加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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判例の規範を修正することの可否(減点対象になるか)

判例の規範について。
今年の予備試験論文で、判例の規範を問題文の事実に合わせるために、若干変えてしまったのですが、こういった変更は減点対象となりますでしょうか。
具体的には、令和3年予備試験民法設問1で、複数の契約の一方の債務不履行を理由として他方の契約も解除することの可否について、判例の規範は、
①目的が相互に関連づけられ、②一方の契約が解除された場合には、他方の契約を締結された目的を達成できないとき、というものですが、私は、「倉庫を〜を伝えた上で」という問題文数行目の事実を使うため、③相手方の信頼を著しく害するという特段の事情がない限り、解除できるという要件を付け加えてしまいました(①②の規範は判例まんま書くことができ、①〜③のあてはめはしっかりできています)。
また、令和3年予備試験行政法設問2問につき、信義則の違法を主張する際に、問題文の事情に合わせて、最判昭62.10.30と最判昭56.1.27の規範をそれぞれごちゃ混ぜに一部ずつ取って規範立てをしてしまいました。
過ぎてしまったことはしょうがないため、いまさらこれらが今年の予備試験論文でどう評価されるか、は気にしてもしょうがないですが、今後の予備試験、司法試験のためにこのような場合どうすればいいか(規範を混ぜてもいいのか,判例の規範を使うべきなのか)をお教えいただけると幸いです。よろしくお願いします。

一般論として、①判例の規範がそのままの形で妥当する事案であれば、判例の規範をそのままの形で使うべきですが、②判例の規範がそのままの形で妥当しない事案であれば、事案に合わせる形で(=当該事案の当てはめをし易い形に)判例の規範を修正するべきです。

稀にではありますが、②に属する出題もあります。また、仮に①に属する事案であったとしても、正しい理由付け(条文の趣旨、原理原則など)から修正した規範を導き、事案と規範に適合した当てはめをすることができているのであれば、ぎりぎり合格水準に到達すると思います。

例えば、令和3年予備試験設問1における「2つ以上の契約の一方の債務不履行を理由とする契約全部の解除の可否」という論点における本質は、㋐債務不履行により契約を維持する意味を失った債権者を契約の拘束力から解放するという債務不履行解除の制度趣旨を前提として、㋑「2つ以上の契約の一方だけに債務不履行がある場合に、債権者が他方の契約も含めて契約を維持する意味を失ったといえるのためには、どういった条件を満たす必要があるか」という点にありますから、判例の規範をそのままの形で使っていなくても、規範と当てはめに㋑が反映されているのであれば、合格水準に到達すると思います。

とはいえ、②に属する出題は稀ですから、普段の答案練習では、安易に判例の規範を修正するのではなく、なるべく、①に属する出題であることを前提として、判例の規範を前提として事案に適合した当てはめをする訓練をするのがいいと思います。

2021年08月07日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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