加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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憲法で実質的観点⇒形式的観点という流れで論じた場合における採点上の不利益

令和2年予備試験の憲法において、憲法21条1項に反しないかという実質的正当化を検討した後、項目を分けて憲法21条1項・31条に反しないかという形式的正当化を検討した場合、大幅な減点をされるのでしょうか。

確かに、平成30年司法試験・令和1年司法試験の出題趣旨・採点実感では、形式的観点⇒実質的観点という流れで検討することが前提とされています。そのため、形式的観点⇒実質的観点という流れで書いた場合、一定範囲で直接的に失点するとともに、採点官の印象が悪くなることを通じて間接的に失点する(他の答案に比べて懐疑的に答案を読まれることになるため)ことになると思われます。

しかし、大幅な減点まではないと思います。司法試験でも予備試験でも、採点方法は原則として加点方式です。配点項目に該当することを書けばその分だけ加点され、書かなければその分だけ加点されないという意味で”失点”するだけです。配点項目の範囲内での”失点”を超えて積極的に”減点”されるのは、明らかな論理矛盾がある場合、刑法で違法性⇒構成要件というあり得ない流れで書いている場合など、かなり稀なケースです。

実質的観点⇒形式的観点という流れで答案を書いても、論理矛盾とまでは言えませんし、違憲審査の体系として「実質的観点⇒形式的観点」という流れが理論上あり得ないというわけでもありませんから、大幅に減点されるということはないと思います。

結局、大事なのは中身です。形式的観点と実質的観点とで説得力のある論述をすることができていれば、A評価に入る余地もあると思います。おそらく、形式的観点から違憲であると結論付けた後に実質的観点から合憲であると結論付けることに違和感があったため、実質的観点⇒形式的観点という流れで書いたのだと思います。採点官としても、その意図に気が付き、大目に見てくれるかもしれませんし。

なお、令和2年予備試験論文については参考答案・解説の記事がありますので、令和2年予備試験論文の内容面に関するご質問は参考答案・解説の記事のコメント欄に投稿して頂けますと幸いでございます(「質問コーナーの利用上のルール」参照)。

引き続き宜しくお願い致します。

2020年11月11日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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