加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

令和3年法科大学院入学予定者が司法試験過去問に着手する際に留意すること

お世話になっております。
司法試験過去問の取り組み方について質問があります。
2021年春に法科大学院(既習)に入学する予定です。
そろそろ司法試験の過去問を一度解いてみようと思っております。
歯が立たないことは承知の上ですが、復習と進行について迷っております。
つまり、復習についてどこまで深くするべか、過去問の1周をできるだけ早く進めるかのバランスがわかりません。
この時期の過去問演習としては、何を意識すべきでしょうか。抽象的な質問となり申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

司法試験過去問をやる意味には、3つあります。

①今後の勉強の方向性を把握するために「出題傾向」と「自分と過去問の距離」を把握する。

②司法試験過去問から再度出題される可能性に備えるために司法試験過去問(特に出題頻度の高い分野・論点)をやり込む。

③アウトプット力を身につける。具体的には、問題文から検討事項を抽出するコツを掴む(本試験特有の問題文の読み方に慣れる)、現場思考問題・分からない問題に対処するための読解・思考・書き方のコツを掴む、文章力を鍛える、情報処理に慣れる、途中答案対策などが挙げられます。

司法試験合格に向けた勉強の出発点となるのは、①です。①では、直近2年分(令和1年・2年)の司法試験過去問の答案を作成し(最初から2時間で書くことはできないと思うので、3時間くらいまでなら時間を延長して構いません)、その後の復習では、細かいことは度外視して、「自分と本試験の距離及び最新の出題傾向(難易・範囲・角度・形式)」と「科目ごとに自分が目指すべき現実的な合格答案像」を把握することに集中しましょう。

①の段階では、再度の出題可能性に備えるために過去問をやっているのではなく、今後の勉強の方向性を明らかにするために過去問をやっているにすぎないので、そこまで丁寧な分析をする必要はありません。

①・②・③という目的ごとに復習の仕方が異なるということに留意して頂くと、スムーズに過去問分析を進めることができると思います。

2021年01月14日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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