加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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憲法演習サブノート210問の書評

先日、憲法演習サブノート210問が発売されました。
加藤先生は、刑法演習サブノートと民法演習サブノートを市販演習書の中で推されておられますが、こちらの憲法もオススメでしょうか?

憲法演習サブノート210問にざっと目を通してみましたが、答案例どころか答案構成例すら示されていないですし、答案の最初から最後に至るまでの過程、すなわち、答案全体の流れや答案で使うべき判断枠組みが分かりやすく示されているわけでもありません。

憲法の論文対策として大事なことは、①「保障→制約→違憲審査基準の定立(主として人権の重要性と制約の態様を考慮)→目的手段審査による当てはめ」という違憲審査の基本形をはじめとする「事案類型ごとの違憲審査枠組み」を身につけること、②事案類型ごとに違憲審査枠組みで照らしながら問題文を読み、判例学説・問題文のヒント・その場で考えたことを選択した違憲審査枠組みという「答案の骨格」に肉付けすること、③問題文のヒントに従って何をどう論じるべきかを判断する読解のコツの3つです。

これらのうち、市販演習書から習得可能なことは①ですが、憲法演習サブノート210問の解説では①を身につけるのは難しいです。

憲法の演習材料としては、司法試験過去問と予備試験過去問だけで足りると考えます。

もっとも、同書の解説では、当該事案における争点、当てはめの視点、判例学説の理解について、宍戸常寿教授(現考査委員)・曽我部真裕教授(元考査委員)をはじめとする著名な先生の見解が示されているので、読み物としては参考になる記述が少なくないと思います。

そこで、演習材料としてはあまり有用ではないが、読み物としては参照するのはあり、と考えます。

参考にして頂けますと幸いです。

2021年07月17日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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