加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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司法試験論文対策としてヤマを張った勉強をすることの適否

今年の司法試験の論文対策として、ヤマを張った勉強をするべきでしょうか。
極力、網羅的に勉強した方がいいと思うのですが、それでもヤマを張るということも意識的にやるべきなのか悩んでいます。

論文対策としてのヤマを張った勉強の適否及び方法は、科目によって若干異なります。

出題範囲が狭い憲法・行政法・民事訴訟法・刑事訴訟法については、①司法試験過去問で出題された分野・論点及び②過去問で出題されていない分野・論点のうち今年出題される可能性が高いものについてヤマを張った勉強をする一方で、③上記①②以外から出題された場合に全く対応できない事態になることを避けるために一度か二度はざっと目を通しておくべきです。③までやっておかないと、上記①・②以外から出題された場合に、論証を書けないどころか、そもそも何が問われているのかすら分からないことになりかねないからです。

出題範囲が広い民法・商法・刑法については、ヤマを張った勉強に偏りすぎない方がいいです。メリハリ付けの一環としてAランク>Bランク>Cランクという順に、読み込む回数や読み込む際の丁寧さに違いを付けるべきですが、憲法・行政法・民事訴訟法・刑事訴訟法と比べて、復習における濃淡の付け方を弱くするべきです。

まとめると、次のようになります。

  • 出題可能性の高低に応じて復習の頻度等に濃淡をつける一方で、出題可能性が高くない分野論点についても、どの分野条文論点から出題されているのかを判断できるくらいの最低限の復習をする必要があります。出題可能性の高い分野論点にヤマを張った勉強だけだと、論証を書けないどころか、何が問われているのかすら分からない事態に陥るリスクが高くなるからです。
  • 復習における濃淡の強弱は、出題範囲の狭い憲法・行政法・民事訴訟法・刑事訴訟法と出題範囲の広い民法・商法・刑法とで異なります。
2021年04月03日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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