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処分違憲(適用違憲)を論じる際には、「憲法の価値を踏まえた規範定立」をすることになりますが、「行政法の個別法の問題の処理と同じ」ではありません。 平成23年司法試験採点実感では、「処分違憲の審査で、法律適用の合法性、妥当性のみを論じる答案が今年も多かった。憲法との関係を論じないと、合憲性審査を行ったことにならない。」とあります。中止命令の処分要件について、法律の趣旨や条文の文言に着目した「通常の法令解釈」により規範を定立して、それに事例を当てはめることで、処分要件を満たすかどうかを審査するのは、処分の憲法適合性の審査ではなく、処分の法律適合性の審査にすぎません(高橋和之「体系憲法訴訟」初版32 […]
被制約権利(表現の自由)と反対利益(プライバシー)の衝突を、「保護法益であるプライバシーは重要であるから、違憲審査基準を引き下げるべきである」といった形で、違憲審査基準を定立過程で取り上げるのは避けるべきです。例えば、平成30年司法試験採点実感では、「立法目的が重要だから審査基準が緩和されるのかについては十分な議論が必要であり、その点を意識した論述が必要である。」とされています。 そこで、違憲審査基準の定立ではなく、適用(当てはめ)に属する目的審査で言及するべきです。中間審査の基準における「重要な利益」とは、制約されている憲法上の権利との比較による相対的な重要性を意味します(曽我部ほか「憲法論 […]
形式的平等と実質的平等は、機会の平等と結果の平等に対応する概念です。つまり、憲法14条1項の「平等」はどういった意味で等しく取り扱うことを意味しているのか、ということです(渡辺・宍戸ほか[憲法Ⅰ 基本権]初版131頁)。①「平等」の意味を明らかにする、②法令等により「平等」ではない取扱いがあること(形式的平等説からは、機会が平等に与えられていないこと)を認定する(差別的取扱い又は区別の認定)、③差別的取扱い又は区別の憲法14条1項適合性という3段階のうち、1段階目の①で問題になるのが通常です。 相対的平等は、形式的平等について言えば、絶対に各人に同じ機会を与えなければならないわけではなく、人ご […]
私の答案では、①「表現の自由」の保護領域について、拡張することなく、本来的な定義通り「思想・意見(等)を発表し伝達する自由」と把握した上で、いかなる干渉が「制約」として評価されるかという問題として論じています。つまり、上記意味における「表現の自由」に対する「制約」として評価される干渉の範囲の問題として論じているわけです。 質問者様の答案では、②「制約」の対象となる「表現の自由」の保護領域を本来的な定義よりも拡張することで、「制約」を肯定するという構成です。②の構成も、理論的にあり得ますし、憲法上の権利に対する制約が問題となる事案のうち、②の構成に馴染むものもあると思います。もっとも、平成27年 […]
「表現の自由」の保護領域について、「情報をコミュニケイトする自由」(渋谷「憲法」初版350頁)だとか「情報交換行為」(赤坂「憲法講義(人権)」初版19頁)といった説明がされるのは、結局のところ、閲読の自由の憲法21条1項による保障を肯定したよど号ハイジャック記事抹消事件判決(最大判昭和58・6・22・百Ⅰ14)や、知る権利の存在を承認した上でそれに奉仕することを根拠として報道機関の事実報道の自由について憲法21条1項による保障を肯定した博多駅事件決定(最大決昭和44・11・26・百Ⅰ73)といった判例(あるいは、その背後にある考え)があってこそのことだと思います。そうすると、やはり、判例に引き […]
表現規制についていえば、①直接的制約は「表現行為それ自体」を規制対象とするものであり、これには内容規制・内容中立規制の双方がある、②間接的・付随的規制(制約)は「行動のもたらす弊害の防止をねらいとして禁止するとき」に「単に行動の禁止に伴う限度」で生じる「意見表明の自由」の制約を意味する、③間接的と附随的を区別する必要はない、という理解で良いかなと思います。③につき補足しますと、間接的と附随的は厳密には異なる概念であるものの、令和1年司法試験採点実感でも「間接的・付随的規制」というように間接的と附随的が区別されていないので、試験対策としては基本的に区別しなくても良いと思います。 それから、「憲法 […]
令和1年司法試験の立法措置①に関する立法事実については、目的審査で使う構成と、手段適合性の審査で使う構成、どちらもあり得ます。厳密には、本事例では、目的審査と手段適合性の審査の双方において、ご指摘の立法事実を使うことになると考えております。 厳格審査の基準・中間審査の基準では、目的・手段の双方につき、立法事実を根拠とした心証形成が必要とされます。立法事実を根拠とした心証形成という点における両者の違いは、立法事実として要求される客観性の程度です。例えば、有害図書規制の憲法21条1項適合性等が問題になった岐阜県青少年保護育成条例事件(最小三判平成元・9・19・百Ⅰ50)では、手段適合性の審査におい […]
