加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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処分違憲の論じ方

平成23年司法試験憲法について、質問があります。中止命令自体の違憲性について論じる場合には、憲法の価値を踏まえた規範定立をすればいいでしょうか。行政法の個別法の問題の処理と同じようにすればいいでしょうか。

処分違憲(適用違憲)を論じる際には、「憲法の価値を踏まえた規範定立」をすることになりますが、「行政法の個別法の問題の処理と同じ」ではありません。

平成23年司法試験採点実感では、「処分違憲の審査で、法律適用の合法性、妥当性のみを論じる答案が今年も多かった。憲法との関係を論じないと、合憲性審査を行ったことにならない。」とあります。中止命令の処分要件について、法律の趣旨や条文の文言に着目した「通常の法令解釈」により規範を定立して、それに事例を当てはめることで、処分要件を満たすかどうかを審査するのは、処分の憲法適合性の審査ではなく、処分の法律適合性の審査にすぎません(高橋和之「体系憲法訴訟」初版326~328頁)。

処分違憲の審査は、「法律との適合性を省略して、直接憲法適合性を審査する」ことで処分の法的正当化を審査するというものです(同書326~327頁)。試験対策としては、処分違憲については、①憲法的評価を取り込むことで処分要件を通常の法令解釈の場合よりも狭く解釈する、②解釈の結果が処分要件やその文言になじまないなら処分要件や文言から離れて解釈する、という理解で構わないと思います。自由権規制における処分違憲の本質は、権利の性質や規制の態様などを考慮した憲法的評価により処分根拠規定の違憲的適用部分を洗い出し、本件が違憲的適用部分に当たるかを検討することにあると考えられるからです。

2020年09月07日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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