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リアル解答企画 本番2日目(8月20日) 民事系の論文試験
民 法
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所要時間 120分(読む27分 構成13分 答案80分)
雑 感
- 設問1では、あまり論点主義的に考えないで、代金減額請求(563条、562条1項)と損害賠償請求(415条1項本文)の要件充足性について丁寧に認定しようと思った。手書き答案では、代金減額請求と損害賠償請求権による相殺の双方について468条1項で論じているが、後者については469条2項1号で論じるのだと思う。
- 設問2(1)では、囲繞地通行権(210条、211条)の要件充足性について丁寧に検討しようと思った。解釈上の論点はないと思った。
- 設問2(2)では、①地役権設定契約では地代支払が成立要件とされていないため、地代支払いの合意は地役権設定契約とは別の契約に位置づけられるから、地代支払いは地役権設定契約に基づく「債務」とはいえないのではないか、②541条・542条における「債務」は解除対象である契約に基づく債務に限られると理解する場合、①において地代支払いが地役権設定契約に基づく「債務」とはいえないと理解する立場からは、地代支払債務の不履行を理由として地役権設定契約を解除することはできないのではないか(解除対象である地役権設定契約に基づく債務の不履行がないため)、③①において地代支払いが地役権設定契約に基づく「債務」とはいえないと理解する立場からも、判例理論を踏まえて、地役権設定契約と地代支払合意との間に密接関連性があれば後者の債務不履行をもって前者・後者双方を解除できると解することも可能なのではないか(最三小判平成8・11・12・百Ⅱ44)といったことが問われており、設問における「地役権設定契約の性質」は①で、「解除の制度趣旨」は②③で問題になる、と思った。①~③に言及するだけで手一杯であり、自身の見解において見解㋑・㋒の当否について丁寧に論じたり他の解除要件について言及する余裕はなかった。
- 設問3、①任意代理権の授与がない上、日常家事代理(761条)にも当たらないから、無権代理、②Eの生前における追認もない、③110条類推適用による表見代理、④無権代理人に準ずる者による本人の単独相続が問われており、③では110条直接適用の場合と異なり善意・無過失の対象が異なるから委任状・印鑑登録証明書を示した事実は「正当な理由」の評価根拠事実とはならない(少なくとも、善意無過失を推定するほどの推認力はない)こと、④では無権代理人による単独相続の論点を応用した上で契約前後におけるGの関与態様に着目した当てはめをすることがポイントであると思った。
想定順位 100番以内
- 少なくとも100番以内には入っていると思う。もともと民法は得意であり、平成26年の民事系の内訳も「民法70点・商法60点・民事訴訟法55点」という感じ。民法的な思考には自信があった。細かい論点が出題されなくて助かった。
商 法
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所要時間 120分(読む24分 構成13分 答案83分)
雑 感
- 設問1は、平成19年司法試験設問1に似ていると思った。本件決議1に取消事由があることが本件決議1を前提とする本件決議2の取消事由を基礎づけるという問題意識は、取締役報酬総額を定める株主総会決議に取消事由があることがこれを前提とする取締役個別報酬額を定める取締役会決議の無効を基礎づけるという平成25年司法試験設問2の問題意識と共通すると思った。検討事項が多いため、検討事項ごとの論述の丁寧さよりも、検討事項の網羅性を優先した。
- 設問2(1)では、①優先配当額が必然的に半額になることと、②株式併合後に新株発行がされた場合に持株比率が低下する限度が5000株/20万株から2500株/20万株まで拡大されるという意味で持株比率維持の利益について不利益が生じるおそれの2つに言及した。しかし、②は、普通株式についても株式併合がされていることを前提としたものであり、不正確である。本問では、A・Bが保有している普通株式については株式併合がされていないため、本件株式併合によりP(及びQ)の持株比率が必然的に低下することになる。
- 設問2(2)では、小問(1)で論じた不利益性も踏まえながら小問(2)を論じることを意識した。小問(2)では、①株主総会決議取消しの訴え+決議執行停止の仮処分申立て、②株式併合差止訴訟+差止仮処分申立て、③反対株主の株式買取請求(182条の4)が問題となると思った。①では3号取消事由を丁寧に論じた(決議取消しの訴えが出題されたら、必ず3号取消事由を確認する習慣が役立った)。②では、株主総会決議に取消事由があるだけで差止事由が認められるか(決議取消判決の確定まで要するか)という論点まで問われていると思ったが、ここまで言及する余裕がなかった。③では、「端数」が生じていないため認められないが、Pの「反対株主」該当性を基礎づける事情が問題文にあったため「反対株主」該当性について事実を引用する形で丁寧に認定してから「端数」なしとして請求を否定した。
※ 116条1項3号に基づく反対株主の株式買取請求については、気が付かなかった(リアル解答企画終了後、Twitterを見て気が付いた)(2020.9.22追記)
想定順位 100~200番
- 説得力のあることはあまり書けていないが、構成の正確性と検討事項の網羅性があるため、100~200番には入ると思う。
民事訴訟法
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所要時間 119分(読む20分 構成18分 答案81分)
雑 感
- 設問1における将来給付の訴えでは、継続的不法行為に基づく損害賠償請求に関する判例の3要件をそのまま挙げるべきか、迷った。2つめ以降の要件の記憶が曖昧であったし、会議録の誘導を使いきるためにも、将来給付の訴えの性質(原告の債務名義取得の利益を優先して立証・提訴の負担を被告に転嫁)を踏まえて、会議録の誘導を網羅しやすい4要件を定立した。
- 設問1における確認の利益では、明渡時点で発生する具体的金額が確定された敷金返還請求権と明渡前から発生している条件付き権利としての敷金返還請求権との区別を意識しながら確認対象の適否と即時確定の利益を論じ、既判力による確定の必要性から方法選択の適否を論じた。
- 設問2は、現場思考要素が強い上、配点も20点しかないから、出来るだけコンパクトにまとめて設問3に全力投球しようと思った。設問2における2つ目の課題については、いきなり「どのような問題点が生ずるか」について論じるのではなく、和解の一般論に言及した上で、それに関連付けなら論じようと思った(具体論に言及する前に、具体論で前提にしている一般論を示そうと思った)。
- 設問3は、平成23年司法試験設問3と平成18年司法試験設問3との関連性が強いと思った。課題2のうち、「共同訴訟における証拠調べの効果・・・が訴えの取り下げによって影響を受けるかどうか」については、現場思考問題であるところ、裸の利益較量からダイレクトに結論を導くのではなく、抽象論を展開した上で結論を導くよう心掛けた(平成23年司法試験設問3に関する採点実感参照)。
- 平成29年から令和1年までの3年間は、司法試験過去問よりも旧司法試験過去問との関連性が強い出題が多いという印象だったが、今回の問題は司法試験過去問との関連性のほうが強いと思った。設問1のうち、条件付き判決を求める将来給付の訴えの請求適格については平成22年司法試験設問4(2)で出題されているし、設問3は平成23年司法試験設問3及び平成18年司法試験設問3との関連性が強い。
想定順位 100~200番
- 設問1と3は高く評価されると思うが、設問2では最低限のことしか書くことができていない。平成26年司法試験の時に比べてだいぶ良い答案を書くことができた。
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2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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