加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

論文試験の問題処理が遅い原因

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論文試験の問題処理が遅い原因は複数あり、今から改善できるものと、今からでは改善できないものがあります。

私が考える問題処理が遅い原因は以下の5つです。

①記憶が定着していない 〇
②記憶した知識を使うことに慣れていない 〇
③事案類型や判断枠組みの理解が曖昧 〇
④問題文の読み方のコツを掴んでいない 〇
⑤元々の情報処理速度が遅い ✕or△

①条文・論点の記憶が定着していないと、問題文を読んで問われている条文・論点に気が付くまで時間がかかります。

ある条文・論点を知っていることと、その条文・論点を具体的事例から素早く確実に抽出できるくらい記憶が定着していることとは、区別しましょう。

合格レベルに到達するには、記憶を後者の水準まで持っていく必要があります。

②記憶した知識を使うことに慣れていない場合、記憶が定着している条文・論点であっても、具体的事例から抽出したり、論述の流れを整理するのに時間がかかってしまうことがあります。

③特定の科目・分野・論点では、事案類型ごとの処理手順(例えば、行政裁量)や判断枠組み(例えば、任意捜査の限界)をちゃんと理解していないと、問題文の情報を整理するのに時間がかかります。

例えば、行政裁量については、裁量基準に従った場合、裁量基準に違反した場合及び裁量基準が絡まない場合とで、処理の流れがだいぶ異なります。

事案類型ごとの処理の流れをちゃんと理解しておくと、問題文・会議録・個別法の条文のうち、行政裁量との関係で必要・重要なものに自然と気が付くことができるとともに、これらをどういった順序・方向性で使えばいいのかも直ぐに気がつけます。

④司法試験・予備試験の問題文の読み方には、コツがあります。

例えば、司法試験では、問題文の情報量が多い分、答案を書く上で必要のない事実や重要度が低い事実もたくさんあります。

司法試験の問題文の読み方のコツを掴むと、メリハリを付けながら問題文を読むことができるようになります。

スムーズに情報を取捨選択しながら問題文を読めるようになります。

⑤元々の情報処理速度を20代から早くすることは難しいと思います。

読解力・思考力・文章力・情報処理能力といった基礎学力的なことのうち、情報処理能力については、大学受験くらいまでに高めるものであり、20代から引き上げることは難しいです。

なので、司法試験・予備試験受験の段階でがむしゃらに問題演習を繰り返しても、⑤元々の情報処理能力が高まることはほとんどないため、いつまで経っても問題処理は速くなりません。

もっとも、司法試験・予備試験に限定された知識・慣れ・コツ(①~④)は、今からいくらでも身につけることができますから、これらをしっかりと身につけることで司法試験・予備試験の問題処理を早くすることは十分可能です。

問題処理が遅くて悩んでいる方は、問題処理が遅い原因としっかりと分析し、原因のうち今から改善することができること(①~④)を改善しましょう。

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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