令和5年司法試験合格に向けた理想的な学習スケジュール(9月スタートver)

9月から司法試験対策を本格始動する方を念頭に置いて、令和5年司法試験合格に向けた理想的な学習スケジュールについて説明させて頂きます。

その前提として、司法試験合格を目指すうえで大事なこと、基本7科目の基礎固めの完成度の確認、加藤ゼミナールの司法試験講座についても取り上げます。これら3つでお話ししたことを踏まえて、学習スケジュールについて詳細に説明いたします。

【目次】
第1. 司法試験合格を目指すうえで大事なこと
第2. 基本7科目の基礎固めの完成度の確認
第3. 基本7科目の司法試験講座の紹介
第4. 令和5年司法試験合格に向けた学習スケジュール
第5. 無料体験講義、司法試験出題分析&講座説明会のお知らせ

 

 

第1.司法試験合格を目指すうえで大事なこと

司法試験において、最も競争が激しいのが論文試験です。

司法試験では「論理的思考力」が大事であることを言われることがありますが、実際のところ、論理的思考力といった高い次元のところで合否が決まることは殆どありません(勿論、1~2桁台の上位合格を目指す上では、論理的思考力もそれなりに重要になってきます)。

論文試験においては、論理的思考力よりも、次の4つのことが大事です。

①大量の情報を記憶する記憶力

②問題文から出題者のニーズを読み取る読解力

③記憶したこと・その場で考えたことを分かりやすく簡潔に表現する文章力

④試験対策として割り切り学問的正確性や論理の繋がりを過度に追求しない素直さ・器用さ

 

第2.基本7科目の基礎固めの完成度の確認

司法試験対策としての勉強を何をやるべきか(あるいは、何からスタートするべきか)は、各々の学習の進度によって異なります。基本7科目の基礎固めが完成しているが司法試験特有の傾向に対応できないのであれば、司法試験過去問の演習・復習を中心とした勉強をすることになります。

これに対し、基本7科目の基礎固めが完成していないのであれば、司法試験過去問に入る前に、インプット講座や短文事例問題演習による基本7科目の基礎固めをすることになります。司法試験過去問は、基本7科目の基礎固めが完成していることを前提として、基礎の上に応用や発展的なことを積み上げるためにやるものですから、基礎固めを終えていない状態で司法試験過去問をやっても効果を上げることができません。

基本7科目の基礎固めを終えているかは、以下の【導入事例】を、【主張分析】のように正しい思考過程に従って分析した上で、【参考答案】のように正しい流れで論じることができるか否かで判断してみて下さい。

【導入事例】

 令和3年5月1日、Aは、Bとの間で、Aが所有する甲建物に関する売買契約を仮装することについて合意した上で、甲建物を代金2000万円で売買する旨の契約を締結し、甲建物をBに引き渡した。
 その後、Bは、Cに対し、甲建物を代金2000万円で売却し、引渡しも終えた。Cは、Bとの売買契約の際、AB間の仮装売買の事実について過失なくして知らなかった。
 令和3年7月1日、Aは、甲建物にCが居住していることに気が付き、Cに対して、甲建物の明渡しを求めた。
 なお、甲建物の登記名義はAのままである。

 

【主張分析】

【参考答案】

1. Aは、Cに対して、甲建物の所有権(民法206条)に基づく返還請求権として、甲建物の明渡しを請求している。

 所有権に基づく返還請求権の要件は、①請求者が当該物の所有権を有することと、②相手方が当該物を現在占有していることの2つである。

 Cは、現在、甲建物に居住することによりこれを占有している(②)。問題は、Aが甲建物の所有権を有するかである(①)。

2. Cは、Aの所有権を否定するために、甲建物は元々Aの所有に属していたが、AはAB間の売買契約(555条)により甲建物の所有権を喪失したと主張する。

 もっとも、Aは、Bとの間で甲建物の売買契約を仮装することについて合意していたのだから、AB間の売買契約は、「相手方と通じてした虚偽の意思表示」によるものとして無効になるはずである(94条1項)。

