令和4年予備試験合格に向けた理想的な勉強計画

7月から勉強をスタートする方を念頭に置いて、「令和4年予備試験合格に向けた予備試験対策パック(予備試験・労働法完全パックを含む)を使った理想的な勉強計画」について紹介させて頂きます。

既に予備試験対策パックを受講して下さっている方々、予備試験対策パックの受講を検討して下さっている方々には、この勉強計画の動画を参考にして、予備試験対策パックによる学習効果を最大化し、令和4年予備試験合格を確実なものにするとともに、上位合格を実現して頂きたいと考えております。

今回紹介している勉強計画及び勉強のポイントは、予備試験対策パックを受講していない方々にとっても共通することなので、令和4年予備試験を受験される皆様に参考にして頂きたいと思っております。

 

勉強計画表

勉強計画表のPDFはこちら

 

勉強計画の動画

本記事で紹介している勉強計画について、約50分間で、丁寧に説明しております。

予備試験対策パックを使った学習の効果を最大化するために、本動画を視聴して、自分にとって最適な勉強計画を立てて頂きたいと思います。

 

令和4年予備試験合格に向けた3つの学習段階

令和4年予備試験合格に向けた学習は3つの段階からなります。

Step1予備試験対策パック1周目+選択科目1周目(+実務基礎科目)(7月~12月末)

    • 基本7科目の対策として、総まくり講座を1科目ずつ受講する
      ➡学習進度によっては、短文事例問題の演習も並行する
    • 10月から公法⇒刑事⇒民事という流れで、予備試験過去問の演習・分析を行う
    • 選択科目対策も並行して行う
      ➡労働法攻略パック(Aプラン)又は労働法完全パックを受講している場合、労働法速修テキスト講座⇒労働法重要問題100選講座という流れで受講する。予備試験対策として、司法試験過去問までは不要(予備試験対策として司法試験過去問から学習するべきことは全て、労働法重要問題100選講座に反映済)
    • 余裕があれば、実務基礎科目の対策もする。余裕がない、あるいは実務基礎科目の1周目を終えているのであれば、実務基礎科目の対策は年明け以降に回して構わない

Step2:短答対策(翌年1月~5月中旬)

    • 短答試験固有の細かい知識は忘却しやすいから、試験直前期に短期集中で一気に記憶したほうが効果的
    • 短答対策と論文対策の比重は、短答の得意不得意と学習進度によって異なるが、本試験に近づくにつれて短答対策の比重を上げるべき。
      ➡短答試験日が近づくにつれて、徐々に、短答対策と論文対策の比率を10:0に近づける
    • 年内に身に付けた知識・方法論・感覚が衰退しすぎないよう、論文についても最低限の復習をする
    • 余裕があれば、司法試験過去問までやる
      ➡予備試験対策として有益な司法試験過去問の一覧はこちら(後日、掲載いたします)
      ..

Step3:論文の総復習(5月中旬~7月9日・10日付近)

    • これまで勉強してきたことの反復に重点を置き、予備校の答練・模試を除き、できるだけ新しいことはやらないほうがいい
      ➡インプットでは総まくり論証集をひたすら回しまくる
      「令和2年予備試験論文と総まくり論証集の対応関係(100%)」
    • 一定水準まで高めた実力を試験当日まで回復・維持するための勉強をする段階では、1週間に複数科目を同時並行して勉強したほうが効果的


Step1:予備試験対策パック1周目+選択科目1周目(+実務基礎科目)(7月~12月末)

〇予備試験対策パック1周目

まずは、1科目ずつ、総まくり講座を最初から最後まで一気に受講します

総まくり講座は演習要素も強いですし、令和2年予備試験論文のほぼ全てが総まくり講座のA・Bランクからの出題であったこと(行政法における公害防止協定のみCランク)も踏まえると、総まくり講座でA・Bランクのインプットを完成させれば、解けない問題はほとんどないといえます。
「令和2年予備試験論文と総まくり論証集の対応関係(100%)」

