加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

行政法で手続的違法まで論じるべきか否かを見分ける方法

予備試験論文過去問行政法平成27年設問2について質問です。参考答案では信義則違反を違法事由として挙げていますが、平成24年度と違い、実体的違法事由や手続的違法事由は記載する必要はないのでしょうか?問題文23行目から24行目には知事がCに対し行政手続法上の手続きをとったと記載があるし河川法違反もなさそうですから書かないのですかね。初歩的な質問で恐れ入りますがご回答宜しくお願い致します。

これは授業でも説明していることですが、違法事由に関する問題では必ず、①処分要件レベルのことと②効果レベル(主として効果裁量の有無、裁量権の逸脱濫用)のことに分けた上で、①処分要件については㋐実体的要件と㋑手続的要件の双方を確認します。

もっとも、だからといって常に①‐㋐、①‐㋑、②の全てについて言及するわけではありません。あくまでも問題分析をする際のチェックリストにすぎませんから、①‐㋐、①‐㋑、②のうち本問で問題になると判断したものだけを答案に書きます。

平成24年設問2では、「本件処分の通知書には、その理由として、「Aが、本市市長の確認を受けずに、下水道接続工事を行ったため。」と記載されていた。なお,Aは、本件処分に先立って、上記の事情説明以外には、意見陳述や資料提出の機会を与えられなかった。」というように、手続面に関する明らかに怪しい事情があるため、これを拾って、手続的要件によって法律構成して違法事由として論じます。

これに対し、平成27年設問2では、「そこで、A県知事は、Cに対し、行政手続法上の手続を執った上で、本件コテージの除却命令(以下「本件命令」という。)を発した。」とあるため、行政手続面での問題点はないことが示唆されています。そのほかに、手続面での問題を伺わせる事情もないため、実体面の問題だけに言及することになります。

このように、何を論じるべきかは、問題文のヒント、誘導の有無により判断します。

参考にして頂けたらと思います。

2023年04月13日
講義のご紹介
もっと見る

コメントする

コメントを残す

コメントをするには会員登録(無料)が必要です
※スパムコメントを防ぐため、コメントの掲載には管理者の承認が行われます。
※記事が削除された場合も、投稿したコメントは削除されます。ご了承ください。

加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
質問コーナーのカテゴリ
ブログ記事のカテゴリ