加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

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事後強盗罪を結合犯であると理解する場合、窃盗の時点で事後強盗罪未遂が成立するのか

いつもお世話になっております。
事後強盗罪の性質と既遂時期との関係性について、質問がございます。
事後強盗罪の性質を結合犯と捉えた場合、窃盗行為も実行行為の一部となるため、窃盗行為に着手した時点で事後強盗罪の実行の着手あり、となるのでしょうか。
判例・通説では、事後強盗罪の実行の着手時期は暴行・脅迫の時点であり、既遂未遂は窃盗の既遂未遂時期により区別される、との理解との整合性がわかりません。
事後強盗罪の実行の着手時期に関する上記の判例・通説の見解は、事後強盗罪を結合犯ではなく、身分犯として捉えていることを前提にしているのでしょうか?
宜しくお願い致します。

事後強盗罪を窃盗行為と暴行・脅迫行為の双方を実行行為とする結合犯であると理解した場合、窃盗行為に着手した時点で事後強盗罪未遂罪が成立してしまうという難点があります。

結合犯説は、窃盗行為はその後に刑法238条所定の目的に基づく暴行・脅迫が行われることにより結果的に事後強盗罪の実行行為として評価されると理解することにより、上記難点に対処します(佐久間ほか「ロープラクティス刑法」第3版272頁、秒速・総まくり2021・146頁)。

したがって、結合犯説からも、事後強盗罪の実行の着手時期を暴行・脅迫時点であるとする判例通・通説を説明することができます。

2020年11月27日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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