確かに、最高裁は、多くの場合、違憲審査の手法として、「一定の利益を確保しようとする目的のために制限が必要とされる程度と、制限される自由の内容及び性質、これに加えられる具体的制限の態様及び程度等を具体的に比較衡量する」という「利益較量」論を採用しており、「違憲審査基準」そのものは採用していないと理解されています。最高裁は、違憲審査基準っぽい基準を定立することもありますが、それは大きな判断枠組みである「利益較量」論による判断の指標として言及されているものにすぎないと理解されています(堀越事件・最二小判平成24・12・7・百Ⅰ14 千葉勝見裁判官の補足意見参照)。 しかし、司法試験委員会は、「保障⇒ […]
憲法論文の対策としては、判例学説に関する知識を身につけることよりも、①人権の保障の内容・趣旨等の教科書知識、②違憲審査の基本的な枠組みの正しい使い方、③個別法の仕組みを正確に把握する力、④問題文のヒントを違憲審査の枠組みに落とし込む形で法的に構成し、文章化して答案に反映する力という4つを身につけることのほうが遥かに大事です。今回、判例に言及していないのにA評価が付いた理由は、採点上において判例に言及することよりも上記①~④という基礎的なことが重視されていることと、判例を踏まえた論述が明示的に要求されてから1年しか経過していないため判例を踏まえた論述をすることができている答案が少ないということに […]
確かに、「憲法Ⅰ 基本権」初版(著:渡辺ほか)236頁には、「表現の自由を規制する法令が違憲的に適用される事例を含む場合には、その規定を文面上無効とするものである」という記述があります。 しかし、「違憲的に適用される事例を含む」か自体が基準になるわけではないと思います。仮に「違憲的に適用される事例を含む」だけで文面上違憲になるのであれば、文面審査の段階で目的手段審査等により違憲的適用部分の洗い出しをすることになり、実質的観点に属する目的手段審査等の結果により形式的観点に属する過度の広汎性ゆえに無効の法理に関する結論が導かれるという、おかしな事態になるからです。 おそらく、萎縮効果除去の要請が働 […]
短答式試験の問題類型 短答式試験の問題類型は以下の3つです。 ①短答知識重視の問題 ②論文知識重視の問題 ③思考読解重視の問題 ①は、刑法であれば、第1篇・総則(1条~72条)、第2編以降の犯罪のうち論文対策として正確に記憶する必要が乏しい構成要件要素(これの解釈に関する判例知識を含む)、244条1項・2項・3項など論文対策として正確に記憶する必要が乏しい条文知識を正面から問う問題です。 ②は、事例問題を通じて、論文対策として正確に記憶しておく必要のある知識を正面から問う問題等です。 判例の立場に従って因果関係の成否を判断させる問題であれば、記憶した個々の判例の事例・結論と選択肢 […]
1.質問コーナーの主たる目的 質問コーナーの主たる目的は、受験生からの質問のうち、多くの受験生の関心事であると考えられるものについて回答し、質疑応答を蓄積していくことを通じて、良質なデータベースを構築することにあります。 従いまして、質問を投稿してくださった個々の利用者よりも、質疑応答を閲覧する利用者全体の利益を優先する運営をさせて頂くことになります。 2.回答のペース・保証の有無 良質なデータベースを構築するためには、質問について必要とされる範囲で加筆・修正をする必要がありますし、回答に先立ち文献等でリサーチをする必要もあります。そのため、一つの質疑応答に相当な時間を要します。そこで、回答の […]
短答式試験の問題類型 短答式試験の問題類型は3つです ①短答知識重視の問題 ②論文知識重視の問題 ③思考読解重視の問題 民法では、思考・読解重視の見解問題・学説問題等が出題されることはほどんどなく、ほぼすべての問題が①又は②に属する知識問題です。 しかも、憲法・刑法に比べて、論文知識だけで正誤を判断できる選択肢は少ないです。 以下が、令和2年司法試験短答式民法の問題の分類です。 ①短答知識重視の問題24問 1、5、8、9~13、17~23、26~28、30、32~35、37 ②論文知識重視の問題13問 2~4、6、7、14~16、24、25、29、31、36 ①短答知識重 […]
短答式試験の問題類型 短答式試験の問題類型は以下の3つです。 ①短答知識重視の問題 ②論文知識重視の問題 ③思考読解重視の問題 ①は、憲法であれば、論文対策として勉強する必要が乏しい判例の理由・結論、統治分野の条文知識等を正面から問う問題のことです。 ②は、人権の保障の内容といった判例学説以前の教科書知識(のうち、論文対策として勉強する必要が高いもの)、論文対策として勉強する必要が高い判例の理由・結論等を正面から問う問題のことです。 ③は、論文知識を前提とした思考・読解により正誤等を判断することができる問題のことです。見解問題・学説問題がその典型です。 令和2年司法試験の短答式憲 […]
