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令和2年司法試験論文は、全体的に、司法試験過去問との関連性が強かったです。 この傾向を前提にすると、令和3年以降の司法試験論文対策としても、重要度に応じてメリハリを付けながら、出来るだけ手広く司法試験過去問をやっておくことが望ましいです。 今日から、科目ごとに、令和2年司法試験論文と司法試験過去問との関連性について、具体的に説明させて頂きます。 関連の範囲だけでなく、関連の仕方(出題の角度の共通点等)も把握することで、令和3年以降の論文対策のための司法試験過去問の分析のコツを掴んで頂きたいと思います。 今回の記事では、令和2年司法試験「刑事訴訟法」論文と司法試験過去問との関連性について説明いた […]
今回は、「結論の方向性」を判断するための読解のコツについて、平成28年司法試験民法設問2(3)を使って説明いたします。 . 平成28年司法試験民法設問2(3) . 【事実】 16.~19 …略… 20.平成26年4月15日、Eは、Kから、返済期日を平成27年5月30日、利息を年15%、遅延損害金を年21.9%として、500万円を借り受け、LがEの債務を連帯保証する旨の契約書がE、K及びLの3人の間で作成された。当該契約書では、500万円は、平成26年5月31日に、KからEに交付されることになっていた。 21.しかし、Kは、…略… 平成26年5月31日の経過後も、500万円をEに交付しなかった […]
「試験本番で必要とされる読解・思考 その4」では、「憲法の人権選択」の判断で必要とされる読解・思考のコツについて、平成23年司法試験憲法及び平成30年司法試験憲法を取り上げて説明いたします。 . 平成23年司法試験憲法 . インターネット上で地図を提供している複数の会社は、公道から当該地域の風景を撮影した画像をインターネットで見ることができる機能に基づくサービスを提供している。ユーザーが地図の任意の地点を選びクリックすると、路上風景のパノラマ画像(以下「Z機能画像」という。)に切り替わる。 ・・・中略・・・ インターネット上で提供されるZ機能画像が惹起するプライバシーの問題に関して、会社 […]
「試験本番で必要とされる読解・思考 その3」では、「現場思考論点における問題の所在の把握と抽象論の構築」に必要とされる読解・思考のコツについて、令和1年司法試験民事訴訟法設問1を使って説明いたします。 . 令和1年司法試験民事訴訟法設問1 . 【事例】 Xは、A県A市(以下「A市」という。)に住む会社員であり、夫と3人の小学生の子供がいる。X一家はキャンプ好きのアクティブな一家である。Yは、自動車製造会社であるS社の系列会社であり、S社の製造するワゴン車等をキャンピングカーに改造して販売している。Yは、本店がB県B市(以下「B市」という。)にあり、全国各地に支店を有する。 Xは、ある日、A […]
「試験本番で必要とされる読解・思考 その2」以降では、「試験本番で必要とされる読解・思考 その1」で言及した読解・思考のコツについて、司法試験過去問を使って具体例を示しながら説明させて頂きます。 前回、試験本番で必要とされる読解・思考について、次のように説明しました。 . 既存論点の抽出とその重要度、現場思考論点における問題の所在の把握と抽象論の構築、憲法における人権選択、結論の方向性などについては、試験本番で自分で考え、決断を下すことになります。 そのため、こうした解答筋レベルのことについて、正解筋又はそれに掠る筋を選択することができるよう、読解・思考のコツを掴んでおく必要があります。 皆さ […]
問題分析をする際の注意点 私は、出題趣旨・採点実感を読む前こそ、合格答案・上位答案を書くための実践的な読解・思考を把握するためのチャンスです。 出題趣旨・採点実感を読んだ後だと、どうしてもそこで示された完全理想解に引きづられてしまい、示された答えから書くべき答えを導いてしまいがちです。 こうした分析は、同じ問題がピンポイントに出題されない限り、役に立ちません。 出題趣旨・採点実感を使った問題分析 出題趣旨・採点実感を使った問題分析は、2つに大別されます。 1つ目は、定義、要件、科目・分野・論点・単位での答案の書き方に関する司法試験委員会の公式見解を学び、自分の理解をそれに合わせる […]
令和3年司法試験が終了したことに伴い、「令和3年司法試験向け 司法試験過去問ランキング(基本7科目)」の記事を取下げ、新しく「令和4年司法試験向け 司法試験過去問ランキング(基本7科目+労働法)」を公開いたしました。 2021.06.20 下記画像をクリックすると、「令和4年司法試験向け 司法試験過去問ランキング(基本7科目+労働法)」の記事に移動します。
