加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

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令和1年会社法改正は司法試験過去問に影響を及ぼすか

お世話になっております。
会社法の令和元年改正について、質問をさせて頂きます。予備試験や司法試験の論文式試験の過去問に今回の改正は影響を与えるものでしょうか。

令和1年会社法改正のうち、論文試験に関係しそうなものは、以下の通りです。これらが司法試験過去問に直接又は間接的に及ぼす影響はないと判断しております。予備試験過去問についてはまだ確認しておりません。

①株主総会参考書類等に関する電子提供措置(325条の2以下)

②議案要領通知請求権に関する株主1人当たりの提出可能議案の個数制限(305条4項)

③代理権を証明する書面・議決権行使書面・書面投票における電磁的記録に記録された事項の閲覧・謄写請求に関する拒否事由と請求理由の明示義務の法定( 310 条 7 項後段、 311 条 4 項、312 条 5 項)

④成年被後見人・被保佐人であることを取締役の欠格事由であるとする規定の削除( 331 条 1 項 2 号の削除、 331 条の 2の新設)

⑤上場会社等における社外取締役が業務執行をしても例外的に社外取締役の要件( 2条 15 号イ)を欠かないとされる例外の創設( 348 条の 2 第 3 項本文)

⑥取締役の確定額報酬についての「額」を決定する議案を株主総会に提出した取締役の説明義務(361条1号、同条4項)

⑦上場会社等で定款又は株主総会決議により取締役の個人別の報酬等の内容が具体的に定められていない場合における取締役会での方針決定( 361 条 7 項)

⑧上場会社の取締役に対してインセンティブ報酬として自社の株式(株式報酬)又は新株予約権(ストック・オプション)を付与する場合のうち、株式又は新株予約権そのものを非金銭報酬(361 条1 項 3 号、 4 号) として与える方式において、㋐募集株式と引換えにする金銭の払込み等を要しないこと( 202 条の 2 第 1 項・ 2 項等)と㋑募集新株予約権の権利行使時における払込みも要しないこと( 236 条 3 項)の法定

⑨役員等の防御費用及び賠償金又は和解金についての補償契約(会社補償)に関するルールの法定(430条の2)

⑩役員等の職務執行に関する責任等に係る損害についての保険契約に関するルールの法定(430条の3)

⑪取締役等の責任を追及する訴えにおいて監査役設置会社等が原告又は参加人として和解をする場合に監査役等全員の同意が必要であること(849条の2)

⑫組織再編の新類型としての株式交付の創設(2 条 32 号の 2 、 774 条以下)

 

2021年03月04日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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