加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

0

構成要件的故意と責任故意の違い

総まくりテキスト・論証集では、構成要件的故意、故意、責任故意という表現が様々な箇所で用いられていますが、刑法の学習で一言で「故意」と呼ばれるものが出てきたらどうやって区別すれば宜しいでしょうか。

刑法では、大きな学説対立として行為無価値論と結果無価値論の対立があり、そのうち行為無価値論(総まくりテキスト・論証集の立場)は、「故意」について、構成要件的故意と責任故意の2つに分類します。

構成要件的故意は、客観的構成要件該当事実の認識・認容を意味します。「構成要件的故意」と表現されることもあれば、単に「故意」と表現されることもあります。

責任故意は、違法性阻却事由を基礎づける事実を認識していないこと(例えば、誤想防衛に当たらないことなど)と、違法性の意識の可能性があること(事実の錯誤説)を構成要素とするものです。責任故意については、構成要件的故意と区別するために、単に「故意」と表現することはなく、「責任故意」という表現に統一されているのが一般的です。総まくりテキスト・論証集でも、責任故意については、必ず「責任故意」と表現しています。

2021年02月04日
講義のご紹介
もっと見る

コメントする

コメントを残す

コメントをするには会員登録(無料)が必要です
※スパムコメントを防ぐため、コメントの掲載には管理者の承認が行われます。
※記事が削除された場合も、投稿したコメントは削除されます。ご了承ください。

加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
質問コーナーのカテゴリ
ブログ記事のカテゴリ