加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

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因果関係の危険の現実化説と不能犯の具体的危険説は両立するのか?

いつも参考にさせていただいております。

因果関係について危険の現実化説をとり、一方で、不能犯について具体的危険説をとることは矛盾しないのでしょうか。

急ぎませんのでお手すきの際で結構です。よろしくお願いします。

大塚裕史先生の刑法通信では、因果関係についての危険の現実化説と不能犯についての具体的危険説は両立しないと解説されています。

https://www.lec-jp.com/shihou/column/ootsuka/220307.html

もっとも、試験的には、因果関係と不能犯の双方が出題された場合に、因果関係については危険の現実化説を採用し、不能犯については具体的危険説を採用するという書き方でも構わないと思います。

令和2年司法試験では、因果関係と不能犯の双方が出題されましたが、出題趣旨及び採点実感では、因果関係に関する判断枠組みと不能犯に関する判断枠組みとの間における論理的関係についてまでは言及されていないからです。

両者の理論的関係性は、論理上は問題となるが、試験的には問われていない、という認識で構わないと思います。

2022年04月25日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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