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1128 件の検索結果
29条については、①同条に該当する団体には、訴訟上の当事者能力のみならず実体法上の権利能力も認められるとする見解(この見解によると、組合には、実体法上の権利能力に基づき団体固有の当事者適格が認められる)と、②同条に該当する団体には訴訟上の当事者能力しか認められず、実体法上の権利能力までは認められないとする見解(この見解によると、団体には訴訟担当者としての当事者適格が認められる)があります(伊藤眞「民事訴訟法」第6版125頁、髙橋宏志「重点講義 民事訴訟法 上」第2版補訂版188頁・12参照)。 ②の見解からは、団体には、構成員全員を権利義務主体とする訴訟担当者として当事者適格が認められるの […]
原告が訴えを提起し、訴状が被告に送達される前に被告として表示された者が死亡していた場合(被告側の死者名義訴訟)、被告を死者として確定する限りにおいては、①当事者の実在を欠くために訴え自体が不適法になる上、②訴状送達の無効により訴訟係属の発生も認められず、③判決も無効になるという理解が一般的であると思われます(伊藤眞「民事訴訟法」第6版118頁、和田吉弘「基礎から考える民事訴訟法」初版89頁)。その上で、④原告を救済するための法律構成としては、訴訟承継の規定(124条1項1号・2項)の類推を選択することになります(伊藤眞「民事訴訟法」第6版118頁、和田吉弘「基礎から考える民事訴訟法」初版89頁 […]
被冒用者の救済手段として再審の訴えを用いる場合、㋐再審事由の存否審理(346条1項、345条2項)⇒㋑存在すれば本案の再審理・裁判という流れを辿り(348条1項)、㋑の段階で原確定判決を不当とすれば、不服の主張の限度で原確定判決を取り消し原確定判決に代わる裁判をすることになります(348条3項)。再審請求に対する終局判決が確定すれば(なお、審級に応じた上訴可能。伊藤眞「民事訴訟法」第6版774頁)、終局判決通りの既判力が生じます。なお、原確定判決の既判力の消滅の効果が確定するのは、再審開始決定が確定した段階です(新堂幸司「新民事訴訟法」第5版948頁)。 これに対し、後訴で判決無効を主張する場 […]

髙橋美加ほか「会社法」第2版314~315頁によると、仮装払込みをめぐる法律関係のうち、株式及び株式発行の効力については、①株式未成立(不存在)とする見解、②株式は引受人の下で一応有効に成立するが、引受人又は悪意・重過失の譲受人の手許にある場合は株式発行の無効原因が認められるとする見解、③株式は引受人の下で有効に成立し、株式発行の無効原因もないとする見解があるとされています。また、伊藤靖史ほか「事例で考える会社法」第2版44~45頁では、㋐平成26年改正により新設された209条2項・3項が仮装払込みに係る株式について失権が生じずに成立することを前提にしているとの理由から、株式は(一応)成立する […]
仮に、本件事業譲渡は120条2項後段の推定規定の適用を介して利益供与に該当するのであれば、設問2では、「会社法上の問題点」として、①利益供与に当たる本件事業譲渡を可決する株主総会特別決議には決議内容の法令違反があるとして無効原因が認められるということを、適法な株主総会特別決議を経ない事業譲渡の効力という論点の前提として論じることになるとともに、②Q社に対する120条3項に基づく返還請求、取締役に対する120条4項に基づく支払請求、③利益供与という法令違反を理由とする任務懈怠に基づく損害賠償請求(423条1項)も論じることになります。 もっとも、問題文では、本件事業譲渡に至った事情として、「Q社 […]
例えば、甲社が、甲社取締役Aを株式引受人として有利発行をした場合(払込金額を時価10万円の1/2である5万円として、100株発行した場合)、形式的には、「株式会社」甲社の「取締役」Aが「自己・・のために」「株式会社」甲社と「取引」する場合として、直接利益相反取引(356条1項2号)に当たりそうです。 しかし、株式発行は経済的出捐を伴わない資金調達手段ですから、上記の有利発行では、時価1000万円の不動産を500万円で売却する廉価売買と異なり、会社が1000万円の経済的出捐を伴う一方でその対価として500万円しか利得することができないという利益状況にはなりません。 有利発行により経済的不利益を被 […]
例えば、甲社が、時価10万円の株式を、払込金額を1株10万円として合計1000株発行したところ、9000万円について払込みが仮装されたという事案では、払込みの効力について無効説に立ち、かつ、株式発行の効力について有効説に立つのであれば、甲社が時価10万円の株式1000株を1株当たりの払込金額1万円で発行したのと同じ利益状況になります。その分だけ、既存株主の株式の経済的価値が希釈されることになります。 しかし、199条3項の文言からしても、有利発行に当たるかは、事前に募集事項として定められた199条「第1項第2号の払込金額」と公正な発行価額とを比較して判断されることになります。そうすると、払込み […]
