加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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仮装払みに係る株式発行と有利発行の関係

仮装払込みがされた場合、払込無効説からは、有利発行(199条3項)に当たるのでしょうか。

例えば、甲社が、時価10万円の株式を、払込金額を1株10万円として合計1000株発行したところ、9000万円について払込みが仮装されたという事案では、払込みの効力について無効説に立ち、かつ、株式発行の効力について有効説に立つのであれば、甲社が時価10万円の株式1000株を1株当たりの払込金額1万円で発行したのと同じ利益状況になります。その分だけ、既存株主の株式の経済的価値が希釈されることになります。

しかし、199条3項の文言からしても、有利発行に当たるかは、事前に募集事項として定められた199条「第1項第2号の払込金額」と公正な発行価額とを比較して判断されることになります。そうすると、払込みが仮装された株式発行は、事前に募集事項として定められた「払込金額」が公正な発行価額を特に下回るものでない限り、有利発行に当たりません。仮に、有利発行該当性について実際に払込まれた金額と公正な発行価額とを比較して判断すると、単なる出資不履行の場合も有利発行に該当してしまいます。

 

2020年09月09日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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