3. そこで、Cは、自分は「善意の第三者」(94条2項)として保護されると主張する。

(1)Cは、AB間の甲建物に関する売買契約を前提としてBとの間で甲建物に関する売買契約を締結することで、AB間の売買契約の有効・無効について法律上の利害関係を有するに至った第三者であるから、94条2項の「第三者」に当たる。

(2) Cは、Bとの売買契約の際、AB間の仮装売買の事実について過失なくして知らなかったのだから、「善意」の解釈として無過失まで要求するか否かにかかわらず、問題なく「善意の第三者」に当たる。

(3) 甲建物の登記名義がAのままであるから、Cは甲建物の所有権移転登記を備えていない。そこで、「善意の第三者」として保護されるための登記の要否が問題となる。

「善意の第三者」との関係で虚偽表示が有効と扱われる結果、権利が順次移転したことになるから、真正権利者と「善意の第三者」とは、前主と後主の関係に立ち、二重譲渡のような対抗関係には立たない。そこで、「善意の第三者」として保護されるためには対抗要件としての登記(177条)は不要と解する。

また、真正権利者の帰責性の大きさから、権利保護資格要件としての登記も不要と解する。

したがって、Cは、登記なくして「善意の第三者」として保護される。

(4) Cは、「善意の第三者」として保護されるため、AB間の売買契約の無効を対抗されないから、甲建物の所有権を取得できる。その結果、AはCとの関係では甲建物の所有権を失っていることになる。したがって、Aは甲建物の所有権を有しない(①)。

4. よって、AのCに対する請求は認められない。

 

第3.基本7科目の司法試験講座の紹介

加藤ゼミナールでは、基本7科目の司法試験講座として、総まくり講座、基礎問題演習講座及び司法試験過去問講座の3つを用意しております。加藤ゼミナールの司法試験講座を使った学習スケジュールについてお話しする前提として、先に上記3講座とこれらのセットプランである司法試験対策フルパックについて簡単に紹介させて頂きます。

なお、講座のバナーをクリックすると当該講座の詳細ページに移動して頂けます。

1.基本7科目の総まくり講座

【概要】

内容

総まくり講座は、基本7科目について、各科目15~20時間程度で、論文試験で必要とされる知識(条文、論点等)を答案に書くことができる形で網羅的に習得することに重点を置いた講座です。

知識の論文最適化によりアウトプットに直結するインプットを完成させます。

受講対象者は、基本7科目の基礎固めを終えている方ですから、基礎固めを終えていない方は司法試験合格パックの受講をご検討下さいませ。

論文試験で必要とされる知識と方法論が集約されている総まくり講座を受講することで、基本書・判例集を要することなく、トップレベルの実力を身につけることができます。

講義時間 憲法15時間、行政法15時間
民法25時間、商法15時間、民事訴訟法15時間
刑法18時間、刑事訴訟法15時間
合計118時間
教材
  • 総まくりテキスト7冊
    憲法463頁、行政法287頁、民法493頁、商法236頁、民事訴訟法240頁、刑法364頁、刑事訴訟法264頁
  • 総まくり論証集7冊
    憲法150頁、行政法109頁、民法263頁、商法144頁、民事訴訟法174頁、刑法199頁、刑事訴訟法133頁

2.基本7科目の基礎問題演習講座

【概要】

内容

基礎問題演習講座は、基本7科目の短文事例問題講座です。

1問10~20行程度、1問1分野で捻りのきいていないシンプルな短文事例問題集を使い、司法試験過去問に入る前にアウトプット面での基礎固めを完成させることを主たる目的とした、短文事例問題演習の決定版ともいえる講座です。

単なる法律知識、表面的な解答筋だけなく、論文の問題の分析の仕方、論文の答案の書き方といった、答案作成のプロセスについてしっかりと説明しますので、“真の意味での実力”を身につけることができます。

講義時間

1問あたり15~20分程度

合計340問前後で約100時間

教材
  • 基礎問題演習テキスト7冊
    憲法32問、民法66問、刑法70問、商法50問、民事訴訟法40問、刑事訴訟法40問、行政法40問
    ※ 問題文に限りPDF形式で無制限にダウンロードして頂けます。詳細はこちらからご確認くださいませ。
  • 総まくり論証集7冊
    憲法150頁、行政法109頁、民法263頁、商法144頁、民事訴訟法174頁、刑法199頁、刑事訴訟法133頁

