加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

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試験直前期に自分の実力と合格レベルとの距離をイメージできなくなる原因

いつもお世話になっております。
司法試験直前期の対策につきましてご質問がございます。
私自身はアウトプット型で勉強するタイプであり、現在は3日間で1年分ペースで過去問を起案しています。しかし、既に何度か起案し解説を読んだ経験がある中で解いていると、自分の今の実力が合格レベルにあるのかどうかが分からず不安になってしまいます。
直前期において、自分の実力と合格レベルとの距離を把握しつつ、本番に向けて足りないところを補っていくためには、どのような勉強方法が適切なのでしょうか。
抽象的な質問で誠に恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。

アウトプット型の勉強をするタイプで、3日間で1年分ペースで過去問を起案している場合、何回も起案したことのある問題を起案することになるため、初見の問題よりも完成度の高い答案を書くことになりますし、答案作成過程における悩み・迷いといった負担も少ないと思います。そのため、過去問で書いている答案と初見問題で書ける答案との間にどれだけのギャップがあるのかが分からず、その結果、初見問題で書ける答案と初見問題における合格答案との距離も分からなくなり、自分の実力と合格レベルとの距離を埋めるためにどういった勉強をすればいいのかもイメージできない、という状態に陥りがちです。

上記の状態は、精神的に落ち着かないと思うのですが、むしろ健全な状態であるといえます。というのも、自分の実力と合格レベルとの距離を埋めるための勉強をする時期(実力を底上げるする時期)であれば、自分の実力と合格レベルとの距離を認識しやすいです。実際に距離があるからです。ですが、学習が進むにつれて、両者の距離が埋まり、人によっては自分の実力が合格レベルを超えます。そうすると、自分の実力と合格レベルとの距離が無くなっているため、両者の距離を埋めるための勉強をイメージできなくなります。

自分の実力と合格レベルとの距離が埋まっている人は、両者の距離が埋まっている状態を維持するための勉強に集中することができます。学習には、①「自分の実力と合格レベルとの距離を埋めるための勉強」(実力を底上げるする勉強)と②「自分の実力と合格レベルとの距離が埋まっている状態を維持するための勉強」とがあり、①→②という流れを辿ることになります。

質問者様の場合、①を終えて②の段階に入っているため、自分の実力と合格レベルとの距離を認識できないのは自然なことであると思います。既に合格レベルに到達していますから、その状態をしっかりとキープするとともに、可能な範囲で自分の実力をさらに高める(合格順位を上げる)ためにも、これまで通りの勉強を継続しましょう。

本試験までの約1カ月、頑張りましょう。

2021年04月15日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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