加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

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2022年1月30日発行の「労働判例百選 第10版」で新たに収載された国際自動車事件の出題可能性

労働法講座でカバーされていない新しい労働判例百選第10版の国際自動車事件(最判R2.3.30・百選第10版40事件)は、今年の司法試験対策として潰しておいた方がいいでしょうか?

これまでの司法試験労働法において、試験実施前1年以内に発行された労働判例百選から出題されたことがあるのは、平成28年11月30日発行の労働判例百選第9版に新たに収載された山梨県民信用組合事件(最判H28.2.19・百選第9版21)だけです(平成29年司法試験第1問)。

少なくとも労働法では、よほど重要な最高裁判例でない限り、試験実施前1年以内に発行された労働判例百選に新たに収載された事件が出題されることはありません。

国際自動車事件の論点(割増賃金について労働基準法37条1項所定の計算式によらずに支給することの可否)は、令和2年司法試験第1問において、テックジャパン事件を元ネタとしてメイン論点の1つとして出題されていますから、国際自動車事件は令和4年司法試験では出題されないと思います。仮に出題されても、国際自動車事件はこれまでの判例理論を前提としてその意味をより一層明確にしたにすぎませんので、国際自動車事件を知らなくても問題を解くことができます。念のため軽く一読しておく程度で足りると考えます。

参考にして頂けますと幸いです。

2022年04月02日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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