加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

0

法科大学院の予習・復習をする際に予備校テキストを利用することの是非

先日、「法科大学院入学後の勉強の進め方」について質問した者です。その際は、大変有益なご回答ありがとうございました。
関連してもう少し質問させて下さい。
法科大学院の予習は、真面目にやれば相当の時間が必要と聞いています。
私の場合、仕事で時間がない上に、加藤先生にご指導頂いたように短文事例問題集も潰していきたいため、予習を効率化する必要があります。
そこで、予習として、参照する教材を今まで使用してきた予備校テキストに絞り、他の文献を調べることはしないというやり方でいこうと考えています。なお、この予備校テキストは情報量としては加藤先生のテキストと同程度かやや少ない程度と思っています。加藤先生の秒速・総まくりの受講も検討していますが、短文事例問題集をマスターしていない段階での受講は無意味でしょうか?私の学力は、旧司法試験時代、択一は毎年合格していましたが、13年振りに司法試験の勉強を再開しました。その間10年前に司法書士に合格し、2年前に行政書士も取りました。

まず、法科大学院の予習・復習を予備校テキストを使ってやることについては、私は賛成です。予備校テキストをベースにしながらやると、どこまで試験的に必要で、どこからが試験的に不要なのかを判断しやすいからです。ただし、予備校テキストだけで完結させるのは難しいと思いますので、予備校テキストをベースにしながら、必要に応じて、基本書をはじめとする文献も参照することになると思います。

次に、予習・復習で使用する予備校テキストについてですが、予備校の入門講座のテキストではさすがに対応できないですし、司法試験対策としてもあまり役に立たないと思います。入門講座のテキストは、あくまでも、法科大学院の予習・復習や司法試験レベルの問題に対応するための土台を作りをするものにすぎないからです。私は、司法試験レベルの問題に対応している秒速・総まくりのテキストを使うのがベストであると考えます。秒速・総まくりテキストには、逐一、右余白に参照文献のページ数が記載されているため、基本書をはじめとする文献へのアプローチもしやすいです。

そして、現時点で秒速・総まくりを受講することの是非についてですが、今から受講しても講義について来ることができる上、なるべく早い段階で受講したほうが良いとも考えております。理由は2つあります。1つ目の理由(講義について来ることができる理由)は、「旧司法試験時代、択一は毎年合格していました。…10年前に司法書士に合格し、2年前に行政書士も取りました。」という学力の高さと学習経験の豊富さにあります。2つ目の理由(なるべく早い段階で受講したほうが良い理由)は、質問者様が旧司法試験時代の受験生であるということにあります。旧司法試験時代から今に至るまでの間に、全科目に共通する答案の書き方、科目分野ごとの答案の書き方、問題文の読み方、頭の使い方、判例の理解の仕方、試験的にベストな学説などがかなり変化しているため、知識と方法論(書き方、読み方、考え方など)を今の試験傾向に合わせる必要性が高いです。秒速・総まくりには、今の司法試験の傾向に合った知識と方法論が反映されているため、本講座を使って今の司法試験の傾向との関係でベストな知識と方法論を身に付けて頂きたいと思います。

参考にして頂けますと幸いです。

2021年03月16日
講義のご紹介
もっと見る

コメントする

コメントを残す

コメントをするには会員登録(無料)が必要です
※スパムコメントを防ぐため、コメントの掲載には管理者の承認が行われます。
※記事が削除された場合も、投稿したコメントは削除されます。ご了承ください。

加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
質問コーナーのカテゴリ
ブログ記事のカテゴリ