加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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予備試験対策:過去問の回し方、民事系の実力の上げ方

予備試験令和2年度の論文試験に落ちてしまった者です。(受験2回目、1回目は短答落ち)
過去問を繰り返し解くのが重要だと教わっていたので、何回も解いていると、解答自体を暗記してしまって、あまり生産的な勉強ができてないのではないかと感じているのですが、この場合どうすればいいでしょうか。
また、先日の論文の成績評価からは公法・刑事ではA-C程度であったものの、
民事系、とりわけ民訴・民法・民実で著しく得点が足りなかったため、30点足りずに不合格となったため、今行うべき対策を教えていただけないでしょうか。

まず、過去問についてですが、司法試験でも予備試験でも、問われている請求・条文・論点に言及しているという意味で解答筋に乗ること(「何を書いたか」)に加えて、論点などについて「どう書いたか」まで問われます。そして、評価される「書き方」をするためには、科目・分野・論点における書き方(規範の正しい意味や、処理手順)や考え方(特に現場思考問題で使う)、問題文の読み方(問題文のヒントから何をどう書くべきかを読み取る)が必要とされます。過去問を繰り返す意味は、主として、書き方・考え方・読み方の水準を高めることにありますから、過去問を繰り返す際には、これらを意識しましょう。

次に、民事系についてですが、令和2年民法は、典型的な論点と制度からの出題でしたから、典型論点の論証が不正確であったり、詐害行為取消権・債権者代位権の論じ方に問題がある(要件について、条文の文言(「」で引用する)と事実を結び付ける形で一つ一つ認定することができていないなど)のだと思います。なので、典型論点のインプットの強化と要件を一つ一つ認定する問題における書き方の習得が必要であると考えます。民事訴訟法については、重要判例を正面から訊いてくる問題であり、従来型の(古い予備校の)論証パターンの表面的な記憶ではなかなか対応できない問題です。今の試験傾向に合った形で判例を学習する必要があります。また、予備試験過去問を使った演習により、今回のような問題に慣れる必要があります。解き方に慣れると、解くために必要とされる知識の範囲と形も明らかになりますから、アウトプットに直結するインプットができるようになります。

参考にして頂けますと幸いです。

2021年01月31日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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