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変更解約告知とは、「労働条件の変更を申し入れ、これに応じない場合には労働契約を解約する旨の意思表示」を意味します(水町勇一郎「詳解 労働法」初版950頁)。このように、労使間の合意による労働条件の変更(労働契約法3条1項)を目指し、変更について承諾しないのであれば解雇をする、というものです。 配転命令による労働条件の変更は、労働者の同意を要することなく、使用者の一方的な意思表示によりなし得るものです。そのため、配転命令に従わなかったことを理由とする解雇は、労働条件の変更について労働者の承諾を求める過程で行われる変更解約告知とは異なります。したがって、配転命令に従わなかったことを理由とする解雇 […]
覚せい剤だけでは、覚せい剤所持(客観的構成要件要素の一つ)を直接に証明することはできないと思います。目撃供述や自白がなければ、覚せい剤の発見状況などの間接事実により、被告人の覚せい剤所持という主要事実を推認するものであると考えます。この推認過程において、覚せい剤という物は、覚せい剤の発見状況という間接事実を証明する証拠の一つとして間接証拠に位置づけられます。そのため、覚せい剤は、覚せい剤所持を立証するための重要な証拠ではありますが、直接証拠ではない、という位置づけが適切であると考えます。当てはめでは、「覚せい剤は、覚せい剤所持を立証するための重要な証拠である」とだけ書き、間接・直接に言及する必 […]
放火事件で起訴された被告人甲は、捜査・公判を通じて、「自分は犯人ではない。犯行現場には行ったこともない。」と述べて犯行を否認していたが、起訴前に、テレビ局のイ ンタビューを受けたことがあり、当該インタビューにおいては 「放火があったとき、現場付近にいたことは確かだが、自分は犯人ではない。」と述べていた。捜査機関が、テレビ放映された当該インタビューをビデオテープに録画していたところ、検察官は、甲の犯行を立証するための証拠として、当該インタビューの内容を使用しようと考え、このビデオテープを証拠調べ請求した。裁判所は、このビデオテープを証拠として採用できるか。(平成17年旧司法試験第2問) あああ […]
確かに、理論上は、本件領収書(間接証拠)⇒甲の本件領収書交付時の心理状態(間接事実)⇒詐欺の故意(主要事実)という推認過程も、経験則に適った合理的なものとして成り立ち得るものです。 しかし、要証事実を設定する際に前提とする推認過程(当該証拠から主要事実を証明するための推論の過程)は、原則として、当該証拠の取調べ請求をした当事者が示した立証趣旨に従って考えることになります。これが、原則ルールです(最二小決平成17・9・27・百83)。「立証趣旨を前提とした推認過程ではおよそ証拠として無意味になる場合には立証趣旨に従わないで推認過程を組み直し、組み直した推認過程を前提として要証事実を設定することが […]
222条1項・102条2項は、捜索の実体的要件に属するものであり、実体的要件のうち基本要件を充足する場合に顕在化する加重要件です。つまり、捜索対象とされている場所・物・身体が捜索可能なものであることを前提として、これらが第三者の場所・物・身体である場合には「押収すべき物の存在を認めるに足りる状況」が積極的に認められるという要件を加重するものです。 緊急処分説は、相当説が述べる根拠(証拠存在の蓋然性の一般的・類型的な高さ)が妥当することを前提として、証拠保全の緊急の必要性の存在も加味して、無令状捜索・差押えの許容範囲を相当説よりも限定する見解です(川出敏裕「判例講座 刑事訴訟法 捜査・証拠篇 […]
「場所」に対する捜索差押許可状が「場所」内の物に及ぶかどうかを当該場所の管理権が当該物に及ぶかどうかという論点は、①当該場所に置かれているだけの物と、②当該場所に居合わせた者(被処分者、被疑者、第三者)の携帯品の双方を対象とするものであり、①②いずれについても、当該場所の管理権が当該物に及ぶかどうかを基準として当該場所に対する捜索差押許可状が当該物に及ぶかどうかを判断することになります。 なので、捜索場所内でハンドバッグを持っていた乙が捜索の被処分者なのか、被疑者なのか、それとも第三者なのか(さらには、居住者なのか、偶々遊びに来ていた友人なのか)といった事情は、②について「当該場所の管理権が当 […]
平成30年司法試験設問2の採点実感では、本件メモについて、「本件メモについて、まず、本事例で明示された立証趣旨を踏まえつつ、伝聞証拠該当性を論述する必要がある。本件メモは、Vが犯行時に犯人(被告人甲)から聞いたとする欺罔文言を自ら記載した書面(被害状況を記載した供述書)であり、その立証趣旨は、「甲が、平成30年1月10日、Vに対し、本件メモに記載された内容の文言を申し向けたこと」である。そこでは、Vが記載したとおりに、犯人(被告人甲)がVに対して本件メモに記載された内容の文言を言ったことが立証の対象となる(Vの供述の内容の真実性が問題となる)から、本件メモは伝聞証拠に当たる。この点を理解し、適 […]