3.基本7科目の司法試験過去問講座

【概要】

内容

徹底した過去問分析に基づく解説講義により、表面的な解答筋だけでなく、解答筋に気が付くために必要とされる問題文の読み方・思考方法、科目分野特有の書き方の作法等もマスターできるため、真の意味で過去問を自分のものにすることができます。

テキストは「問題文」「解説」「答案」の3部構成です。「解説」部分では、出題趣旨・採点実感・ヒアリングを答案の流れに従って整理した上で、検討事項ごとに条文、判例及び学説等に関する説明を記載しているため、基本書・判例集を使ったリサーチを要することなく、司法試験過去問講座だけで過去問分析を完成させることができます。

令和1年以降の問題では、6~8枚で検討事項を可能な限り網羅した現実的な超上位答案(想定1位~2桁前半)のほかに、4~5枚で簡潔にまとめた中位答案(想定100~500位)もあるので、理想解だけでなく現実解も知ることにより、自分が目指すべきゴール(=自分の実力に見合った現実的な合格答案像)を具体的かつ正確にイメージできるようになります。

講義時間

1問あたり1時間程度、1科目18問で合計18時間程度

7科目126問で合計約126時間

教材
  • 司法試験過去問テキスト7冊(令和4年分はPDF)
  • 総まくり論証集7冊

4.基本7科目の司法試験対策フルパック

【概要】

内容 総まくり講座、基礎問題演習講座及び司法試験過去問講座のセットプランでございます。インプットから基礎的なアウトプット、司法試験過去問レベルのアウトプットまで同じ講師・教材で一貫して完成させることができるので、入門レベルのインプットを終えた司法試験受講生の方に大変お薦めのプランでございます  
講義時間
  • 総まくり講座 118時間
  • 基礎問題演習講座 100時間(340問)
  • 司法試験過去問講座 1126時間(プレテスト、平成18~令和4年、合計126問)
教材
  • 総まくりテキスト7冊
  • 総まくり論証集7冊
  • 基礎問題演習テキスト7冊
  • 司法試験過去問テキスト7冊(令和4年分はPDF)

 

第4.令和5年司法試験合格に向けた学習スケジュール

以下では、司法試験対策フルパック(総まくり講座&基礎問題演習講座&司法試験過去問講座)を使った令和5年司法試験合格に向けた理想的な学習スケジュールを紹介いたします。

STEP1

令和4年度の過去問による出題分析&自己分析

(9月中)

令和4年度の司法試験過去問を何も参照しないで時間内に解いてみる
   
自分と本試験の距離及び最新の出題傾向(難易・範囲・角度・形式)を把握する
   
科目ごとに自分が目指すべき現実的な合格答案像を把握する
   
自分が目指すべき現実的な合格答案像に沿った答案を書けるようになるためには、インプット・アウトプット面において、科目ごとにどういった勉強をすればいいのかを明らかにする(勉強の方向性を明らかにする)

👉令和4年司法試験受験者は、再現答案を使って出題分析と自己分析をすれば足りる。

STEP2

本試験レベルの勉強&選択科目対策

(9月~翌年3月)

  • 基本7科目について、科目ごとに、総まくり講座によるインプット→基礎問題演習講座による基礎的なアウトプット→司法試験過去問講座(A・Bランクまで)による本試験レベルのアウトプットという流れで勉強を進める。
    👉実力を底上げするための勉強をする段階だから、一科目ずつ短期集中で一気に勉強する
    👉とにかく総まくり講座&基礎問題演習講座による基礎固めが大事。これをちゃんとやれば、極論、Aランク過去問をやるだけで上位合格水準に到達する
  • 選択科目対策も開始
STEP3

短答対策

(遅くとも翌年1月から開始)

遅くとも本試験半年前から短答過去問を使った短答対策も開始する

👉ただし、令和4年司法試験の短答試験に余裕をもって合格している、令和4年予備試験の短答試験に合格しているなど、現時点で短答合格レベルに到達している場合には、2~3か月前から復習を開始すれば足りる)

