加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

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司法試験の短答対策で留意するべきこと

いつもブログを拝見しております。
総まくり・及び司法試験過去問攻略講座コンプリートの受講生です。既出の質問と重複する点もあるかと思いますが回答頂けましたら幸いです。

〈論文と短答の兼ね合いについて〉
短答が苦手なため、今月から答練の無い日は毎日7:3の割合で短答を解いております。
方向性に誤りがないか等、何かお気づきの点があればご指摘頂きたいです。

・憲法→百選判例を人権部分のみ読み込み、総まくり論証集の読み込みと権利ごとの論証を確認しております。これらに加えて、今から統治分野の判例も読み込みすべきでしょうか?
また、短答の過去問題集のうち、特に統治を潰すべきでしょうか?(条文をそのまま読んでも条文相互の関係性を読み取れないため。)
憲法の論文については、秒速・過去問攻略講座コンプリートにおける権利ごとの書き方と違憲審査基準、答案の流れを確認し必要な際は構成するにとどめ、全体的な書き直しはしておりません。 

・刑法→初見の見解問題に時間がかかってしまいます。
模試などでも時間が足りない傾向があります。判例や構成要件の意味を理解したうえで選択すれば良いのですが、時間が足りなくなってしまいます。今から何を強化すれば良いでしょうか?
論文は一通り解いており、再度Aランクのみ見直しました。

・民法→論文との兼ね合いから、短答の問題を潰してミニ論文として解き、その都度論証を確認しております(短文問題を一から見直すと短答が手薄になると判断したのと、範囲が広く、定義など基本的な部分を手厚くしたいため。)。過去問はA,Bランクのみ見直しております。

短答が苦手なため、何か改善やご指摘して頂ける点がありましたらが教えて頂けますでしょうか。

司法試験の短答試験では、6割(105点/175点)取れば合格できます。そして、憲法及び刑法では、論文知識、論文的思考及び思考・読解のコツだけで解ける問題が6~7割あり、短答固有の細かい知識を使って解く問題は3~4割ほどです。なので、憲法及び刑法の短答対策としては、過去問を通じて思考・読解のコツを掴むことと、総まくりテキストでBランクも含めて論文知識を確認することが重要であり、細かい知識を確認するための勉強はおまけみたいものです。

短答対策としてBランクまで確認する際には、論文対策のように丁寧に読み込む必要はありません。短答で使う知識の大部分は、論文で使う知識と異なり、能動的に使用できる状態にまでもっていく必要はなく、訊かれたら分かるというくらいの受動的に使用できる状態で足りるものだからです。

以上を踏まえてお答えいたします。

憲法では、判例の確認は総まくりテキストでやりましょう。理由は、(1)短答試験では百選に掲載されていない判旨も出題されること、(2)総まくりテキストでは短答対策として読むべき判旨にアンダーラインが引かれているため、メリハリをつけやすいこと、及び(3)総まくりテキストでは重要判例について[要点]としてポイントをまとめているため、判例のロジックを理解・記憶しやすいことにあります。

統治については、大部分の問題は総まくりテキストの情報だけで解けますから、Cランクも含めて総まくりテキストを確認しておきましょう。判例の読み込みは、総まくりテキストに載っているものを、ランク付けに応じてメリハリをつけて読めば足ります。

それから、憲法では、学説問題や見解問題については、知識ではなく、読解及び思考を使って解くことになりますから、過去問を闇雲になるなどにより知識の幅を広げることに走るのではなく、過去問を通じて読解及び思考のコツを掴みましょう。そうしないと、正答率が安定しません。

刑法では、Bランクも含めて犯罪ごとの構成要件要素をちゃんとインプットしておく必要がありますから、過去問ではなく、総まくりテキストを使った網羅的なインプットをやりましょう。

民法では、条文知識も多く出題されるため、論証だけでなく条文も確認しましょう。そうしないと、知識の穴が大きくなってしまいます。また、民法では、裸の利益衡量により結論(条文や判例の適用により導かれる結論)を導ける問題が多いので、問われている条文や判例を知らない問題でも正解できるよう、裸の利益衡量により結論を導く練習をしてみるといいと思います。

2021年04月19日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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