加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

補助参加の利益の論じ方(平成30年司法試験設問3)

個別的な質問で大変恐縮です。先生のご説明を見ても納得ができていない状況です。
H30司法試験民事系第3問設問3のうち(イ)の補助参加の利益についての質問です。
交通事故の被害者Aの共同加害者BCに対する損害賠償請求訴訟においてBに対する請求は一部認容、Cに対する請求は棄却との判決が出た事例で、BがAC間の訴訟に補助参加の利益を有するかが問題となっています。ここで、「AC間の訴訟の実体法上及び訴訟法上の効果がBC間には及ばない」(採点実感)以上、訴訟物限定説からは補助参加の利益を肯定できないとの説明がされています。しかし、BのCに対する求償権の先決問題としてAのCに対する債権の存在が必要となる以上、訴訟物限定説からも利益を肯定できませんか?
仮に「実体法及び訴訟法上の効果が...及ばない」場合には補助参加の利益が否定されるならば、これが肯定されるのは債権者代位訴訟などに極めて限定され、例えば債権者と保証人の間の訴訟において主債務者に訴訟告知をしても参加的効力が生じないとの結論になるように見受けられます。
自分の考えとしては、「訴訟物たる権利関係に法律上の利害関係を有する場合」に補助参加の利益を肯定すると考えるならば訴訟物たる権利関係が参加人と被参加人の間の法律関係の先決関係になれば補助参加の利益を肯定できると考えていました。

元ネタとなっている昭和51年判決(最判S51.3.30)は、①AがBCを共同被告として訴訟提起、②第1審では、Bに対する請求を認容、Cに対する請求を棄却、③BがAC間訴訟についてA側に補助参加する旨を申し出た、という事案において、訴訟物限定説の立場からは、AC間訴訟におけるCの損害賠償責任を否定する判決主文がBのCに対する求償権について事実上不利益な影響を及ぼすとして、判決主文による事実上の直接的影響を理由として、補助参加の利益を認めています。

「AC間の訴訟の実体法上及び訴訟法上の効果がBC間には及ばないということを指摘する必要がある。その上で、Bの補助参加の利益を肯定する場合には、そうであるにもかかわらず、AC間の訴訟の結果がBC間の求償関係に事実上影響を及ぼすことを丁寧に論述することが求められ…る。」という採点実感のうち、「AC間の訴訟の実体法上及び訴訟法上の効果がBC間には及ばない」という部分は、判決の既判力や反射効による法律上の影響がないことを意味しています。

つまり、判決の既判力や反射効による法律上の影響がないことを指摘した上で、判決主文による事実上の影響の有無・内容について論じることが求められているわけです。

参考にして頂けますと幸いです。

2023年06月21日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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