総まくり講座を受講する際には、複数科目を同時並行的に受講するのではなく、科目ごとに一気に受講します

試験勉強には、実力を底上げするための勉強と、一定水準まで高めた実力を試験当日まで回復・維持するための勉強があります。実力を底上げするための勉強をする段階では、複数科目を同時並行的に学習するよりも、1科目ずつ短期集中で一気に学習した方が効果的です。この段階で複数科目を同時並行的に学習すると、科目ごとの学習が雑になり、知識・方法論が向上・定着しないおそれがあるからです。総まくり講座の受講は、実力を底上げするための勉強に位置づけられますから、1科目ずつ短期集中的に受講することになります。

次に、10月から、講義スケジュールに従い、憲法⇒行政法⇒刑法⇒刑事訴訟法⇒民法⇒商法⇒民事訴訟法という流れで、予備試験過去問の答案作成・解説講座視聴に入ります。これは、総まくり講座で学習した知識・方法論を本試験レベルの問題で使うことに慣れるためです。

この段階における過去問演習は、総まくり講座で学習した知識・方法論を本試験レベルの問題で使うことに慣れるためにやるものですから、過去問演習を短答試験終了後に持ち越すと、総まくり講座の学習効果を十分に上げることができません。

12月末までに予備試験過去問の全部又は大部分を解くことができれば、論文の実力が今よりも遥かに上がっているはずです。

この段階で予備試験過去問の演習・復習をする1番の目的は、総まくり講座で学習した知識・方法論を本試験レベルの問題で使うことに慣れることにあるのですが、2番目の目的として、テキスト・論証集の論証等を自分に合った表現・長さ・水準に修正することも挙げられます。

記憶力、理解力、相性の良い文章表現、答案の分量は人により異なりますから、万人にとってベストな論証等というものは存在しないと思います。それに近いものを作ることは可能ですが、最終的には、既存の論証等に修正を加えることで、自分にとって理解しやすい・記憶しやすい・答案で使いやすいという意味における、自分にとってベストな論証等を完成させるのが理想的です。

予備試験過去問の演習・復習をする過程で、自分の記憶力・理解力に見合った論証等の水準、自分にとって相性の良い文章表現、自分の記憶力と答案の分量に合った論証等の長さを知ることを通じて、テキスト・論証集の論証等を自分にとってベストな水準・表現・長さのものに徐々に近づけていきましょう。

※1.  予備試験過去問講座の教材配送・動画配信が10月からスタートするため、予備試験過去問講座による過去問分析は10月からとなります。

※2.  令和3年予備試験論文終了後、去年と同様、総まくりテキスト・論証集だけを参照して参考答案を作成し、参考答案と解説動画を公開します。そのタイミングで、令和3年予備試験論文の問題を制限時間内で解いた上で、私の答案及び解説を参考にして、出題分析・自己分析を行って頂きたいと思います。

〇選択科目対策

令和4年から、予備試験の論文式に選択科目が追加されるため、選択科目対策も進める必要があります。

「令和4年予備試験の選択科目の問題数、試験時間、出題の範囲・形式について」

労働法攻略パック(Aプラン)又は労働法完全パックを受講している場合、労働法速修テキスト講座[導入編]⇒同講座[基礎編]⇒労働法重要問題100選講座⇒労働法速修テキスト講座[応用編]という流れで、労働法の勉強を進めます。

予備試験選択科目では、司法試験過去問が流用される可能性が非常に高いです。もっとも、予備試験選択科目では、司法試験過去問に比べて、問題文がシンプルである上、捻った出題も少ないと思います。そうすると、予備試験選択科目の対策として司法試験過去問までやるのはオーバースペックであると思います。

労働法重要問題100選講座では、予備試験労働法で司法試験過去問が流用されることも踏まえて、司法試験過去問のうち予備試験で流用される可能性がそれなりにあると考えられるものについては、問題文をシンプルなものに修正した上で講座に反映しております。例えば、サンプルとして公開している〔第16問〕〔第80問〕はいずれも司法試験過去問の問題文をシンプルなものに修正したものです。