~短答対策のコツ~

  • 選択肢の正誤を判断するために必要な法律知識を理解記憶する
  • 短答知識の大部分は、訊かれたら分かる=受動的に使用できる程度で足りる
  • 憲法・刑法では読解思考重視の問題の解法も習得し、民法では価値判断による正誤判断と消去法による絞り込みもできるようにする
  • 試験直前に広範囲を復習できるよう事前準備をしておく
STEP4

全国模試と本試験に向けた総復習

(遅くとも翌年4月から開始)

  • 遅くとも本試験の3~4か月前から、論文・短答の総復習を開始し、記憶・方法論・問題を解く感覚をぎりぎりのところまで高める。
    👉一定水準まで高めた実力を試験当日までに回復・維持するための勉強に重点を置く時期だから、1週間に複数科目を同時並行的に勉強するのが望ましい。
  • 余裕があればCランク過去問も軽くやる。
STEP5

司法試験本番

(7/12~7/16)

~勉強計画~

試験当日に最高の状態に持っていくために、1週間前、前日、試験期間中という3段階に分けて勉強計画を立てる。

1週間前の勉強計画は、試験期間中にどの科目にどれだけの時間を使うべきか・使えるかから逆算して考える。

~論文対策のコツ~

(事前準備)

  • 記憶が苦手なら、正確性を下げてでも構わないから論証をシンプルにしてから記憶する
  • 試験直前期に広範囲を復習できるような工夫をしておく(一元化など)
  • 過去問演習を通じて現場思考問題の対処法をある程度パターン化しておく
  • 新しいことに手を広げすぎない

(試験本番)

  • 設問・会話文の指示・誘導に従う
  • 何を・どう論じるのかを問題文のヒントから判断する
  • 答案全体の出来で勝負する(分からない問題で立ち止まらない、一部の問題でダラダラと書かない)
  • 原則加点方式だから、分からない問題でも、とにかく条文→論証→当てはめの形式で答え

 

第5.無料体験講義、司法試験出題分析&講座説明会のお知らせ

1.無料体験講義

こちらをクリックして体験講義のページに進むと、ある程度まとまりのある数のサンプル講義とサンプル教材をご覧いただけます。

加藤ゼミナールの司法試験講座の受講を検討なさっている方は、是非お試しくださいませ。

2.司法試験出題分析&講座説明会のお知らせ

9月24日(土)13:00から、令和4年を含むこれまでの司法試験出題傾向を踏まえた司法試験出題分析&司法試験講座説明会を開催いたします。

出題分析&講座説明会では、加藤ゼミナール代表の加藤喬講師(弁護士)が登壇し、令和4年までの司法試験の出題分析をした上で、加藤ゼミナールの司法試験講座の紹介と同講座を使った理想的な学習スケジュールの紹介をいたします。

司法試験出題分析&司法試験講座説明会は4部構成となります。

第1部 出題趣旨を用いた令和4年司法試験の出題分析
第2部 プレテストを含む過去18年分の司法試験過去問における頻出分野論点1の紹介
第3部 加藤ゼミナールの司法試験対策講座の紹介
第4部 令和5年司法試験合格に向けた理想的な勉強計画の説明

参加特典として、①司法試験講座を対象とした10%OFFクーポンの発行、②大人気の基礎問題演習テキスト刑法(総論)の無料配布もありますので、是非ご参加くださいませ。

司法試験出題分析&講座説明会に参加することで、令和5年司法試験合格に向けた最高のスタートを切って頂きたいと思います。

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講師紹介

加藤 喬 (かとう たかし)

加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
司法試験・予備試験の予備校講師
6歳~中学3年 器械体操
高校1~3年  新体操(長崎インターハイ・個人総合5位)
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
労働法1位・総合39位で司法試験合格(平成26年・受験3回目)
合格後、辰已法律研究所で講師としてデビューし、司法修習後は、オンライン予備校で基本7科目・労働法のインプット講座・過去問講座を担当
2021年5月、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立

執筆
・「受験新報2019年10月号 特集1 合格
 答案を書くための 行政法集中演習」
 (法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 憲法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成30年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成29年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成23~
 25年」行政法(法学書院)

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