加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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ロースクール未修1年目の夏休みの使い方

ロースクール未修1年目の夏休みには、どのような勉強をすればいいでしょうか(例えば、前期の復習、後期の予習等) 。宜しくお願い致します。

※過去の質疑応答を本ブログに反映したものであるため、質問の時期と内容にずれが生じています(運営者・加藤喬)

学習状況によると思います。

例えば、純粋未修又はこれに準ずる場合(例えば、現時点で、基本7科目を最初から最後まで勉強したことがない、定期試験以外で答案を書いたことがない等)には、長期休みの段階で、科目ごとの全体像を把握しておく必要があります。

授業の予復習よりも、予備校本や薄めの基本書を使うなどして、科目ごとの全体像を把握するとともに、網羅性があり比較的簡単な演習書(例えば、辰巳法律研究所の「新えんしゅう本」、伊藤塾の「試験対策問題集」)を使って重要な条文・論点の使い方のイメージを掴む必要があると考えます。

お薦めの薄めの基本書は、以下の通りです。司法試験論文の全科目及び司法試験短答の憲法・刑法では、「重要な分野・論点についての深い理解」と「思考力、読解力、文書力」が重視されており、細かいことはあまり出題されませんから、今の段階では細かいことはばんばん飛ばして構いません。全体を俯瞰することを重視しましょう。

科目ごとの全体像および答案のイメージが固まっていない状態だと、法科大学院の授業内容を司法試験対策にどうやって役立てるのかということも分からないため、学習効率が低くなると思います。

なお、夏休み中に7科目を全てやるのは不可能に近いので、民法・商法・刑法の3科目を優先しましょう。これらは、科目全体の情報量(条文・論点)が多い上、出題範囲の偏りが小さいため、出題の範囲が広いので、法科大学院の授業や司法試験過去問だけでは対応し切れません。

これに対し、憲法・行政法・民事訴訟法・刑事訴訟法については、上記3科目に比べると出題範囲が狭く、法科大学院の授業内容や司法試験過去問で学習したことがピンポイントに役立つことが多いです。しかも、憲法・行政法・刑事訴訟法については、体系的な理解が曖昧であっても、分野・論点によっては、受験技術的なことも駆使して合格答案を書くことができてしまいますから、真の実力というか、底力みたいなものが不十分であっても、司法試験対策をしっかりとやればなんとかなります。

2020年10月01日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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