加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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インプットとアウトプットの適切な比率

インプットとアウトプットの比率について質問です。
よくアウトプットとインプットとは、7:3の割合で行うのが王道だと聞きます。
しかし、過去問演習や演習書演習をしていると、規範の暗記や基礎知識の不足を実感します。そこで、規範を暗記し直したりする時間を取ることになりますが、結局インプットしている時間の方が長くなるように感じています。これは勉強方法として誤っているのでしょうか。
また、覚えるべきことを覚えていなければ答案を書くことは難しいとさえ思っています。もちろん、現場思考せざるを得ない場合には四の五の言わず現場で考えなければなりませんが、それを可能とするのは、基本論点の膨大なインプットがあってこそなのではないかとも思っています。そうするとやはりインプットの比率が多くなるのではないかと思うのですが違うのでしょうか。
憲法・行政法を除き(私にとっては刑事訴訟法すらインプット科目に思えます)、結局は、インプットの方が多くなるような気がするのですが、勉強方針のイメージについて誤りがありましたら教えて頂けると幸いです。

インプットとアウトプットの適切な比率は、科目と受験生よって異なると思います。

例えば、憲法・行政法のように、出題範囲が狭い上に本試験でレベルの問題の演習をしなければ問題文の読み方や科目分野ごとの書き方を身に付けることが困難である科目については、インプットよりもアウトプットを重視した勉強することになります。これに対し、民事系3科目と刑事系2科目(特に、刑法)については、記憶するべき条文・論証・処理手順が多いため、インプット重視の勉強になるはずです。

記憶するべきことを記憶しないで答案練習をしても、この論点に気が付かなかった・この論証を書けなかったというように、低レベルなことについて確認するだけで終わってしまい、本来やるべき問題文の読み方・答案の書き方といったことについての訓練・確認をすることができないため、合格水準に届かない低レベルな答案作成を延々と繰り返すことになってしまいます。2周目以降の過去問で1000番以内の水準の答案を書くことができない場合、基本的には、記憶するべきことを記憶しないでただ答案を書いているだけという単純作業に近いことを繰り返してしまっている可能性が高いです。普通、2周目以降で解答筋や定義・論証を間違えるということはあり得ませんので。

私が受験生の頃は、インプット重視の勉強をしており、演習を経由しなくてもまとめノートの読み込みだけで本試験レベルの問題に対応できるだけの知識を身に付けることができたので、年明け以降の追い込みの時期におけるインプットとアウトプットの比重は9:1から8:2くらいでした。

アウトプット経由でなければインプットできないというタイプの受験生であればインプットのためにアウトプットをすることになるためアウトプット>インプットになりますが、そうでない受験生なら、憲法・行政法を除くとインプット>アウトプットになると思います。

参考にして頂けますと幸いです。

2021年02月28日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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