加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

0

形式的平等と実質的平等の違い、相対的平等と絶対的平等の違い

形式的平等と実質的平等、相対的平等と絶対的平等とは、どのように違うのでしょうか。

形式的平等と実質的平等は、機会の平等と結果の平等に対応する概念です。つまり、憲法14条1項の「平等」はどういった意味で等しく取り扱うことを意味しているのか、ということです(渡辺・宍戸ほか[憲法Ⅰ 基本権]初版131頁)。①「平等」の意味を明らかにする、②法令等により「平等」ではない取扱いがあること(形式的平等説からは、機会が平等に与えられていないこと)を認定する(差別的取扱い又は区別の認定)、③差別的取扱い又は区別の憲法14条1項適合性という3段階のうち、1段階目の①で問題になるのが通常です。

相対的平等は、形式的平等について言えば、絶対に各人に同じ機会を与えなければならないわけではなく、人ごとに与えられる機会が異なるとしても、それが合理的な根拠に基づくものであれば不「平等」であるとは評価しない、という意味です。(同書132頁)。相対的平等・絶対的平等の区別は、①「平等」の意味を明らかにする、②法令等により「平等」ではない取扱いがあることを認定する、③差別的取扱い又は区別の憲法14条1項適合性という3段階のうち、3段階目の③で問題になるのが通常です(稀に、①で問題になることもあります)。絶対的平等説に立つのであれば、①・②の双方が肯定された時点で憲法14条1項違反という結論が確定する一方で、相対的平等説に立つのであれば、①・②の双方が肯定されても差別的取扱い又は区別に合理的理由(根拠)があるのであれば憲法14条1項違反にならない、ということになります。相対的平等説と絶対的平等説の対立のうち、③の段階で顕在化するものは、信仰の自由の絶対的保障と宗教的行為の自由・宗教的結社の自由の相対的保障との違いに近いです。

 

2020年09月07日
講義のご紹介
もっと見る

コメントする

コメントを残す

コメントをするには会員登録(無料)が必要です
※スパムコメントを防ぐため、コメントの掲載には管理者の承認が行われます。
※記事が削除された場合も、投稿したコメントは削除されます。ご了承ください。

加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
質問コーナーのカテゴリ
ブログ記事のカテゴリ