従いまして、予備試験対策として司法試験過去問から学ぶべきことは全て、労働法重要問題100選講座から学ぶことができますから、予備試験対策としては「労働法速修テキスト講座労働法重要問題100選講座」を受講して頂き、予備試験の論文式又は口述式の後に、最後の仕上げとして「司法試験過去問講座」を受講して頂くのがベストな勉強法であると考えます。

〇実務基礎科目

余裕があれば、この段階から実務基礎科目の対策も行います。余裕がない、あるいは実務基礎科目の1周目を終えているのであれば、実務基礎科目の対策は年明け以降に回して構いません。

加藤ゼミナールでは、令和4年予備試験向けの実務基礎科目の対策講座のご用意がございませんので、ご自身で又は他校を利用して、実務基礎科目の対策をして頂くことになります(実務基礎科目の対策講座は、来年、完成予定でございます)。

Step2:短答対策(翌年1月~5月中旬)

〇短答対策

短答試験固有の細かい知識は忘却しやすいので、試験直前期に短期集中で一気に記憶したほうが効果的です。短答試験日が近づくにつれて、徐々に、短答対策と論文対策の比率を10:0に近づけるのが理想的です。

私は、平成26年司法試験では、短答7科目のうち、上三法は152点/175点(憲法46点・民法60点・刑法46点)でしたが、短答対策にかけた時間は2~3週間くらいです。それは、上三法については、論文知識と読解思考で解ける問題が多いからです。

憲法及び刑法では、論文知識、論文的思考及び思考・読解のコツだけで解ける問題が6~7割あり、短答固有の細かい知識を使って解く問題は3~4割くらいです。なので、憲法及び刑法の短答対策としては、過去問を通じて思考・読解のコツを掴むことと、網羅性の高いテキスト(総まくりを受講している方なら総まくりテキスト)でA・Bランクの分野について条文、判例及び論点を確認することが重要であり、細かい知識を確認するための勉強はおまけみたいものです。

短答過去問を何度も繰り返しているにもかかわらず憲法及び刑法で点数が安定しない人は、短答固有の知識が足りていないのではなく、論文知識、論文的思考及び思考・読解のコツが身についていない可能性が高いです。その状態で短答過去問を繰り返しても、点数はほとんど伸びないと思います。

短答対策としてテキストに目を通す際には、論文対策のように丁寧に読み込む必要はありません。短答で使う知識の大部分は、論文で使う知識と異なり、能動的に使用できる状態にまでもっていく必要はなく、訊かれたら分かるというくらいの受動的に使用できる状態で足りるものだからです。

民法では、憲法及び刑法に比べて、論文知識だけで解答できる選択肢が少ないため、論文知識だけで合格ラインに到達することは難しいです。

もっとも、取引安全を害するから請求を否定するべき、相手方の正当な信頼を害するから契約成立を認めるべきといった裸の利益衡量により、条文や判例の適用結果と一致する結論を導ける問題がいくつもあります。 この裸の利益衡量による解法に加え、消去法も用いると、正答率がだいぶ上がります。

例えば、令和2年司法試験民法第22問における「AがBに対し、承諾の期間を申込みから1週間と定めて撤回の権利の留保なく契約の申込みをし、その2日後に申込みを撤回したが、Bは申込みから5日後に承諾した。」という選択アについては、「契約の成立を否定するとAが定めた承諾期間内に承諾をしたBの契約成立に対する正当な信頼が害されるから、契約成立を認めるべきである」という価値判断により、「承諾の期間を定めてした申込みは、撤回することができない。ただし、申込者が撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。」と規定している民法523条1項を知らなくても、正解を導くことができます。

また、令和2年司法試験民法第37問における「解除の意思表示は、撤回することができない。」という選択肢イについては、「解除の法律効果の大きさからすると、解除の意思表示の撤回は相手方の地位を不安定にするとともに、法律関係を複雑にするから、許されないはずである」という価値判断により、解除の「意思表示は、撤回することができない。」と規定している民法540条2項を知らなくても、正解を導くことができます。

