加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

0

社会保険労務士試験と司法試験・予備試験における労働法対策の違い

初めまして。私は社会保険労務士なのですが、先日、紛争解決手続代理業務試験(いわゆる、特定社会保険労務士試験)の合格発表があり、あと2点足りずに不合格となりました。不本意な結果に終わり、悔しい思いでいっぱいですが、こうなったからには可能な限り労働法の知識を徹底的に深め、それを実務に活かせる本物の能力を身につけたいという思いが強くなっております。そのためには一体どうすればよいか調べていたところ、加藤ゼミナールのHPに辿り着きました。どうせ学ぶならば、労働法で一番の成績をあげられた加藤先生の教えを請うのが手っ取り早いと思い、そして、今年12月の前述の試験をパスしたのちは、無謀かもしれませんが、ゆくゆくは労働法を選択科目とし、司法試験を目指すのも一つの手かなという気持ちでおります。しかし、目下の目標は、労働法攻略パック(労働法速修テキスト講座、労働法重要問題100選講座)を利用して労働法の深い知識を身につけ、前述の試験に合格することです。私のように考える方は少ないかもしれませんが、確実に合格し、確実に深い知識を身につけたいので二点お伺いします。
一点目ですが、個別労働関係紛争のあっせんの手続等の代理などを行う上での実践的な能力養成を目的とした、全国社会保険労務士会連合会の研修・ゼミナール(講師は弁護士など)受講前に、御社の労働法攻略パックを活用して体系的に学びたいと考えておりますが、今の時点で御社の教材を利用することは有用でしょうか?連合会の講義等の聴講は約5ヶ月も先ですし、受講期間も短い為、腰を据えて学ぶことが叶いません。
二点目ですが、合格者のインタビュー動画にて、社会保険労務士試験を既に合格されていた方で司法試験に合格された方が、「労働法について大枠的なものだけれど、体系的な勉強をしたことがあったのでアドバンテージがあると思っていたが間違っていた」とか、加藤先生も「社労士で勉強した内容と司法試験で勉強した内容と重なり合いは結構弱い」と仰っておりましたが、本当にそうなのでしょうか?労働法を全くかじったことがない方に比べたら、かなり有利にできると思っていたので、お二人の発言にいまいちピンとこなく、しかし一方で、かなりの衝撃を受けております。とても気になりましたので、司法試験で学ぶ「労働法」と社会保険労務士試験で学ぶ「労働関係法令」との違いを教えてください。

社会保険労務士試験における労働法の出題は、労災、保険絡みの問題が中心であり、賃金、退職金、休業手当、就業規則、労働時間をはじめとする付随的な出題事項についても、司法試験・予備試験では問われないような細かい条文知識を問うものが多いです。

司法試験・予備試験では、労働法は論文試験だけであり、それ故に、択一式の社会保険労務士の試験とでは、出題の細かさが違います。また、司法試験・予備試験では、労災、保険絡みの問題はほどんど出題されません(これまで1度も出題されていません)から、中心的な出題事項は社会保険労務士試験と大きく異なります。加えて、短答対策としての知識と論文対策としての知識は、仮に範囲が重なったとしても、似て非なるものです。

したがって、社会保険労務士試験における労働法の対策と、司法試験・予備試験における労働法の対策は、全くといっていいほど異なります。一方が他方を包摂しているわけではありません。

よって、社会保険労務士試験の対策としては社会保険労務士試験用の労働法の講座又は教材を、司法試験・予備試験の対策としては司法試験・予備試験用の労働法の講座又は教材をご利用なさることをお薦めいたします

参考にして頂けますと幸いでございます。

2022年03月23日
講義のご紹介
もっと見る

コメントする

コメントを残す

コメントをするには会員登録(無料)が必要です
※スパムコメントを防ぐため、コメントの掲載には管理者の承認が行われます。
※記事が削除された場合も、投稿したコメントは削除されます。ご了承ください。

加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
質問コーナーのカテゴリ
ブログ記事のカテゴリ