仮に、本問における任意同行後の取調べの適法性が限界事例問題に属するのであれば、①「強制の処分」該当性を肯定した場合と②「強制処分」該当性を否定した場合の双方を想定した採点表になっているはずです。例えば、配点30点なら、①では「強制の処分」該当性に30点、②では「強制の処分」該当性に10点・任意取調べの限界に20点、という感じです(配点割合等は、あくまでも例にすぎません)。この場合、結論を導く過程が大事なのであり、結論自体はいずれでも構いません。 これに対し、出題者が「強制の処分」該当性を肯定する答案を想定していない事案(該当しないことが明らかである事案)では、「強制の処分」該当性を否定した場合 […]
第一次的には、問題文・設問の指示(例えば、下線の有無・場所等)に従うことになります。例えば、平成26年司法試験設問1では「取調べの適法性について・・論じなさい」とあり、令和2年司法試験設問1でも「下線部①の取調べの適法性について、・・論じなさい」とありますから、いずれの問題においても、「強制の処分」該当性と任意捜査の限界の判断対象は「取調べ」です。 問題文・設問において「取調べの適法性について、論じなさい」といった指示・誘導がない場合にも、「強制の処分」該当性と任意捜査の限界の判断対象は「取調べ」です(例えば、古江賴隆「事例演習刑事訴訟法」第2版48頁)。 このように、「強制の処分」該当性と任 […]
任意同行後の取調べの「強制の処分」該当性については、意思制圧説を前提として、「甲の意思を制圧してその意思決定の自由や行動の自由を侵害するものであるか」という観点から判断することになります。その根拠として、「第一段階の判断として、・・甲の意思を制圧するに至っているか、甲の行動の自由を侵害しているかという観点から評価することが求められる」、「第一段階においては、強制手段を用いることになっていないか、すなわち甲の意思決定の自由及び行動の自由を侵害していないかという視点から検討したのに対し、第二段階においては、強制手段による取調べには当たらないことを前提に、任意捜査としての相当性を欠くか否かという視点 […]
古江賴隆「事例演習刑事訴訟法」第2版287頁の立場は、被告人の自白を内容とする伝聞証言・被告人の自白を内容とする供述代用調書(被告人の自白調書を含む)については、①自白法則(憲法38条2項・刑事訴訟法319条1項)との関係で任意性を検討し、②任意性が認められた場合には、次に、伝聞法則の検討に入り、伝聞証拠該当性を認定した上で、322条1項本文の要件充足性を検討する(自白には322条1項但書が適用されないため、ここで改めて任意性に言及する必要はない)、というものです。被告人の自白調書の証拠能力が問題となっている場合であれば、上記の流れで書くべきです。 もっとも、それ以外の場合(被告人の自白を内容 […]
平成24年司法試験設問1のように、逮捕現場である建造物内でそこに設置されたロッカーを無令状捜索したという場合には、「逮捕の現場」要件は、①捜索実施主体である捜査官が実在する場所に関する問題(建造物のどこで捜索を実施したかという問題)とともに、②捜索をしたロッカーも「逮捕の現場」に含まれるかという問題として論じられることになります。つまり、①無令状捜索を実施する捜査官は逮捕の場所と同一管理権が及ぶ空間にいなければならないことに加え、②同一管理権が及ぶ空間にあるロッカーも同一管理権が及ぶものでなければならない、ということです。これに対し、建造物内に置かれている物を拾って捜索したというのであれば、① […]
捜査の継続時間(例えば、録音・録画の時間)については、当該捜査の性質に照らして想定されているものであれば類型的判断において考慮することができるが、結果的にこれくらい継続したという個別事案における結果にすぎないものであれば類型的判断において考慮することはできない、というのが正確な理解であると思います。 もっとも、会話の秘密録音が問題となった平成27年司法試験設問1に関する出題趣旨では、「【捜査②】は、通常の人の聴覚では室外から聞き取ることのできない乙方居室内の音声を、本件機器を用いて増幅することにより隣室から聞き取り可能とした上で、これを約10時間にわたり聴取・録音するというものであり、外部から […]
領収書であっても、323条3号に該当することがありますし(川出敏裕「判例講座 刑事訴訟法 捜査・証拠篇」初版406頁)、領収書の323条2号・3号該当性について学説・裁判例があることからしても、仮に323条2号・3号該当性が否定される場合であっても、同号該当性が窺われる事案では、323条2号・3号該当性から検討し、これを否定した上で322条(被告人作成)又は321条1項3号(被害者・第三者作成)の該当性の検討に入るべきです。例えば、平成20年司法試験設問2では、被告人の元交際相手がある程度の継続性・規則性をもって作成した私的日記について、323条3号✖⇒321条1項3号という流れで検討する […]
