加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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私人間効力の事案における答案の書き方

憲法の私人間効力の事例(採用拒否事例、団体の人権と構成の人権とが衝突する事例)について、どういった流れで答案を書けば宜しいでしょうか。

例えば、思想信条を理由とする採用拒否事例であれば、採用の無効を観念することができないため(仮に無効を観念することができたとしても、無効=採用ではないから、無効を論じる意味がない)、不法行為責任を追及することなり、間接適用説を論じた上で、「他人の権利…を侵害」という要件(違法性とも呼ばれる要件です)について、「他人の権利」である労働者側の思想良心の自由と会社側の採用の自由(憲法22条1項、29条1項)との調和を図るために、ある程度厳格に判断することになります。「他人の権利…を侵害」の要件の解釈・適用を通じて、対立している私人どうしの権利の調整を図るわけです。

団体の人権と構成員の人権とが衝突する事例であれば、団体の決定事項が当該団体の目的の範囲内といえるか、構成員の協力義務の範囲内といえるかの判断において、構成員の人権にも配慮する必要性を理由として、目的の範囲や協力義務の範囲を狭く解釈することにより、団体の人権と構成員の人権との調和を図ることになります。この事例では、判例でも私人間効力に言及されていないことからしても、間接適用説といった私人間効力の論点は出てこないように思えます。

2021年03月16日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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