質問コーナー「 刑事訴訟法 」
2件の質問

拳銃譲渡に関する甲乙間の会話の使い方としては、①要証事実を甲乙間の会話の内容の真実性を前提としたものにする(甲乙間の会話の内容たる事実を要証事実とする)、②甲乙間でそのような内容の会話がなされたことを要証事実とする、③甲乙間で何らかの会話がなされたことを要証事実とする、という3パターンが想定されます。 ①は、捜査報告書中の会話部分(証拠)から「甲と乙が拳銃譲渡の合意をした」という主要事実を直接に証明するというものです(直接証拠型)。この場合、要証事実との関係で甲乙の会話の内容の真実性が問題となるため、伝聞証拠です。 ②は、捜査報告書中の会話部分(証拠)から「甲乙間で拳銃譲渡を窺わせる内容の会話 […]

2020年12月25日
平成17年旧司法試験第2問では、甲が放火事件で起訴され、「自分は犯人ではない。犯行現場に行ったこともない。」と述べて犯行を否認しており、警察官が「甲の犯行」を立証するための証拠として「放火があったとき、現場付近にいたことは確かだが、自分は犯人ではない」旨の甲の供述が録画されたビデオテープ(テレビ放映されたインタビュー動画録画したもの)について、本件ビデオテープ(証拠)⇒「放火があった時、甲が犯行現場にいたこと」(間接事実)⇒甲の犯人性(主要事実)という推認過程を前提として、本件ビデオテープの要証事実を「放火があった時、甲が犯行現場にいたこと」と捉えることになると思います(この場合、伝聞証拠に当たります)。これと異なり、本件ビデオテープ(証拠)⇒「放火があったとき、現場付近にいたことは確かだ」とする甲の発言の存在(間接事実)⇒「放火があった時、甲が犯行現場にいたこと」(間接事実)⇒甲の犯人性(主要事実)という推認過程を前提として、本件ビデオテープの要証事実を「放火があったとき、現場付近にいたことは確かだ」とする甲の発言の存在と捉えることで、本件ビデオテープを非伝聞証拠とすることは許されないということは、感覚的には理解できるのですが、理論的に説明することができません。どうして、要証事実を後者のように捉えることが許されないのでしょうか。

放火事件で起訴された被告人甲は、捜査・公判を通じて、「自分は犯人ではない。犯行現場には行ったこともない。」と述べて犯行を否認していたが、起訴前に、テレビ局のイ ンタビューを受けたことがあり、当該インタビューにおいては 「放火があったとき、現場付近にいたことは確かだが、自分は犯人ではない。」と述べていた。捜査機関が、テレビ放映された当該インタビューをビデオテープに録画していたところ、検察官は、甲の犯行を立証するための証拠として、当該インタビューの内容を使用しようと考え、このビデオテープを証拠調べ請求した。裁判所は、このビデオテープを証拠として採用できるか。(平成17年旧司法試験第2問) あああ […]

2020年09月15日
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講師紹介

加藤 喬 (かとう たかし)

加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
司法試験・予備試験の予備校講師
6歳~中学3年 器械体操
高校1~3年  新体操(長崎インターハイ・個人総合5位)
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
労働法1位・総合39位で司法試験合格(平成26年・受験3回目)
合格後、辰已法律研究所で講師としてデビューし、司法修習後は、オンライン予備校で基本7科目・労働法のインプット講座・過去問講座を担当
2021年5月、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立

執筆
・「受験新報2019年10月号 特集1 合格
 答案を書くための 行政法集中演習」
 (法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 憲法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成30年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成29年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成23~
 25年」行政法(法学書院)

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