加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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短答過去問を何周もしたのに正答率が低い上、時間も足りない場合

今年、司法試験を初めて受験するのですが、過去問を4周したにもかかわらず、短答模試の正答率が非常に低い上、時間切れで合計10問近く解くことができませんでした。短答の解き方を教えて頂けないでしょうか。

※過去の質疑応答を本ブログに反映したものであるため、質問の時期と内容にずれが生じています(運営者・加藤喬)

まず、短答過去問を回す際に、選択肢の表現と正誤(○×)の対応関係を表面的に記憶しているだけになっていないか、確認してみましょう。仮にそうだとすると、初見の問題を解いている過程でも、暗記している「過去問の選択肢の表現及びその正誤」と「初見の問題の選択肢」を表面的(単純に)に比較するということをやってしまっている可能性が高いです。この勉強法と解法だと、確実に正誤を判断することができる問題の幅が非常に狭くなります。「過去問の選択肢の表現及びその正誤」ではなく、「選択肢の正誤の背後にある、法律知識と読解・思考のコツ」を身につけましょう。

次に、憲法・刑法については、論文知識とそれを前提とした読解・思考だけで、6~7割取れる問題になっています。民法では、短答固有の細かい知識の出題が多いものの、価値判断による解法と消去法により知識不足を補うことで正解を導くコツを掴むと、点数が安定します。科目ごとの解き方のコツについては、以下の4つの記事を参考にして頂けると思います。

それから、単純に解くのが遅いというのであれば、年度別に短答過去問を解き、訓練しましょう。体系別にまとまっている過去問集(例えば、辰已法律研究所のパーフェクト本など)では、どの分野からの出題であるのかを判断する過程を飛ばして解くことになりますが、初見の問題(模試・本試験)では、解答の前提としてどの分野からの出題であるのかも判断することになります。なので、体系別にまとまっている過去問集を回しているだけでは、解答のスピードはなかなか上がりませんから、解くスピードを上げるために過去問をやる際には、年度別に時間を計って解きましょう。また、民法・刑法で2~3問解けないのであれば、その原因は読解・思考そのものの遅さにもあると思われますが、憲法を時間内に解くことができないのであれば、その原因は読解・思考そのものの遅さではなく、知識不足と読解・思考のコツが身についていないことにあると思います。

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2020年10月22日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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