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ご質問中のASKの回答(現:質問コーナーに反映済み)は、「甲がVを刺した」旨のWの公判廷外供述(供述調書等)について、要証事実(=直接の立証事項)を「甲がVを刺した」旨のWの供述が存在すること(=間接事実)と捉え、Wの供述の存在自体(=間接事実)から存在するWの供述の内容通りに甲がVを刺したという主要事実を推認するという形で、非伝聞として使用することは、信用性テストを経ない供述証拠による不確かな推認による事実認定の誤りを防止するという伝聞法則の趣旨に抵触するため、許されないというものです(詳細は、こちら)。 公判廷外供述(証拠)から供述の存在自体という間接事実を直接立証し、立証された供述の存在 […]
先行する手続に重大な違法が認められる一方で直接の証拠収集手続には重大な違法が認められないという事案における第一次証拠の証拠能力の判断方法には、①違法性承継論で処理する見解(最二小判昭和61・4・25・百91)と、②先行手続に重大な違法があることを前提に、先行手続と第一次証拠との間に将来の違法捜査抑止の観点からの証拠排除の相当性を肯定できるだけの関連性があるかどうかを検討する川出説(川出敏裕「判例講座刑事訴訟法 捜査・証拠篇」初版462頁)とがあります。なお、大津事件のように、先行手続に重大な違法が認められる一方で直接の証拠収集手続には重大な違法が認められない事案において、第一次証拠に基づいて […]
令状捜索の要件と条文の文言の対応関係については、学者の先生方により整理の仕方が異なります。 川出敏裕「判例講座刑事訴訟法 捜査・証拠篇」初版114~115頁では、令状捜索の実体的要件を①捜索の理由(㋐特定の被疑事件の嫌疑の存在、㋑捜索対象に差押目的物が存在する蓋然性)及び②捜索の必要性(㋒狭義の必要性の存在、㋓狭義の必要性と被処分者の不利益の均衡)に整理した上で、いずれも憲法35条1項の「正当な理由」に対応する要件であるとしています。その上で、②は憲法35条1項を前提とした刑事訴訟法218条1項における「犯罪を捜査するについて必要があるとき」にも対応するとしています。 宇藤崇ほか「リーガルク […]
例えば、T社事務所を捜索場所とする捜索令状であれば、T社事務所内の物がT社事務所という「場所」に包摂されるというためには、当該物にT社事務所に帰属するT社の管理権が及んでいる必要があります。もっとも、T社の管理権を現実に行使している(担っている)のは社長甲ですから、「当該物にT社事務所に帰属するT社の管理権が及んでいるか」の判断では、代表者甲がT社の社長として当該物を管理している(管理権を及ぼしている)のかを問題とすることになります。 なお、社長甲には、①甲個人という地位と、②T社社長という地位の2つがありますから、厳密には、甲が管理していることをもってT社の管理権が及んでいると認定するには、 […]
上記の理解で問題ありません。 まず、別件逮捕・勾留の適法性については、本件基準説・別件基準説・実体喪失説のいずれを採用する場合であっても、別件について逮捕・勾留の要件を満たすかどうかから検討することになります。本件基準説・実体喪失説も、別件について逮捕・勾留の要件を満たしていることが適法性の十分条件ではないとするだけであり、別件について逮捕・勾留の要件を満たすことは適法性の必要条件です。別件について逮捕・勾留の要件を満たす場合に初めて、本件基準説・実体喪失説に固有の判断基準が発動することになります。令和1年司法試験設問1の採点実感でも、本件基準説について「本件基準説の考え方は、逮捕・勾留の要件 […]
確かに、乙の犯行関与を認めることを内容とする甲の供述調書(検面調書・員面調書)には、これと矛盾する乙の犯行関与を否認する乙の供述の信用性を減殺する力が認められる余地があります。しかし、この場合、乙の犯行関与に関する他者の矛盾供述を乙の否認供述の信用性を弾劾するために使うことになりますから、328条の「証拠」を自己矛盾供述に限定する判例の立場(最三小判平成18・11・7・百87)からは、328条の適用は認められません。甲の供述調書を乙の否認供述の信用性を減殺するための弾劾証拠として使用する場合には、甲の公判廷外供述の内容たる事実(乙が犯行に関与した事実)が真実であることを前提とすることになります […]
要件充足性に属する論点については、条文の文言又はその解釈により導かれる要件(条文の文言に対応する要件)に引き付けて論じることになります。例えば、実行共同正犯の成立要件に属する論点については、実行共同正犯における「二人以上共同して犯罪を実行した」(文言)=「共謀+共謀に基づく実行行為」(条文の文言に対応する要件)と整理するのであれば、「共謀」又は「共謀に基づく実行行為」のいずれかに引き付けることになります。 もっとも、論点には、要件充足性に属するものだけでなく、要件を充足した場合の法律効果の内容に属するものもあります。法律効果の内容に属する論点については、条文の文言に引き付けることも可能ではある […]
