論文試験対策の一つとして、既存論点で論点落としをしないために、問題演習を通じて事案と論点の対応関係を確認し、記憶する(答案構成を記憶するなど)という勉強法が挙げられます。
上記の勉強法により事案と論点の対応関係を記憶しておくと、同種事案が出題された場合に当該論点を抽出することができるため、論点落としにより解答筋から外れるという事態を防ぐことができます。
合格圏内の受験生が正確に抽出してくるであろう重要論点については、論点の落としのリスクを減らすために、事案と論点の対応関係を記憶しておくという、解答筋に乗るための勉強をしておくことも大事です。
もっとも、司法試験でも予備試験でも、必ずといっていいほど、自分にとって解答筋が不明瞭である問題が出題されます。
マイナー分野からの出題や現場思考論点はもちろんのこと、既存論点が捻った形で出題されることもあり、こうした場合には、解答筋の段階で悩むことになります。
こうした問題で解答筋に乗ることができなくても、合格水準の評価を得られるような勉強をしておく必要もあります。
5ちゃんねる(旧:2ちゃんねる)を見てみると、試験後に考えても明確な答えが出ない問題の解答筋について色々と議論している人を見かけますが、敢えて厳しい言い方をすると、論文試験の本質を見誤っていると思います。
全ての問題について、「このように書かなければ点数を与えないという意味での解答筋」がいくつか用意されており、その解答筋に乗ることができなければ点を与えないという方法で採点するのであれば、典型論点に関する限界事例問題や現場思考問題を出題するはずがありませんし、設小問を増やすことで設小問ごとの事例をもっとシンプルなものにするはずです。
出題趣旨・採点実感では、一応、難しい問題についても解答筋っぽいものが示されますが、これに乗らなければ合格点がつかないのかといえばそうではありません。
難しい問題では、『問題文のヒントを大きな枠組み・条文・規範の適用を通じて法的に構成し、文章化して答案に反映する』ために必要とされる、基本事項の深い理解、思考力、文章力、読解力、具体的事案を解決するという姿勢等が問われています。
なので、『問題文のヒントを大きな枠組み・条文・規範の適用を通じて法的に構成し、文章化して答案に反映する』ことができている、換言すれば、『基本事項の深い理解、思考力、文章力、読解力、具体的事案を解決するという姿勢等』が答案にちゃんと現れているのであれば、解答筋に掠ることすらできていなかったとしても、合格点、さらには高評価を得ることも可能です。
したがって、解答筋に乗るために事案と論点の対応関係を記憶するだけでなく、解答筋が分からない問題において『問題文のヒントを大きな枠組み・条文・規範の適用を通じて法的に構成し、文章化して答案にする』ために必要とされる底力も身につけておく必要があります。
試験本番でも、普段の学習でも、分からない問題や難しい問題で正解思考に囚われすぎないことが重要です。
そして、過度な正解思考から脱却し、上記の底力を身につけるための勉強をしようと思えるようになるためには、司法試験・予備試験過去問の演習・分析を通じて、論文試験では論述の過程が最も重視されているという論文試験の本質を体感する必要があります。
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