加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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直接的規制・間接的規制・付随的規制の違い

制約態様として、直接的制約・間接的制約・付随的規制といった分類がされますが、これらの概念を使った数ある判例や過去問を整合的に理解するには、これらの概念についてどのように定義・分類すればよいでしょうか?本で調べると、定義・分類につき様々な説明があり、どう理解すべきか悩んでいます。

表現規制についていえば、①直接的制約は「表現行為それ自体」を規制対象とするものであり、これには内容規制・内容中立規制の双方がある、②間接的・付随的規制(制約)は「行動のもたらす弊害の防止をねらいとして禁止するとき」に「単に行動の禁止に伴う限度」で生じる「意見表明の自由」の制約を意味する、③間接的と附随的を区別する必要はない、という理解で良いかなと思います。③につき補足しますと、間接的と附随的は厳密には異なる概念であるものの、令和1年司法試験採点実感でも「間接的・付随的規制」というように間接的と附随的が区別されていないので、試験対策としては基本的に区別しなくても良いと思います。

それから、「憲法講義(人権)」初版(著:赤坂正浩)38~39頁では、長谷部恭男教授の著書を参照して、「最高裁の付随的・間接的規制論は、・・結局表現内容規制を緩やかに審査する手法にほかならない。最高裁のいう付随的・間接的規制は、表現内容中立規制ではなく表現内容規制であることに注意をする必要があるだろう。」と説明されています。このように、最高裁における間接的・付随的規制を表現内容規制の一類型に位置づけるという理解もあります。そのため、答案で間接的・付随的規制(制約)に言及する際には、「間接的・付随的規制(制約)であるから表現内容中立規制にとどまる」という使い方(つまり、表現内容規制と表現内容中立規制を区別するために間接的・付随的規制(制約)を持ち出すこと)は、避けたほうが良いと思います。

2020年09月07日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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