞与支給を求めて団体交渉を経ることなく争議行為を行った場合には、目的の正当性を満たしますが、要求事項について団体交渉を経ていないため、手続の正当性を欠きます。また、労働組合が使用者に対して所属組合員に対する賞与支給を求める団体交渉を行った後で […]

2021年04月21日

降格と配転が同時に行われている場合における権利濫用の判断において、東亜ペイント事件の判断枠組みを使うことは、間違いであると断定することまで出来ませんが、少なくとも一般的な理解ではないと思います。日本ガイダント事件の判断枠組みを使い、配転命令だけの場合によりも厳格に判断するというのが一般的な理解です。 なので、労働法速修テキストでも事例演習労働法解説講義でも、降格と配転が同時に行われている場合における権利濫用の判断については、東亜ペイント事件の判断枠組みを否定した上で日本ガイダント事件の判断枠組みを定立しております。 私の事例演習労働法解説講義のテキストを確認しましたが、降格的配転の事案に関する […]

2021年04月19日

おそらく、不当労働行為制度おける労働委員会による救済命令について、裁判所による司法救済と比較する形で、救済命令の内容については正常な集団的労使関係の回復・確保という不当労働行為制度の趣旨を実現するために労働委員会に行政裁量(効果裁量)が認められているため、私法上の法律関係から”ある程度”逸脱した救済命令も認められる(だから、司法救済では認められない救済内容についても、救済命令であれば認められる余地がある)、ということに言及することが求められているのだと思います。 速修テキスト392頁の1・2、395頁の6あたりの記述が参考になると思います。

2021年03月24日
加藤先生の労働法速修テキスト講義を受講しております。いつもお世話になっております。 労働組合法における「労働協約の一部解約」について、1点質問させていただきたいことがございます。 テキスト第3版334頁では、労働協約の一部解除の要件について、ソニー事件(東京高判H6.10.24)を基に、「①一部解約の対象が客観的に他の協約事項と分別できるものであり、かつ、②分別して扱われることを当事者が予想し得たと考えるのが合理的である場合を除き、労働協約の一部を一方的に解約することは許されない」としています。 他方、債務的部分の一部解約を認めた日本アイ・ビー・エム事件(東京高判H17.2.24)は、「(ⅰ)その条項の労働協約の中での独立性の程度、その条項が定める事項の性質をも考慮したとき、(ⅱ)契約締結後の予期せぬ事情変更によりその条項を維持することができなくなり、又はこれを維持させることが客観的に著しく妥当性を欠くに至っているか否か、(ⅲ)その合意解約のための十分な交渉を経たが相手方の同意が得られず、(ⅳ)しかも協約全体の解約よりも労使関係上穏当な手段であるか否かを総合的に考え合わせて、例外的に協約の一部の解約が許される場合があるとするのが相当である」[(ⅰ)〜(ⅳ)は引用者]と判示しています。 ①は(ⅰ)に対応していると考えたのですが、②はどのように考えればよいのでしょうか? お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

労働協約の一部解約の要件については、速修テキスト講義334頁の通り、「㋐一部解約の対象が客観的に他の協約事項と分別できるものであり、かつ、㋑分別して扱われることを当事者が予想し得たと考えるのが合理的である場合」の2要件で理解するのが一般的であると思われます(例えば、山川隆一「プラクティス労働法」第2版282頁、西谷敏「労働法」第2版710頁)。著者である山川先生と西谷先生は、いずれも元考査委員です。 水町勇一郎「詳解 労働法」初版162~163頁では、「裁判例は、①協約条項のなかに客観的に他と分別できる独立した部分があり、かつ、当事者も分別した取扱いを予想し得たと考えられる場合には、一部解約が […]

2021年01月04日

労働法第2問で出題される労働保護法の分野は、基本的には、不当労働行為に関連する分野です。典型的なのが、人事権行使(第6章人事、第14章懲戒、第16章解雇)です。 あとは、平成23年第2問のように、労働協約による労働条件の不利益変更と並んで、就業規則による労働条件の不利益変更(第2章)が出題される可能性もあります。 理論上、他の分野からの出題も可能ですが、出題される現実的な可能性があるは上記4分野であると考えています。

2020年12月21日

労働法過去問攻略講座の模範答案は、「縦30文字前後・92行以内」の書式に従ってコンパクトにまとめているため、論点に入る前の前提事項(問題提起を含む)をばんばん端折っていますし、論証における理由・規範をぎりぎりまでコンパクトにしていることもあります。 初学者である場合、どうしても、問題文を読んでから結論に至るまでの思考過程の大部分を答案に反映してしまいがちです。上級者になると、問題文を読んでから結論に至るまでの思考過程のうち、配点項目に直接該当すること及び配点が大きいことを優先的に答案に反映できるようになるのですが、初学者の場合はそれが難しいと思います。 なので、まずは解説部分の構成と論証に従っ […]