今回の記事では、短答式刑法における「論文的解法」と「丸暗記解法」の違いについて紹介いたします。 短答式刑法の問題類型 ①短答知識重視の問題 ②論文知識重視の問題 ③思考読解重視の問題 ①は、刑法であれば、第1篇・総則(1条~72条)、第2編以降の犯罪のうち論文対策として正確に記憶する必要が乏しい構成要件要素(これの解釈に関する判例知識を含む)、244条1項・2項・3項など論文対策として正確に記憶する必要が乏しい条文知識を正面から問う問題です。 ②は、事例問題を通じて、論文対策として正確に記憶しておく必要のある知識を正面から問う問題等です。 ③は、主として学説問題です。問題を解く際 […]
本日、資格スクエアのサイトにおいて、「司法試験予備試験講座4期・5期の基礎テキスト」及び「司法書士講座の民法ⅠⅡテキスト」並びに「予備試験短答式問題集」等における市販書籍の不正利用に関するお詫びを内容とする文章が公開されました(詳細はこちら) 今回の件については、3日前に、資格スクエアの担当者から報告を受けておりました。 私のブログで言及するのは避けたほうが良いのではないかと思う一方で、「司法試験予備試験講座」と連動性のある「司法試験講座」を担当している講師として何も言及しないという対応はできないとも思いました。 上記講座等の利用者様、並びに不正利用された書籍の著作者様及び出版社様には、心より […]
令和2年司法試験の論問8科目・短答3科目を解いた雑感について、動画及び記事でお伝えいたします。 本動画では、リアル解答企画に向けた準備の仕方、私の手書き答案の水準、合格水準、司法試験過去問との関連性、問題を解いている際の思考過程、今後の対策等についてお話ししています。 労働法 第1問 所要時間81分(読む9分構成14分答案58分) 想定順位10番以内 問題文・構成用紙・答案はこちら 第2問 所要時間99分(読む7分構成20分答案72分) 想定順位30番以内 問題文・構成用紙・答案はこちら 憲 法 所要時間119分(読む21分構成21分答案77 […]
点数・順位 憲法40点/50点 民法57点/75点 刑法43点/50点 合計140点/175点 順位243位/受験者3703人 ※法務表のウェブサイト上で「正答及び配点」が発表された後に、採点し、点数を追加しました。 民 法 問題文・マークシートはこちら 点数57点/75点 雑感 民法では、法改正があった分野・条文からの出題が多かった。また、憲法・刑法と異なり、論文知識だけで解ける問題は多くないし、思考・読解が重視されている問題もほとんどない。もっとも、組み合わせ問題であるため全ての選択肢の正誤を判断しなくても選択肢を絞り込める上、価値判断(裸の利益衡量)により […]
刑 法 問題文・構成用紙・答案はこちら 所要時間120分(読む17分構成21分答案82分) 想定順位100番前後 設問全体の雑感 全体的に司法試験過去問との関連性が強い。設問1は、平成19年司法試験設問1との関連性が非常に強い。債権者から回収依頼を受けた者が債権回収の手段として恐喝を用いた点、恐喝と欺罔を併用し債権額について欺罔している点、相手方の交付意思が恐喝による畏怖を原因として形成されている点、債権額を超える金銭要求がされている点で共通する。 設問2と設問3のうち、早すぎた構成要件の実現については、平成25年司法試験との関連性が強い。 設問1の雑感 設問1は、平成19年司法試験設 […]
昨日・一昨日の2日間で、労働法・公法系2科目と民事系3科目の答案を書き終えました。 初日は、労働法・公法系2科目の答案を一気に書いたことにより脳が目覚め、頭の回転速度が一気に高まった気がしました。 疲労しているはずだし、寝たいとも思っているのに、脳がぎんぎんに冴えているため、なかなか寝付くことができませんでした。 昨日の民事系3科目では、脳が冴えていることや問題との相性が良かったこともあり、初日よりもスムーズに答案を書くことができました。 もっとも、民事訴訟法設問2辺りから、右手が思い通りに動かなくなり、文字を書くことができないために書き直すという機会が増えました。 昨日は寝る時もずっと、右の […]
加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。



弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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