質問コーナー「 行政法 」
11件の質問

まず、私の訂正後の解説で言及している通り、本件不選定決定の処分性は、申請権アプローチによって検討するというのが正解筋であると思われます。もっとも、申請権アプローチで論じている答案はそこまで多くないと思いますから、公共施設管理者の不同意に関する判例を使って論じても、合格水準に到達します。 次に、問題文34行目では、Bから相談を受けた「弁護士Dの指示に応じる弁護士Eの立場に立って、設問に答えなさい」との指示があるため、設問1(1)(2)のいずれについても、原告訴訟代理人の立場として論じることになります。したがって、原告訴訟代理人の立場として「なんとかして処分性や訴えの利益を肯定することはできないか […]

2021年05月25日

令和3年司法試験解答速報を参考にして頂きありがとうございます。設問1(1)における解説記事として申請権アプローチのことを追加していた際に、一時的に非公開になっていたのだと思います、ご不便おかけすることになり申し訳ございませんでした。 設問1(2)における合格水準(1400番前後)として必要とされる論述事項は、以下の4点であると考えます。 ①Bの提訴の目的が自分が本件区画の屋台営業候補者に選定されることにある ②本件区画について屋台営業候補者に選定されるのは1人だけであること(競願関係というキーワード不要) ③本件不選定決定の取消訴訟における取消判決の拘束力(33条1項、2項)の生じ方から、市長 […]

2021年05月23日

市長による条例26条に基づく選定・不選定の決定については、「地方公共団体の機関がする処分」のうち「その根拠となる規定が条例…に置かれているもの」(行政手続法3条5項)として、行政手続法第2章ないし第6章の適用が除外される一方で、A市行政手続条例が適用されます。 A市行政手続条例では、行政手続法第2章と同じ内容の規定が設けられているため、行政手続法10条と同じ内容と定めているA市行政手続条例10条の適用により、選定・不選定に先立ち新規営業希望者も含む利害関係者の意見を聴くために公聴会を開催する努力義務が発生する余地があります。 条例により、選定・不選定の際に「申請者以外の者の利害を考慮するべきこ […]

2021年05月23日
お疲れ様です。ただいま、加藤先生の令和3年行政法の答案を拝見しました。 1点、質問なのですが、設問1(1)における本件不選定決定の処分性の検討の際に、処分性を認める根拠として、申請権が認められていることをアピールするのは間違いであったか、ということです。 どういうことかと申しますと、「申請に対する行政庁の応答は処分にあたる」(中原茂樹「基本行政法」第3版113頁)という観点から、本件が「諾否の応答をすべきこと」(行手法2条3号)とされているかを検討するということです(申請権の有無を検討する)。 本件の個別法を見てみますと、本件条例の26条3項に「~通知しなければならない」、本件規則21条には(決定の通知)という規定があるので、「申請に対して審査及び諾否の応答がされるという手続的な権利が保障されている(=申請権がある)」(「基本行政法」第3版113頁)こととなり、申請の対する処分として処分性がある方向へ傾く論証ができないか…ということです。 なお、この点は橋本先生の連載第2回(https://gyoseihou.hatenablog.com/entry/2021/04/09)の末尾に「処分性の有無の解釈(まとめ)」として、「⑨ 上記とは一応別に、(中略)申請制度(申請権があること)が条文から明らかな場合(行政側の応答義務が法定されているなど)(中略)処分性を認めるテクニックがあることを意識する。」と書かれていることと同趣旨の主張です。私の説明では伝わりにくいかもしれないと考えたので、付記いたしました。 ただ、処分性の公権力性や直接具体的法効果性といった従来の規範と、この主張の位置づけがどうなるかについて書き方の難しさはあります...。 以上、よろしくお願いします。

令和3年司法試験、本当にお疲れ様でした。解答速報をご覧いただきありがとうございます。 会議録51~52行目では、「弁護士E:…屋台営業候補者の選定が申請に対する処分に当たるか、したがって、本件不選定決定が申請拒否処分に当たるかを検討すればいいでしょうか。」「弁護士D:基本的な方針はそれでいいと思いますが…」とありますから、本件不選定決定の処分性については「申請に対する拒否処分に当たるか」という観点から論じることになります。 論述の仕方としては、”理論上”、2つあります。 ①処分性についての昭和39年最高裁判例の定式を前提として、関税定率法21条3項に基づく税関長の輸入禁 […]

2021年05月21日

2008「法学セミナー 新司法試験の問題と解説」36頁では「本件勧告…の内容の違法確認をするか、服従義務不存在確認をする(実質的当事者訴訟、行訴法4条後段)…」とあり、2008.8「受験新報 新司法試験論文問題の分析」47頁では「勧告の処分性を否定した場合、実質的当事者訴訟として、勧告に従うことがないことの確認訴訟(あるいは勧告の違法確認訴訟)が可能だろう。」とあります。 勧告の違法確認訴訟は、「処分性の認められない行政の行為(行政指導や通達など)…の違法ないし無効を確認の対象とする訴え(ダイレクト・アタック型)」として、原則として確認対象の適切性を欠くはずであるため(櫻井・橋本「行政法」第6 […]