2020年12月13日

今年の予備試験論文の受験、お疲れさまでした。 労働法速修テキスト講義を受講して頂き、ありがとうございます。 第3部労働組合法は第2部労働保護法の知識を前提とするものであるのに対し、第2部労働保護法では第3部労働組合法の知識はほとんど使いません。したがって、第2部労働保護法だけを勉強しても、体系的知識が身につかないということにはなりませんので、ご安心ください。しかも、労働法速習テキスト講義では、本編(約20時間)に先立ち受講して頂く導入編(1時間半)において第2部労働保護法と第3部労働組合法の全体像をざっと説明しておりますので、尚更、問題ありません。 難しさと量の多さからすると、第2部労働保護法 […]

2020年11月01日

確かに、労働者のストライキを理由とする賃金カットが問われた平成21年司法試験第2問・平成28年司法試験第2問のうち、平成28年司法試験第2問では、Y社がストライキを実施するX組合の組合員を含む、ストライキが実施される営業所の整備職の従業員に対し、ストライキの間、休業することを命じているため、Y社がX組合によるストライキの終了後にホテル建物を閉鎖して営業を休止し、X組合の組合員であるX1らの就労を拒否し、その日以降の賃金の支払いを拒んだという平成25年司法試験第2問と似ています。 しかし、争議行為とは、労働組合・使用者のいずれを主体とするものであっても、「主として団体交渉における自己の主張の貫徹 […]

2020年09月16日

使用者が何らかの解雇回避努力をしている事案であれば、4要件説に立った上で、退職金増額等の解雇による不利益緩和措置を根拠として義務として要求される解雇回避努力の内容を緩和する、という構成がいいです。 これに対し、使用者が解雇回避努力を全くしていない事案では、義務として要求される解雇回避努力を緩和するという構成は使えません(どんなに緩和しても、解雇回避努力を全くしていない以上、解雇回避努力義務の懈怠が認められてしまうからです)。この場合は、㋐4要件説では原則として解雇回避努力が要件とされるが、例外的に、不利益緩和措置が解雇回避努力に代わって整理解雇の正当化根拠になるとして、あくまでも4要件説で処理 […]

2020年09月16日

確かに、労働協約による労働条件の不利益変更が出題された平成19年司法試験第2問、平成27年司法試験第2問及び平成30年司法試験第2問の出題趣旨・採点実感では、有利原則の肯否には言及されていません。しかし、労働協約による労働条件の引下げは、①その「可否」が有利原則の肯否として、②その「限界」が協約自治の限界として、それぞれ問題になります。この流れで議論を進めるのが通常であり、元考査委員である野川忍教授の「労働協約法」初版173頁以下でも、そのように説明されています。したがって、有利原則の肯否にも何らかの配点があると思われるため、書くのが望ましいです。 もっとも、出題者側は、受験生答案が有利原則肯 […]

2020年09月15日

労働保護法上の使用者概念は、使用者性が問われている事業主と役務提供者の間に、現時点で、直接の契約関係が存在しない場合に問題となります。例えば、派遣労働者と派遣元、子会社労働者と親会社の関係などで問題となります。これらの事例では、役務提供者は派遣先や子会社との間で労働契約関係にありますから、労働者概念は問題になりません。 これに対し、役務提供者と直接の契約関係にある事業主の使用者性は、役務提供者の労働者性の論点に包摂されますから、労働者性と区別された論点として顕在化することはありません。例えば、役務提供者Xと業務請負契約を締結しているY社は、Xが労働保護法上の労働者に当たるのであれば、その反射的 […]

2020年09月15日

変更解約告知とは、「労働条件の変更を申し入れ、これに応じない場合には労働契約を解約する旨の意思表示」を意味します(水町勇一郎「詳解  労働法」初版950頁)。このように、労使間の合意による労働条件の変更(労働契約法3条1項)を目指し、変更について承諾しないのであれば解雇をする、というものです。 配転命令による労働条件の変更は、労働者の同意を要することなく、使用者の一方的な意思表示によりなし得るものです。そのため、配転命令に従わなかったことを理由とする解雇は、労働条件の変更について労働者の承諾を求める過程で行われる変更解約告知とは異なります。したがって、配転命令に従わなかったことを理由とする解雇 […]

2020年09月15日
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講師紹介

加藤 喬 (かとう たかし)

加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
司法試験・予備試験の予備校講師
6歳~中学3年 器械体操
高校1~3年  新体操(長崎インターハイ・個人総合5位)
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
労働法1位・総合39位で司法試験合格(平成26年・受験3回目)
合格後、辰已法律研究所で講師としてデビューし、司法修習後は、オンライン予備校で基本7科目・労働法のインプット講座・過去問講座を担当
2021年5月、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立

執筆
・「受験新報2019年10月号 特集1 合格
 答案を書くための 行政法集中演習」
 (法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 憲法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成30年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成29年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成23~
 25年」行政法(法学書院)

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