加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

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オススメの市販演習書

いつもお世話になっております。
秒速・総まくり2021及び秒速・過去問攻略講座コンプリート2021を受講している者です。過去問と総まくりの往復で少しずつ実力がついてきていると感じています。本当にありがとうございます。
質問なのですが、自分は論証等を暗記するに際して、どうしても問題演習を経由しなければ身に付きません。何度かテキストのみでトライしてみたのですが、挫折しました。
本来は、テキストの読み込みで網羅的にインプットをすべきなのでしょうが、演習書・問題集を勉強に取り入れざるを得ないと思っています。
以前のブログにはおすすめの演習書等が掲載されていたと思うのですが、このブログでは見つかりませんでした。
既出でしたら申し訳ないのですが、おすすめの演習書等を紹介していただけると助かります。
よろしくお願いします。

秒速・総まくり2021及び秒速・過去問攻略講座2021を受講して頂きありがとうございます。

問題演習経由でなければインプットをすることができない方は、インプットの穴を出来る限り小さくするために、問題集を選択する際には「質」よりも「量」を重視する必要があります。

憲法は、お薦めできる問題集がありませんので、「旧司法試験過去問」です。

行政法は、曽和・野呂・北村「事例研究行政法」です。もっとも、司法試験・予備試験過去問で出題範囲の大部分を網羅することができる上、過去問で出題されていない重要論点(国家賠償法2条の「営造物の瑕疵」など)については秒速・総まくり2021で答案例を掲載しているので、司法試験過去問・予備試験過去問・総まくり2021だけで足りると思います。仮にインプットの穴を完全に無くすために市販演習書までやるのであれば「事例研究行政法」をお薦めする、という趣旨です。

民法は、沖野ほか「民法演習サブノート210」です。潮見・水野ほか「ロープラクティス民法Ⅰ~Ⅲ」は量が多すぎるために回し切れない、松久・藤原「事例で学ぶ民法演習」はインプット目的との関係では網羅性が足りない、松岡・潮見・山本「民法総合・事例演習」はインプット目的との関係では網羅性が足りないし難しすぎる、と考えます。

商法は、黒沼悦郎「ロープラクティス商法」です。量・質とも丁度いいです。伊藤靖史ほか「事例で考える会社法」は網羅性が足りない上に難しためインプット用の問題集としては不向き、前田雅弘・州崎博史「会社法事例演習教材」は良書であるものの量が多すぎて回しきれない、小林量・北村雅史「事例研究 会社法」は一つひとつの事例が長いためインプット用の演習書としては不向き、と考えます。

民事訴訟法は、「旧司法試験過去問」一択であると考えます。事例問題は昭和の問題も含めてやりましょう。なお、秒速・総まくり2021では後半で旧司法試験16問・新司法試験改題4問を取り上げているので、これらの問題が最優先です。

刑法は、インプット目的を重視するのであれば、網羅性の高い井田・大塚ほか「刑法演習サブノート210問」です。学説対立及び演習要素(知識の使い方の習得)を重視するのであれば、佐久間・高橋ほか「ロープラクティス刑法」です。質問者様はインプット目的での問題集をお探しになっているので、インプット目的での問題集として井田・大塚ほか「刑法演習サブノート210問」、学説対立及び演習要素(知識の使い方の習得)については秒速・過去問攻略講座2021で対応する、という選択をお薦めいたします。なお、「刑法事例演習教材」は事実関係及び法律構成が複雑である事案が多いので、インプット目的での問題集には不向きであると考えます。

刑事訴訟法は、古江賴隆「事例演習刑事訴訟法」一択です。司法試験過去問と「事例演習刑事訴訟法」をやっておけば、現場思考問題を除き、出題範囲を全てカバーすることができます。

2020年11月21日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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