2021年03月08日

今回の道路法に限ったことではありませんが、個別法で不利益処分が法定されている場合、個別法の保護法益を侵害すること又は侵害するおそれがあることが処分要件として定められています。したがって、保護法益の侵害は、処分要件該当性で考慮されるものです。 不利益処分には反対利益の侵害(被処分者やその関係者等の不利益)を伴います。反対利益への配慮は、基本的には効果裁量の段階で問題とします。効果裁量を認める実益は、反対利益に配慮して処分を制限する余地を残すことにあります。 以上を前提にすると、平成29年司法試験行政法設問1(2)における、道路法43条2号違反を処分要件の一つとする同法71条1号に基づく除去命令で […]

2021年01月13日

受験者のほぼ全員が、記述と設小問等との対応関係を明確にするために、「設問1」「設問(1)」といったことを答案に書きます。 もっとも、こうしたことを書かなくても、採点者において各設小問等に対応していると判断することができれば、ちゃんと採点されるはずです。対応関係を明らかにするための一手段として、一応、書いているだけなんですよね(もちろん、採点上の不利益を受ける可能性を0にするために、を書くべきです)。 「設問1小問(2)を設問2と誤って記載し、設問2を設問3と記載してしまった」としても、設問1小問(1)⇒設問1小問(2)⇒設問2という流れで書いていれば、設問1=設問1(1)、設問2=設問1(2) […]

2020年10月16日

確かに、本件申出の拒絶に処分性を認めるということは、本件申出が本件計画変更という許認可等の処分を求める法令に基づく申請に当たることを前提にすることになりますから、本件計画変更の処分性を否定する一方で本件申出の拒絶について処分性を肯定することは論理的に矛盾すると思います。 しかし、司法試験論文式では原則として加点方式が採用されており、積極的に減点されるというのはかなり稀です。 会議録では、本件申出の拒絶について、本件運用指針で明記されているとどまることに着目して法令上の根拠の有無(公権力性の一要素)を論点として論じることが誘導されており、本件計画変更の処分性に関する検討内容と関連付けて論じること […]

2020年09月28日

本件通達を法5条に基づく設置許可の実体要件について認められる要件裁量に関する裁量基準に位置づけることができるかは、本件通達が実体要件について定める法5条2項及び同条項の委任を受けた同法施行規則12条とに関するものといて発出されたものであるかと直接的な関係はないと思います。通達は法令との委任関係がないものですから、形式上は申請の形式的要件について定めた法5条1項及び同条項の委任を受けた同法施行規則11条2項に関するものとして発出されたものであったとしても、許可の実体要件として運用されているのであれば、審査基準に位置づけられることになります(申請には形式的要件と実質的要件とがあることについては、中 […]

2020年09月07日

確かに、建築確認処分の要件規定として、大規模の建築物の主要構造部の防火措置等について定めた建築基準法21条を用いることで、F・Gについて、近隣建築物により侵害され得る生命・健康・財産を被侵害利益とする原告適格を肯定することも可能であると思います。しかし、F・Gについて、いかなる利益を被侵害利益として原告適格を検討するのかについては、原告であるF・Gの言い分(F・Gが主張する被侵害利益)を基準として判断することになります。会議録によると、F・Gは、建築確認に係る本件建築物の敷地が十分な幅の道路に接しているとはいえないため「火災時などに消防車等が侵入することが困難で、防災上問題がある」と主張してい […]

2020年09月07日

設問1では、住民訴訟の訴訟要件を確認しましょう。特に、村長Eを被告としてEに対する損害賠償請求権を行使することの義務付けを求める住民訴訟(地方自治法242条の2第1項4号)は、平成24司法試験の憲法論文でも出題されているため、理解しておく必要性が高いです。 設問2では、①適正な対価なくしてされる財産の譲渡について議会の決議が必要であるという法令の仕組み(96条1項6号、237条2項)、その趣旨、「適正な対価」に関する判断方法(行政裁量の有無、行政裁量を認める場合には判断過程で何を考慮するべきか)、②随意契約に関する法令の仕組み(原則禁止:法234条2項、例外許容:同条2項:施行令167条の2第 […]

2020年09月07日
11 件の記事
PVアクセスランキング にほんブログ村

記事のカテゴリ

質問コーナーのカテゴリ

講師紹介

加藤 喬 (かとう たかし)

加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
司法試験・予備試験の予備校講師
6歳~中学3年 器械体操
高校1~3年  新体操(長崎インターハイ・個人総合5位)
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
労働法1位・総合39位で司法試験合格(平成26年・受験3回目)
合格後、辰已法律研究所で講師としてデビューし、司法修習後は、オンライン予備校で基本7科目・労働法のインプット講座・過去問講座を担当
2021年5月、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立

執筆
・「受験新報2019年10月号 特集1 合格
 答案を書くための 行政法集中演習」
 (法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 憲法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成30年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成29年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成23~
 25年」行政法(法学書院)

お知らせ

動画コンテンツ

タグ一覧