加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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法科大学院入学後の勉強の進め方

この4月に法科大学院既修に入学します。
当初は学業に専念の予定でしたが、1年目は仕事をしなければなりません。士業事務所を開業していますので、ある程度の時間的コントロールは加納ですが、1週間で25時間程度働く予定です。
私が進学する法科大学院は、地方の旧帝大ですが、留年率が高く予習復習が大変と聞いています。そのため仕事のある1年目は大学院の予習復習に時間を割く必要があります。
それでも、司法試験対策はしたいと思っています。1年目は予備校の短文事例問題集に集中し、2年目に加藤先生の講座及び答練の受講の流れで考えています。なお、あえて予備試験は受験しない予定です。
上記の進め方でよろしいでしょうか。
また、1年目の短文事例問題集でオススメのものはありますでしょうか。アガルートや伊藤塾の講座ではなく、加藤先生が以前紹介されていた演習書で代替は可能でしょうか(https://kato.blog/qapost/5446/)。
アドバイスをいただけますと幸いです。

まず、1年目に短文事例問題集をやることについてですが、これまで短文事例問題集を網羅的にやったことがない、あるいは、短文事例問題集をちゃんと処理できないのであれば、司法試験過去問に入る準備をするために、1年目は短文事例問題集に集中した方がいいと思います。

重要分野における「要件・効果の整理」や「定義・規範の記憶」すらできていない(知識)、短く捻りのない事例から典型論点を抽出することすらできない(抽出力)、短く捻りのない事例において何をどういった順序で書くのかを整理できない(構成力)のであれば、司法試験過去問をやっても学習効果を上げることができないからです。

令和4年から一定要件を満たせば法科大学院最終学年で司法試験を受験することが可能となりますが、ご質問における学習スケジュールは令和5年に司法試験を初受験することを想定したものであると思われるため、1年目は短文事例問題集に集中し、2年目から秒速・総まくり及び秒速・過去問攻略講座を使って司法試験対策を開始するという勉強の進め方でも間に合うと思います。

次に、短文事例問題集についてですが、こちらの回答で紹介している市販演習書をやるのがベストですが、答案例が付いていないため、上位合格者が作成した答案例を入手するか自力で答案を作成する必要があります。いずれも困難であると思いますので、答案例が付いている講座又は予備校問題集を使って頂くことをお薦めいたします。

短文事例問題としては、アガルートの重要問題習得講座が有名であり、利用者も多いと思いますが、私がTwitterで受講者が公開している答案やサンプルとして公開されている答案を見る限り、答案の流れや文章表現にかなり問題がある(一年位前に私がアガルートの講師の方がTwitterで公開していた答案に言及したtweetが残っているので、参考にしてみてください。)ため、自力で答案を修正するだけの経験、実力及び時間がないのであれば、やめた方がいいと思います。文章表現も含めて答案作成における変な癖が身につくと苦労することになりますので。

1年目は仕事と法科大学院の授業と並行しながら短文事例問題集をやることになるため、短文事例問題集に費やせる時間がそこまでないことも踏まえると、1科目40問程度の「伊藤塾 試験対策問題集」を使って頂くことをお薦めいたします。民法の「伊藤塾 試験対策問題集」に目を通しましたが、解説も非常に分かりやすく、問題の難易度も丁度よく、答案の流れ・文章も悪いくないです。

参考にして頂けますと幸いです。

2021年03月08日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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