不公正発行の新株発行の無効原因該当性が問題となった平成19年・25年司法試験の出題趣旨・採点実感では、差止事由に関する210条2号は引用されておりません。もっとも、田中亘「会社法」第2版505頁では「著しく不公正な方法(210条2号参照)による新株発行であっても、新株発行の無効原因にはならないとする・・」、伊藤靖史ほか「事例で考える会社法」第2版276頁では「著しく不公正な方法による募集株式の発行(210条2号)は、判例によれば‥無効原因とならない・・」とあります。そのため、210条2号を引用・参照しても構いませんし、むしろ、そのほうが正確であるとも思えます。直接引用するのが不安であれば、田中 […]
先ほど、令和2年司法試験短答式試験の結果が発表されました(詳細はこちら)。 合格点93点 平均点109.1点(合格者平均点118.1点) 合格者2,793人 問題の難易、及び論文試験に選別機能を果たさせるためには短答不合格者数を抑える必要があることから、合格点は102~104点くらいと予想していましたが、それよりも10点ほど低い合格点となりました。 年々、思考・読解重視の問題が増えていることに伴い知識だけで解ける問題が減っていることと、マスク着用等による受験環境の悪さも、大きな原因になっているのではないかと思います。 短答式試験の合格者が2,793人なので、短答式試験合格後の競争率は2倍 […]
退任登記未了の登記簿上の取締役の対第三者責任が問題となった事案について、最一小判昭和62・4・16・百72は、①「株式会社の取締役を辞任した者は、辞任したにもかかわらずなお積極的に取締役として対外的又は内部的な行為をあえてした場合を除いては、辞任登記が未了であることによりその者が取締役であると信じて当該株式会社と取引した第三者に対しても、商法・・266条ノ3第1項前段に基づく損害賠償責任を負わない」と述べた上で、②旧商法14条(現:会社法908条2項類推適用)に言及しています。 ①は、「株式会社の取締役を辞任した者は、辞任したにもかかわらずなお積極的に取締役として対外的又は内部的な行為をあえて […]
まず、合併承認決議に著しく不当な対価による吸収合併が可決されたことを「著しく不当な決議」とする3号取消事由があることと、合併無効原因との関係についてです。3号取消事由が認められる場合、合併対価が著しく不当であること(=「著しく不当な決議」を基礎づける)に加え、「特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって」当該議案が可決されたというプラスアルファの事情も認められます。そうすると、合併承認決議に3号取消事由があることが合併無効原因に該当すると理解しても、合併対価が著しく不当であること自体を合併無効原因としていることにはなりませんから、合併対価が著しく不当であることが合併無効原因に該当し […]
直接取引における「ために」についての名義説の内部でも、誰の名義であるのかをどこまで実質的に判断するかについて見解の対立があります。会社の承認を経ない直接取引の効力は絶対的無効であるため、相手方の取引安全を図るためには、誰の名義であるかを形式的に判断するべきという要請が働きます。この要請を重視して、誰の名義であるかは形式的に判断するべきであり、具体的には、取締役本人が会社との取引の相手方となる場合、取締役が取引相手方を代表又は代理する場合だけが直接取引に該当すると理解する見解もあります(髙橋ほか「会社法」第2版195頁参照)。この見解からは、⓪・①・②だけが直接取引に該当し、③・⑤・⑥・⑦・⑧に […]
まず、経営判断原則は、法令違反行為事案、取締役・会社間の利益衝突事案(356条1項1号~3号に該当する場合に限らない)、及び監視義務違反事案には適用されませんから、まずはこれらの点を確認します。会社の事業の性質からして重要な法令に違反したことを公表するかどうかの判断、内部統制システムの構築については、争いがあります(伊藤ほか「リーガルクエスト会社法」第4版233頁、「判例百選会社法」第3版・事件52解説)。 次に、最一小判平成21・7・9(百52)が問題となっている判断事項が「将来予測にわたる経営上の専門的判断ゆだねられている」と述べた上で経営判断原則を適用していることから、問題となっている事 […]
潮見佳男「民法(全)」第版483頁及び潮見佳男「基本講義 債権各論Ⅰ 」第3版321頁では、潮見佳男教授の見解として、民法が費用利得・求償利得・給付利得に対応する各規定を設けている(費用利得:595条・608条・650条等、求償利得:459条・702条等、給付利得:121条の2・545条等)ことを根拠として、「703条・704条の規定は、もっぱら、侵害利得の類型について妥当する。-給付利得・費用利得・求償利得には適用されない。-とみるのが適切である。あわせて、民法典が採用している不当利得の体系は、もはや(債権法改正後においては)衡平説では説明が付かないものとなっている。」と書かれています。 […]