最一小決平成18・2・14日(平成18年度重要判例解説・事件7)は、窃取したクレジットカードの名義人氏名等を冒用してこれらをクレジットカード決済代行業者の使用する電子計算機に入力送信して電子マネーの利用権を取得した行為について、「被告人は、本件クレジットカードの名義人による電子マネーの購入申込みがないにもかかわらず、本件電子計算機に同カードに係る番号等を入力送信して名義人本人が電子マネーの購入を申し込んだとする虚偽の情報を与え・・た」として、電子計算機使用詐欺罪の成立を認めています。本判決については、クレジットカードの名義人と利用者の同一性が1項詐欺罪における法益関係的錯誤の対象事項(交付の判 […]
判例は、公務執行妨害罪における「公務」について、「ひろく公務員が取り扱う各種各様の事務のすべてが含まれる」と解しています(最一小判昭和53・6・29)。他方で、判例は、威力業務妨害罪における「業務」について、強制力を行使する権力的公務以外の公務が含まれると解しています(最一小決昭和62・3・12)。そうすると、強制力を行使する権力的公務以外の公務については、公務執行妨害罪と威力業務妨害罪の双方で保護されます。したがって、行為者が権力的公務以外の公務に従事する公務員に対して「暴行又は脅迫」を行い、これが「威力」にも当たるという場合には、公務執行妨害罪と威力業務妨害罪の二罪が成立し、科刑上、観念的 […]
確かに、判例は、Eのように適法な選任手続を経ない登記簿上の取締役について、「その不実の登記事項が株式会社の取締役への就任であり、かつ、その就任の登記につき取締役とされた本人が承諾を与えたのであれば、同人もまた不実の登記の出現に加功したものというべく、したがつて、同人に対する関係においても、当該事項の登記を申請した商人に対する関係におけると同様、善意の第三者を保護する必要があるから、同条の規定を類推適用して、取締役として就任の登記をされた当該本人も、同人に故意または過失があるかぎり、当該登記事項の不実なことをもつて善意の第三者に対抗することができないものと解するのを相当とする。」として、旧商法1 […]
信頼の原則において問題となる信頼は、他人が適切な行動に出ること(他人が不適切な行動にでないこと)に対する信頼です。典型的なのが、行為者の不注意と他人の法令違反行為(例えば、被害者の交通法規違反など)とが相まって結果発生をもたらした場合です(最二小判昭和42・10・13・百Ⅰ54)。また、医療事故事案であれば、医療従事者の不注意と他の医療従事者による院内ルール(患者の同一性の重複確認など)への違反とが相まって結果発生をもたらした場合にも信頼の原則が問題となります(最二小決平成19・3・26・「平成19年度重要判例解説」事件2)。 だいぶざっくりとした判断基準ではありますが、行為者の不注意と相まっ […]
委託物横領罪における預金による金銭の占有を肯定する理由は、①否定すると振替送金のように預金債権のままで処分したときには背任罪しか成立しないことになり不均衡であるから、預金たる金銭という不特定「物」の「占有」も認めるべきであるという価値判断(高橋則夫「刑法各論」第2版362頁、西田典之「刑法各論」第7版254~255頁、大塚裕史「基本刑法Ⅱ」第2版287頁)と、②正当な払戻権限の存在により預金の払戻請求に対する銀行の要保護性が否定される(銀行に対する移転罪の成立が否定される)結果、払戻権限を有する者に法律的支配に基づく預金の占有が認められることになるという理論的根拠(山口厚「刑法各論」第2版29 […]
秒速・総まくり2021及び秒速・過去問攻略講座2021に関するQ&Aの一覧表を作成いたしました。 下記の質問一覧で、回答を確認したい質問(青文字)をクリックすると、クリックした質問に対する回答に移動します。 回答文の最後にある「Q&A一覧に戻るにはこちらをクリック」から、記事上部の質問一覧に戻ることができます。 秒速シリーズに関する疑問点等がQ&A一覧でも解決しない場合には、「質問コーナー」又は「お問い合わせ」からご質問いただければと思います。 宜しくお願い致します。 秒速シリーズ2021全般 Q1.秒速シリーズのテキストは、加藤先生が作っているのですか。 Q2.秒速シリーズ20 […]
詐欺罪における財産的損害については、①詐欺罪における財産的損害の内容は、「欺」罔行為のところで、法益関係的錯誤の対象事項(判例でいう「交付の判断の基礎となる重要な事項」)の解釈に取り込まれる形で「欺」罔行為の要件に吸収されているとして、書かれざる構成要件要素として独立の要件に位置づけることを否定する見解(山口厚「刑法各論」第2版267頁、山口厚「新判例から見た刑法」第2版292~297頁)と、②書かれざる構成要件要素として独立の要件に位置づける見解(高橋則夫「刑法各論」第2版323頁)があります。著者によって判例の立場の理解について対立があるものの、山口厚「新判例から見た刑法」第2版295頁で […]
