加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

私の受験生時代の総復習

7月12日(水)から令和5年司法試験が始まります。

皆様の参考になればと思い、私の受験生時代の直前期及び試験期間中の総復習について紹介させて頂きます。

私は、試験直前期及び試験期間中の学習スケジュールを細かく決めるタイプでした。

また、導出に要する時間を極力短くするために、知識も方法論もちゃんと記憶して試験に臨み、そのために自作のまとめノートを何度も何度も周回しました。一方で、出題範囲を全部記憶しておこうという考えは持っておらず、知らないマイナー論点や現場思考問題などが出題されても定着化した知識と方法論を総動員すれば合格水準の答案を書けるという自信と実力を持って試験に臨みました。

とにかく、これまで勉強してきた知識と方法論をちゃんと定着させて、試験日に使いこなせる状態にしようと考え、自作のまとめノートを周回することに努めました。

なお、これは全科目に共通することですが、私はまとめノートを周回する過程で、出題可能性と汎用性の2点を基準とした重要箇所に付箋を貼り、試験直前に短時間で科目ごとの重要事項を網羅的に確認できるような準備をしていました。だからこそ、試験期間中に短時間で全科目の重要事項のインプットを完成させることができました。

普段の学習において、試験期間中や試験直前における効率的な総復習が可能となるような準備・工夫をしておくことが大事です。

 

【試験1週間前】論文の総復習

私は、【試験期間中】の総復習の内容から逆算して、【試験1週間前】の総復習の内容を決めていました。

試験初日は、労働法→憲法→行政法であり、インプット重視の労働法に向けて、試験前日にはしっかりと労働法のインプットの時間を確保したいと考えていました。

その一方で、民事系のうち、民法・商法については出題範囲が広いため、できるだけ網羅的なインプットをしたいところですが、試験初日は一番心身が疲労していますし、可処分時間からしても、試験後に2日目に向けて民事系のインプットを網羅的に行うことは不可能です。そこで、試験日に入る前に、民事系のインプットをある程度完成させておく必要があると考えていました。

他方で、刑事系については、試験の中日にインプットをする時間を確保できるので、試験日に入る前にインプットを完成させなくてもなんとかなると考えていました。

そこで、【試験1週間前】は、①刑事系のインプット → ②民事系のインプット → ③公法系のインプット(試験2日前) → ④労働法のインプット(試験前日)という流れで勉強をしました。

労働法はインプット重視の科目であり、複数の考慮要素を記憶する必要がある論点もあり丸暗記要素も強いので、なるべくインプットと試験との時間的間隔が空かないようにするために、試験前日に労働法のインプットをもってきました。

 

【試験期間中】

(初日)

私は、お茶の水の有料自習室で自習をしており、試験期間中もこの学習スタイルを崩しませんでした。

起床後、自習室に向かい、そこで1時間ほど労働法のまとめノートの重要箇所を確認し、タクシーで早めに試験会場に向かい、それから試験開始までの間に30~1時間ほどまとめノートの重要箇所を確認し、労働法のインプットを完成させました。

その後、休憩時間にまとめノートの重要箇所を確認して憲法、行政法の試験に臨みました。

試験終了後、自習室に戻り、2時間ほど民法のまとめノートの重要箇所を途中まで確認し、帰宅して直ぐに就寝しました。

民事系論文では、頭をフル回転させる必要が高いです。どんなに知識を詰め込んでも、頭の回転が鈍くなっているため問われていることに気が付けない、問われていることを上手く法律構成できない、脳内で構成したことを上手く文章に表現できない、書き切れないのでは、点数に繋がりません。そこで、インプットよりも体力と脳の疲労を回復することを優先しました。

(2日目)

試験終了までの流れは、初日と同じです。

起床後1時間ほど自習室で民法の重要事項の確認→試験会場で民法の重要事項の確認→休憩時間ごとに商法・民事訴訟法の重要事項の確認という流れです。

試験後は、自習室に戻り、公法系の短答対策の総復習を軽くやりました。

私が司法試験に合格した平成26年は、司法試験の短答試験の科目は7科目ありました。

私は、短答過去問を周回するのではなく、短答過去問を1周する過程で出題された条文・判例を伊藤塾シケタイ(憲法)、判例集(憲法)、伊藤塾情報シート(民法)、ポケット六法(民法を除く6科目)に反映し(以下、これらを「短答教材」といいます。)、これらの短答教材を見れば短答過去問で出題された知識を概ね確認できるようにした上で、短答教材を周回することでインプットをしていました。

(3日目)

試験後から翌日の午後までの間に、伊藤塾シケタイ(憲法)、判例集(憲法)、ポケット六法(行政法)をざっと一周しました。

午後からは、刑事訴訟法→刑法という順で、論文のまとめノートを使ったインプットを行いました。

(4日目、5日目)

試験終了までの流れは、初日と同じです。

起床後1時間ほど自習室で刑法の重要事項の確認→試験会場で刑法の重要事項の確認→休憩時間に刑事訴訟法の重要事項の確認という流れです。

試験後は、時間との戦いです。残された時間で、一過性の高い枝・葉の知識をどれだけ多く詰め込めるのかが肝になってきます。

私は、刑事系論文の終了後から翌日の短答試験が終了するまでの間に、7科目の短答教材をざっと1周しました。なお、点数は、上三法で152点/175点、下四法で118点/175点、合計270点/350点(612位/受験者8015人)でした。

憲法は伊藤塾シケタイ・判例百選・憲法判例・ポケット六法のマーク箇所、行政法はポケット六法のマーク箇所、民法は伊藤塾情報シートのマーク箇所、商法はポケット六法のマーク箇所、民事訴訟法はポケット六法のマーク箇所、刑法は基礎マスターテキストとポケット六法のマーク箇所、刑事訴訟法はポケット六法のマーク箇所を、少なくとも1周しました。

ここまで自分を追い込む必要はないかもしれませんが、短答対策の効果を最大化するための時間の使い方については、是非考えて頂きたいと思います。

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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