まず、明確な受領拒絶は、社会通念上の履行「不能」には該当しないと思います。潮見佳男ほか「詳解改正民法」初版124頁では、社会通念上の不能の例として、債務の履行のために必要な費用とそれによって実現される債権者の利益との間に著しい不均衡がある場合(事実的不能)と債務の履行が法的に禁止される場合(法律的禁止)が挙げられている一方で、明確な受領拒絶又はこれに準じる事態は挙げられておりません。また、ご指摘の通り、415条2項や542条1項が不能と履行拒絶を区別して規定していることとも整合しません。 次に、売主が履行の提供をしているが買主が明確に受領を拒絶しているという事案では、受領遅滞の法的性質に関する […]
最二小判平成10・4・24は、「契約に基づく債務について不履行があったことによる損害賠償請求権は、本来の履行請求権の拡張ないし内容の変更であって、本来の履行請求権と法的に同一性を有すると見ることができるから、債務者の責めに帰すべき債務の履行不能によって生ずる損害賠償請求権の消滅時効は、本来の債務の履行を請求し得る時からその進行を開始するものと解するのが相当である」として、履行不能による損害賠償請求権の消滅時効の起算点について、履行不能による損害賠償請求権は本来の履行請求権が同一性を維持しつつ姿を変えたものにすぎないとの理由から、本来の債務の履行を請求し得る時であると解していました(山本敬三「民 […]
㋐抵当権に基づく妨害排除請求が「不法占拠者」を相手方とするものであり、かつ、抵当権者への直接明け渡しを求めるものでない場合には、①だけで足ります。 ㋑抵当権に基づく妨害排除請求が「占有権限を有する者」を相手方とするものであり、かつ、抵当権者への直接明け渡しを求めるものでない場合には、①に加え②も必要です。②まで必要とされるのは、抵当不動産所有者の賃貸権限(抵当権は非占有担保であるから、抵当不動産の使用収益権限(賃貸権得を含む)は抵当不動産所有者に留保される。)との調整を図るためです(道垣内弘人「担保物権法」第3版183頁、171頁)。なお、①の中に②の趣旨が含まれているとして、②を独立の要件と […]
改正民法下では、詐害行為取消訴訟の認容判決の効力が「債務者」にも及ぶため(新425条)、債務者Aによる債務免除等を取り消す旨の判決が確定した場合には、債務者Aと債権者Cとの間においても、債務免除等の取り消しにより債務者Aの第三債務者Bに対する金銭債権が復活したことになります。したがって、既に詐害行為取消訴訟で認容判決が確定しているのであれば、債権者Cは、債権者代位訴訟において、債務者Aによる債務免除等を原因とする被代位権利の消滅の抗弁に対する再抗弁として、債務者Aによる債務免除等が詐害行為として取り消されたことを主張することができます。 もっとも、詐害行為取消権は、必ず裁判上の行使によらなけれ […]
矛盾しません。「弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには、期限の利益の放棄又は喪失等により受働債権の弁済期が現実に到来していることを要すると解する。」という判例の立場(後者)は、「自働債権の債権者は、自働債権の弁済期が到来したならば、受働債権の期限の利益を放棄して弁済期を到来させることで、相殺適状を作り出すことができる」という記述(前者)を前提とした、「相殺の効力が遡及する相殺適状時はどの時点か」という議論に関するものです。 例えば、「AのBに対する甲債権の弁済期は2020年10月1日、BのAに対する乙債権の弁済期は2020年12月1日、Aが2020年11月1日に乙債権の期限 […]
AがBに対する債権をCとDに二重譲渡したという事案における第一譲受人CのBに対する譲受債権履行請求では、被告Bは、AD間における第二譲渡の事実だけを抗弁事実とする「単なる債権喪失の抗弁」を主張することはできません。 単なる債権喪失の抗弁を主張することができるのは、例えば、売主Xの買主Yに対する代金支払請求訴訟において、買主Yが、債権喪失原因として売主XによるZに対する債権譲渡の事実を主張する場合です。 上記の二重譲渡の事案では、被告Bとしては、①「債務者対抗要件の抗弁」と②「第三者対抗要件の抗弁」を主張することができ、Dが第二譲渡について第三者対抗要件を具備しているのであれば、③「Dの第三者対 […]
加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。



弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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