これらは、裸の利益衡量による解法を用いて解くことができる選択肢のほんの一例です。

条文や判例といった法律知識を直接の根拠として結論を導くことが理想的ですが、知らない条文や判例が問われている問題における正答率を高めるためにも、短答対策としてのインプットの負担を軽減するためにも、裸の利益衡量による解法も身に付けて頂きたいと思います。

知識以外で短答を解くコツについては、以下の動画を参考にして頂きたいと思います。

この動画では、令和2年司法試験短答試験過去問を使い、読解思考による解法と価値判断による解法について紹介していますから、解法を最終確認するためにお役立て頂ければと思います。

短答試験に対する考え方、さらには短答の解き易さが、一気に変わると思います。

〇論文についての最低限の復習

年内に身に付けた知識・方法論・感覚が衰退しすぎないよう、論文についても最低限の復習をするのが望ましいです。

少なくとも、3月末くらいまでは、知識・方法論を維持するために論証集を軽く1周したり、答案作成の感覚を維持するために週2~3通、予備試験過去問の答案を作成するなどして、最低限の復習をしましょう。

〇司法試験過去問の位置づけ

司法試験過去問と令和2年予備試験論文の関連性は、憲法>行政法>商法>民事訴訟法>会社法>民法>刑事訴訟法という順です。

刑事訴訟法では、毎年、予備試験で司法試験過去問が流用される傾向に合ったのですが、今年は珍しく司法試験で出題されていない一事不再理効が正面から問われました。

もっとも、これはかなり稀なケースですから、例年の出題傾向を前提にすると、予備試験対策としての司法試験過去問の重要性は、刑事訴訟法>行政法>憲法>民事訴訟法>商法・刑法>民法となります。

余裕があれば、この段階では、司法試験過去問までやるのもありです。

➡予備試験対策として有益な司法試験過去問の一覧はこちら(後日、掲載いたします)

 

Step3:本試験に向けた論文の総復習

試験勉強には、実力を底上げするための勉強と、一定水準まで高めた実力を試験当日まで回復・維持するための勉強があります。Step3は、一定水準まで高めた実力を試験当日まで回復・維持するための勉強に重点を置く時期です。

したがって、論文試験までの約2カ月弱は、予備校の答練・模試を除き、新しいことはやらないほうが良いです。

インプットは、総まくりテキスト・論証集だけで十分です。ひたすら、総まくりテキスト・論証集を回しまくります。頭の中でテキスト・論証集のページを開き、どこに何が書いてあるのかを画像としてイメージすることができるくらいの状態にまで持って行くのが理想です。

アウトプットでも、過去問は、予備試験過去問とこれまでやった司法試験過去問に限定しましょう。

それから、Step3は、一定水準まで高めた実力を試験当日まで回復・維持するための勉強に重点を置く時期ですから、1週間に複数科目を同時並行的に勉強したほうが効果的です。

この時期は、同じことの繰り返しであり、精神的に相当辛いと思いますが、こうした勉強こそ、やり切ったときの効果は絶大です。

総まくり講座2021、予備試験過去問講座2021及び労働法講座には、業界最高水準であると自負している知識と方法論が集約されていま

予備試験対策パックと労働法講座で学習したことを本試験で最大限発揮することができるよう、全国模試と本試験に向けた総復習をやり切って頂きたいと思います。

以上が、私が考える「令和4年予備試験合格に向けた理想的な勉強計画」です。

受講して頂いている予備試験対策パックによる学習効果を最大化し、令和4年予備試験合格を確実なものにするために、是非とも参考にして頂きたいと思います。

 

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講師紹介

加藤 喬 (かとう たかし)

加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
司法試験・予備試験の予備校講師
6歳~中学3年 器械体操
高校1~3年  新体操(長崎インターハイ・個人総合5位)
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
労働法1位・総合39位で司法試験合格(平成26年・受験3回目)
合格後、辰已法律研究所で講師としてデビューし、司法修習後は、オンライン予備校で基本7科目・労働法のインプット講座・過去問講座を担当
2021年5月、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立

執筆
・「受験新報2019年10月号 特集1 合格
 答案を書くための 行政法集中演習」
 (法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 憲法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成30年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成29年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成23~
 25年」行政法(法学書院)

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