加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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整理解雇の事案において、解雇による不利益を緩和する措置についてどのように言及するべきか

整理解雇の事案において、4要件説では評価することができない事情(退職金増額など)が問題文にある場合、こうした事実についてどのように言及すればいいのでしょうか。対応策としては、この場合のみ要素説に立ち、退職金増額等の事情を第5の考慮要素として考慮するという方法と、4要件説に立った上で、解雇回避努力に準ずる事情として無理やり解雇回避努力の当てはめで評価するという方法が思い浮かんだのですが、どのようにすればよいでしょうか。

使用者が何らかの解雇回避努力をしている事案であれば、4要件説に立った上で、退職金増額等の解雇による不利益緩和措置を根拠として義務として要求される解雇回避努力の内容を緩和する、という構成がいいです。

これに対し、使用者が解雇回避努力を全くしていない事案では、義務として要求される解雇回避努力を緩和するという構成は使えません(どんなに緩和しても、解雇回避努力を全くしていない以上、解雇回避努力義務の懈怠が認められてしまうからです)。この場合は、㋐4要件説では原則として解雇回避努力が要件とされるが、例外的に、不利益緩和措置が解雇回避努力に代わって整理解雇の正当化根拠になるとして、あくまでも4要件説で処理する構成と、㋑4要素説に切り替える構成の2つが考えられます。労働法では判例・裁判例を踏まえた論述が重視されていることを踏まえると、㋑が無難であると考えます。

2020年09月16日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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