論文試験対策の一つとして、既存論点で論点落としをしないために、問題演習を通じて事案と論点の対応関係を確認し、記憶する(答案構成を記憶するなど)という勉強法が挙げられます。 上記の勉強法により事案と論点の対応関係を記憶しておくと、同種事案が出題された場合に当該論点を抽出することができるため、論点落としにより解答筋から外れるという事態を防ぐことができます。 合格圏内の受験生が正確に抽出してくるであろう重要論点については、論点の落としのリスクを減らすために、事案と論点の対応関係を記憶しておくという、解答筋に乗るための勉強をしておくことも大事です。 もっとも、司法試験でも予備試験でも、必ずといっていい […]
平成30年予備試験設問1における同時審判申出共同訴訟の成否(民事訴訟法41条)について、過去にご質問を頂いたことがあり、Twitterでも議論になっているのを目にしたので、私の考えを書かせて頂きます。 . 【事例】 Xは、弁護士L1に対し、下記〔Xの言い分〕のとおりの相談を行った。 . 〔Xの言い分〕 私は、Yに対し、所有する絵画(以下「本件絵画」という。)を代金300万円で売り渡しました。売買代金については、その一部として100万円が支払われましたが、残代金200万円が支払われませんでした。 そこで、私は、Yに対し、残代金200万円の支払を請求したのですが、Yは、弁護士L2を代理人とし […]
本日、司法試験予備試験の論文式による筆記試験の選択科目の選定に関する意見募集の実施についての意見募集中案件詳細として、「司法試験予備試験の論文式による筆記試験の選択科目の選定について」という文書が公表されました。 これによると、令和4年以降の予備試験論文式の選択科目は司法試験論文式の選択科目と一致する予定です。 詳細につきましては、「パブリックコメント:意見募集中案件詳細」をご覧ください。 現時点では確定してはいないものの、上記の通り実施されると考えて問題ありません。 選択科目の勉強を開始する時期についてですが、私は、論文試験1年前くらいからが適切であると考えています。 選択科目の勉強に入る前 […]
秒速・総まくり2021及び秒速・過去問攻略講座2021に関するQ&Aの一覧表を作成いたしました。 下記の質問一覧で、回答を確認したい質問(青文字)をクリックすると、クリックした質問に対する回答に移動します。 回答文の最後にある「Q&A一覧に戻るにはこちらをクリック」から、記事上部の質問一覧に戻ることができます。 秒速シリーズに関する疑問点等がQ&A一覧でも解決しない場合には、「質問コーナー」又は「お問い合わせ」からご質問いただければと思います。 宜しくお願い致します。 秒速シリーズ2021全般 Q1.秒速シリーズのテキストは、加藤先生が作っているのですか。 Q2.秒速シリーズ20 […]
令和3年司法試験が終了したことに伴い、「令和3年司法試験合格に向けた理想的な勉強計画(9月スタートver)」の記事を取下げ、新しく「令和4年司法試験合格に向けた理想的な勉強計画(7月スタートver)」を公開いたしました。 2021.06.20 下記画像をクリックすると、「令和4年司法試験合格に向けた理想的な勉強計画(7月スタートver)」の記事に移動します。
最二小判令和2年9月11日は、「請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし、他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴が係属中に、本訴原告が、反訴において、上記本訴請求債権を自働債権とし、上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張すること」について、民事訴訟法142条に抵触せず、適法であると判示しました。 つまり、「本訴請求債権を反訴請求に対する相殺の抗弁に供すること」のうち、㋐本訴請求債権である請負代金債権を瑕疵修補に代わる損害賠償請求権を訴訟物とする反訴において相殺の抗弁に供することと、㋑本訴請求債権である瑕疵修補に代わる損害賠償請求 […]
令和3年司法試験は令和3年5月12日~16日、令和3年予備試験(短答式試験)は令和3年5月16日に実施されます。 [令和3年司法試験] 公務表のHPはこちら [令和3年予備試験] 法務省のHPはこちら 令和3司法試験が令和3年7~8月くらいに実施されると想定していた方も相当数いると思います。 令和3年7月~8月実施を想定して勉強をしてきた方は、勉強計画を2~3か月分圧縮する必要があります。 近日中に、令和3年司法試験合格に向けた理想的な勉強計画について、動画で紹介させて頂きます。 また、令和2年予備試験合格者は、短期間で、選択科目も含めて司法試験対策をする必要があります。 仮に口 […]
先ほど、令和2年司法試験短答式試験の結果が発表されました(詳細はこちら)。 合格点 93点 平均点 109.1点(合格者平均点118.1点) 合格者 2,793人 問題の難易、及び論文試験に選別機能を果たさせるためには短答不合格者数を抑える必要があることから、合格点は102~104点くらいと予想していましたが、それよりも10点ほど低い合格点となりました。 年々、思考・読解重視の問題が増えていることに伴い知識だけで解ける問題が減っていることと、マスク着用等による受験環境の悪さも、大きな原因になっているのではないかと思います。 短答式試験の合格者が2,793人なので、短答式試験合格後の競争率は2倍 […]