業務上占有者と非占有者とが横領の共同遂行について合意した場合における非占有者の認識については、業務上横領罪の認識を認める見解と、単純横領罪の認識を認める見解とがあります。平成27年司法試験の出題趣旨・採点実感では、「本件の錯誤は、構成要件を異にするいわゆる抽象的事実の錯誤であるから、このような錯誤の場合にどのように処理するか、故意責任の本質について触れて一般論を簡潔に示した上、業務上横領罪と窃盗罪との関係を論じることになる。」(出題趣旨)、「業務上横領罪と窃盗罪との間に重なり合いが認められた場合には軽い罪の限度での重なり合いを認めることとなろうが、業務上横領罪と窃盗罪とは懲役刑については同一の […]
共同正犯関係からの離脱が問題となる事案において、心理的因果性の遮断が認められる一方で物理的因果性が残存している場合について共同正犯の成立を否定するための理論構成には、3つあります。①と②が因果性遮断説からの説明、③が共同正犯に固有の要件からの説明です。 ①共犯の処罰根拠について自己の関与が構成要件的結果を惹起したという因果性であると理解する因果的共犯論からは、自らの関与と因果性を有する範囲で処罰範囲が正当化されるため、いったん共犯関係が成立した後であっても、その後に自らが設定した結果惹起に至る因果性が解消されれば、共犯関係からの離脱が認められ、その後の行為及び結果については共犯の罪責を負わない […]
不作為犯の因果関係も、①事実的因果関係としての条件関係と、②偶発的な結果を排除して適正な帰責範囲を確定することを目的として行為に帰責される結果の範囲について規範的見地から限定を加えるための概念である法的因果関係の2つからなります(大塚裕史「基本刑法Ⅰ」第3版59頁・66頁・90頁)。 最三小判平成元・12・15・百Ⅰ4は、保護責任者不保致死罪が問題となった事案について、「直ちに被告人が救急医療を要請していれば、・・十中八九・・救命が可能であったというのである。そうすると、・・救命は合理的な疑いを超える程度で確実であったと認められる」として因果関係を認め、保護責任者不保護致死罪の成立を肯定してい […]
令和3年司法試験が終了したことに伴い、「令和3年司法試験合格に向けた理想的な勉強計画(9月スタートver)」の記事を取下げ、新しく「令和4年司法試験合格に向けた理想的な勉強計画(7月スタートver)」を公開いたしました。2021.06.20 下記画像をクリックすると、「令和4年司法試験合格に向けた理想的な勉強計画(7月スタートver)」の記事に移動します。
他人名義のクレジットカードを使用して財物を購入することについて、最二小決平成16・2・9・百Ⅱ54は、加盟店を被害者と捉え、クレジットカードの名義人と利用者の同一性が詐欺罪における法益関係的錯誤の対象である重要事項に当たるとして、名義人と利用者の同一性を偽ること自体が加盟店に対する「欺」罔行為に当たり、加盟店に対する1項詐欺罪が成立するとしています。このように、名義人と利用者の同一性を偽ること自体が「欺」罔行為を構成するため、名義人がカード使用について承諾しているかどうか、さらには利用代金が名義人において決済されるかどうかは、「欺」罔行為の成否に影響しません。したがって名義人と利用者の同一性の […]
最二小判令和2年9月11日は、「請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし、他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴が係属中に、本訴原告が、反訴において、上記本訴請求債権を自働債権とし、上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張すること」について、民事訴訟法142条に抵触せず、適法であると判示しました。 つまり、「本訴請求債権を反訴請求に対する相殺の抗弁に供すること」のうち、㋐本訴請求債権である請負代金債権を瑕疵修補に代わる損害賠償請求権を訴訟物とする反訴において相殺の抗弁に供することと、㋑本訴請求債権である瑕疵修補に代わる損害賠償請求 […]
加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。



弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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