平成30年司法試験設問2の採点実感では、本件メモについて、「「内容の真実性が問題となる」という表現の意味をなお正確に理解できていないため、本件メモの全体を非伝聞証拠とした答案も少数ながら見られた。本件メモによる立証の対象には、甲が発言したとおりにV宅の耐震金具に不具合があることなど(Vが記載した甲の発言の内容の真実性)は含まれていないが、そのことは、Vの供述を記載したものとしての本件メモの伝聞証拠該当性を否定するものではない。他方、甲の発言の真実性が問題となるとして、再伝聞証拠とする答案も散見されたが、これも、「内容の真実性が問題となる」との表現の意味及び本件メモによる立証の対象を正しく理解し […]
現行犯逮捕の犯人明白性の認定過程において禁止される供述証拠の使い方は、例えば、「甲がVを刺すところを見た」旨の目撃者Wの供述からダイレクトに甲の犯人明白性を認定するというものです。つまり、W供述を直接証拠として使うことはできません。 許容される使い方は、「犯人は~という特徴でした」という目撃者Wの供述(犯人の特徴に関する供述)により、逮捕者が直接認識した被疑者の特徴(逮捕者が直接認識した客観的状況)に、「犯人の特徴とこれくらい一致している」という意味を与えるというものです。逮捕者が直接認識しているのは被疑者の特徴だけですから、これだけでは、被疑者と犯人を結び付けることができません。そこで、逮捕 […]
要証事実を考える際に、①供述の存在自体又は供述者の供述時の心理状態を要証事実にすることで非伝聞とすることができるかから検討し、そのような推認過程を前提にすると「伝聞法則の趣旨に抵触する」又は「証拠としておよそ意味を持たない」ことになるのであれば、②次に、供述の内容たる事実を要証事実にすることで伝聞とするという流れで考えるのは、思考順序の1つとしてはあり得るかもしれません。 もっとも、検察官請求証拠をどのように使って主要事実を証明するのか(=いかなる推認過程を前提として検察官請求証拠の要証事実を設定するのか)については、第一次的には検察官の立証趣旨に従って判断されます(最二小決平成17・9・27 […]
要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題になるかどうかは、書面については、それが作成者の知覚・記憶・表現・叙述を経て作成されたものであるかどうかではなく、要証事実が作成者において知覚・記憶した上で紙に表現・叙述した事実であるかどうかにより判断されます。 例えば、㋐被告事件はA・B2名の共謀によるVに対する住居侵入窃盗、A・Bはいずれも犯行関与を否認している、㋑Aの自宅から本件住居侵入窃盗の犯行態様を符合する記載のあるメモ用紙が発見され、本件メモ用紙の記載はBの筆跡であることが判明した、㋒本件メモ用紙の記載は本件住居侵入の犯行態様と偶然とはいえないほど細部にわたって一致している、㋓検察 […]
最一小判昭和51・11・18・百21は、「本件・・恐喝被疑事件が暴力団であるO組に所属し又はこれと親交のある被疑者らによりその事実を背景として行われたというものであること」を考慮することで、捜索差押許可状における「本件に関係のある・・暴力団を標章する状、バッチ、メモ等」という記載について、「O組の性格、被疑者らと同組との関係、事件の組織的背景などを解明するために必要な証拠として掲げられたものであることが、十分に認められる。」として背景事情に関する証拠まで含む形で広く解釈しています。そのため、事件の背景事情がさほど意味を持たない事案であれば、「本件に関係のある」について背景事情に関する証拠を含む […]
伝聞・非伝聞の区別を検討する過程では、立証趣旨に従って、当該証拠(書面等)をいかなる主要事実を証明するために(=証拠と主要事実の対応関係)どう使うのか(推認過程)を確定することで、当該推認過程における証拠の直接の立証事項を要証事実として把握することになります。もっとも、要証事実を設定する際に前提とする推認過程は、経験則に適った合理的なものでなければいけません。ここでは、信用性テストを経ない供述証拠による不確かな推認による事実認定の誤りを防止するという伝聞法則の趣旨(これは、証拠⇒事実という証明の過程に関するもの)が、要証事実設定のために推認過程を組み立てる場面(事実⇒事実という推認の過程)にも […]
加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。



弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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