8月31日に公表された資格スクエアによる著作権侵害について、様々なところで取り上げられております(詳細についてはこちら)。 昨日は、伊藤塾塾長の伊藤真先生も、youtubeの動画で資格スクエアの件について言及されていました。 今回の件は、公表後の資格スクエアの対応と相まって、資格スクエアと所属講師に対する信頼・イメージをどんどん傷つけていくことになると思っています。 秒速シリーズ(秒速総まくり・秒速過去問攻略講座)を受講している方々の中には、私が資格スクエアから抜けるのではないかと懸念している方もいらっしゃると思います。 しかし、資格スクエアで秒速シリーズが販売されており、視聴期間も残っている […]
短答式試験の問題類型 短答式試験の問題類型は以下の3つです。 ①短答知識重視の問題 ②論文知識重視の問題 ③思考読解重視の問題 ①は、刑法であれば、第1篇・総則(1条~72条)、第2編以降の犯罪のうち論文対策として正確に記憶する必要が乏しい構成要件要素(これの解釈に関する判例知識を含む)、244条1項・2項・3項など論文対策として正確に記憶する必要が乏しい条文知識を正面から問う問題です。 ②は、事例問題を通じて、論文対策として正確に記憶しておく必要のある知識を正面から問う問題等です。 判例の立場に従って因果関係の成否を判断させる問題であれば、記憶した個々の判例の事例・結論と選択肢 […]
短答式試験の問題類型 短答式試験の問題類型は3つです ①短答知識重視の問題 ②論文知識重視の問題 ③思考読解重視の問題 民法では、思考・読解重視の見解問題・学説問題等が出題されることはほどんどなく、ほぼすべての問題が①又は②に属する知識問題です。 しかも、憲法・刑法に比べて、論文知識だけで正誤を判断できる選択肢は少ないです。 以下が、令和2年司法試験短答式民法の問題の分類です。 ①短答知識重視の問題 24問 1、5、8、9~13、17~23、26~28、30、32~35、37 ②論文知識重視の問題 13問 2~4、6、7、14~16、24、25、29、31、36 ①短答知識重 […]
短答式試験の問題類型 短答式試験の問題類型は以下の3つです。 ①短答知識重視の問題 ②論文知識重視の問題 ③思考読解重視の問題 ①は、憲法であれば、論文対策として勉強する必要が乏しい判例の理由・結論、統治分野の条文知識等を正面から問う問題のことです。 ②は、人権の保障の内容といった判例学説以前の教科書知識(のうち、論文対策として勉強する必要が高いもの)、論文対策として勉強する必要が高い判例の理由・結論等を正面から問う問題のことです。 ③は、論文知識を前提とした思考・読解により正誤等を判断することができる問題のことです。見解問題・学説問題がその典型です。 令和2年司法試験の短答式憲 […]
今回の記事では、短答式刑法における「論文的解法」と「丸暗記解法」の違いについて紹介いたします。 短答式刑法の問題類型 ①短答知識重視の問題 ②論文知識重視の問題 ③思考読解重視の問題 ①は、刑法であれば、第1篇・総則(1条~72条)、第2編以降の犯罪のうち論文対策として正確に記憶する必要が乏しい構成要件要素(これの解釈に関する判例知識を含む)、244条1項・2項・3項など論文対策として正確に記憶する必要が乏しい条文知識を正面から問う問題です。 ②は、事例問題を通じて、論文対策として正確に記憶しておく必要のある知識を正面から問う問題等です。 ③は、主として学説問題です。問題を解く際 […]

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講師紹介

加藤 喬 (かとう たかし)
加藤ゼミナール代表取締役弁護士(第二東京弁護士会)
司法試験・予備試験の予備校講師
6歳~中学3年 器械体操
高校1~3年 新体操(長崎インターハイ・個人総合5位)
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
労働法1位・総合39位で司法試験合格(平成26年・受験3回目)
合格後、辰已法律研究所で講師としてデビューし、司法修習後は、オンライン予備校で基本7科目・労働法のインプット講座・過去問講座を担当
2021年5月、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
執筆
・「受験新報2019年10月号 特集1 合格
答案を書くための 行政法集中演習」
(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
憲法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成30年」
行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成29年」
行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成23~
25年」行政法(法学書院)