加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

司法試験論文式、本当にお疲れ様でした。これからは時間との戦いです。

令和3年司法試験論文式、本当にお疲れさまでした。

これからは、時間との戦いです。

前回の動画と同じことをお話しすることになりますが、直前期における短答試験対策の肝は、時間の使い方です。

短答知識の相当部分を占める枝・葉の知識については、その一過性の高さゆえに、1週間前に記憶したのに現時点では忘却してしまっているということが起こりやすいです。中長期的に記憶としてストックしておくのが難しいです。

そのため、これから各科目の短答試験までの間に、効率的に時間を使って広範囲にわたる総復習をすることで枝・葉の知識をどれだけ多く詰め込むことができるかが肝になってきます。

皆さんの中で、刑事系論文が終わった後に、どのタイミング、どの順序で、どの科目をどう復習するのかということのイメージが出来上がっていると思います。

あとは、今から、そのイメージ通りに勉強をするだけです。

司法試験初日・2日目と異なり、民事系論文終了後と中日に体力を回復する機会があったのですから、まだやり切る体力が残っているはずです。

司法試験合格を確実なものにするために、短答科目の総復習をやりましょう。

以下は、短答対策のコツです。

これから総復習をする際と、明日の本試験の際に参考にして頂ければと思います。

  • 過去問集・肢別本を使った総復習をする際、選択肢の表現と正誤を記憶するのではなく、正誤を判断するために必要な条文・判例・学説等の知識を理解・記憶しましょう。
  • 過去問集・肢別本を使った総復習をする際、問題を「解く」必要はありません。解説を「見る」だけで足ります。「解く」と回し切れませんし、試験の1日、2日前なら、解説を「見る」だけでも短答試験で使える「知識」として残ります。とにかく、浅く広い総復習をすることで、枝・葉に属する細かい知識をなるべく多く身に付けましょう。
  • 論文知識の記憶範囲と短答知識の記憶範囲を区別した上で、前者と後者とで記憶の水準を区別しましょう。短答で使う知識の大部分は、論文で使う知識と異なり、能動的に使用できる状態にまでもっていく必要はなく、訊かれたら分かるというくらいの受動的に使用できる状態で足りるものです。
  • 原則として、引っ掛けはありませんから、 問題文を素直に読んだ後のファーストインプレッションを信じましょう。深読みは不要です。
  • 知識以外で解ける問題も多いですから、知識以外で解く方法もしっかりと確認しておきましょう。憲法及び刑法では、読解・思考で解く問題が多く、例えば学説問題の大部分は学説知識がなくても読解と思考だけで解けます。民法では、読解・思考重視の問題は多くありませんが、「取引安全を害するから請求を否定するべき、相手方の正当な信頼を害するから契約成立を認めるべき」といった裸の利益衡量に基づく価値判断により条文や判例の適用結果と一致する結論を導ける選択肢が多いですから、この価値判断による解法と消去法を併用すると正答率がだいぶ上がります。本記事中の動画内で、令和2年司法試験短答試験過去問を使い、読解思考による解法と価値判断による解法について紹介していますから、解法を最終確認するためにお役立て頂ければと思います。全部視聴する時間はないと思いますが、1~2問でも確認して頂ければと思います。

知識以外で短答を解くコツ

動画の概要

動画の概要欄及びコメント欄で該当箇所をクリックして頂くと、動画の該当箇所の飛ぶことができます。

00:00 短答対策全般
10:50 令和2年司法試験短答式憲法第6問(知る権利)
18:06 令和2年司法試験短答式憲法第10問(裁判を受ける権利)
24:50 令和2年司法試験短答式憲法第12問(天皇の「おことば」の憲法上の位置づけ)
29:29 令和2年司法試験短答式刑法第7問(刑罰理論に関する穴埋め問題)
36:41 令和2年司法試験短答式刑法第9問(原因において自由な行為に関する学説問題)
46:06 令和2年司法試験短答式刑法第13問(幇助犯に関する穴埋め問題)
55:02 令和2年司法試験短答式民法第22問(契約の成立)
1:02:40 令和2年司法試験短答式民法第28問(不当利得)
1:09:25 令和2年司法試験短答式民法第37問(法律行為の撤回)
1:16:27 終わりに

体力と気力をふり絞り、イメージ通りの総復習を行い、明日の短答試験に臨みましょう。

あと1日で、司法試験合格という大きな目標が実現します。

皆様の健闘をお祈り申し上げます。

講義のご紹介
もっと見る

コメントする

コメントを残す

コメントをするには会員登録(無料)が必要です
※スパムコメントを防ぐため、コメントの掲載には管理者の承認が行われます。
※記事が削除された場合も、投稿したコメントは削除されます。ご了承ください。

加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
質問コーナーのカテゴリ
ブログ記事のカテゴリ