前置きの長さは、「問われていること」に対する解答からの逃げです

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例えば、平成25年司法試験民事訴訟法の出題趣旨では、『設問に対する解答を超えて「そもそも当事者適格とは…」といった当事者適格の一般論を論じても特に評価の対象とはしない。』とあります。

また、平成25年司法試験の採点実感では、主張共通の原則が問われた設問3(2)について、弁論主義の根拠、弁論主義第2テーゼ・第3テーゼ、主要事実適用説について長々と論じた答案の評価として『やはり得点につながらない上,丸暗記した論証パターンを無反省に書き散らした答案として,印象も極めてよくない。』と指摘されています。

さらに、平成26年司法試験の採点実感では、「題意を十分に理解せず、自らが知っている論点について長々と記述する答案、自らが採用する結論とは直結しない論点について広く浅く書き連ねる答案」について、「問われていることに答えていないものとして評価するなど、厳しい姿勢で採点に臨んでいる」として、平成25年司法試験の採点実感に比べてやや強めの表現になっています。

民事訴訟法に限りませんが、分からない問題でこそ、既存の知識に依存して事案・設問から離れた抽象的な前置き展開しがちです。

冗長な前置きは、一見すると丁寧な論述に見えますが、実際には「問われていること」に対する解答からの逃げにすぎないことが多いです。解答のポイントが分かっていれば、前置きは少なくなるはずです。

これを繰り返していると、分からない問題で前置きを長く書くことで逃げるという癖がついてしまい、なかなか抜け出せなくなります。

答案作成時間を数十分に絞ったうえで、思い切って解答のポイントであると考えることを指摘しようとする訓練も有効です。

前置きが長いのは癖です。

普段通りの答案作成時間では、前置きを書く余裕があると錯覚してしまうので、まず改善されません。

答案作成時間をぎりぎりに制限し、主観的にも前置きを書いている余裕がないと思うくらいにまで自分を追いつめることで、初めて締りのある答案を書けるようになります。

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講師紹介

加藤 喬 (かとう たかし)

加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
司法試験・予備試験の予備校講師
6歳~中学3年 器械体操
高校1~3年  新体操(長崎インターハイ・個人総合5位)
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
労働法1位・総合39位で司法試験合格(平成26年・受験3回目)
合格後、辰已法律研究所で講師としてデビューし、司法修習後は、オンライン予備校で基本7科目・労働法のインプット講座・過去問講座を担当
2021年5月、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立

執筆
・「受験新報2019年10月号 特集1 合格
 答案を書くための 行政法集中演習」
 (法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 憲法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成30年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成29年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成23~
 25年」行政法(法学書院)

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