加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

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欺罔行為は重要事項性⇒挙動等による欺罔という流れで書くべきか

詐欺罪の検討において、「欺」く行為の定義を書き、先に何が交付の判断の基礎となる重要事項かを確定した後に、挙動による「欺」罔によって当該重要事項について欺いていると述べる論じ方は、論理的に誤っているのでしょうか。

重要事項性⇒挙動等により「欺」いたといえるか、という流れで論じても、理論的に「誤っている」という評価にはならないと思います。

挙動による欺罔(又は不作為による欺罔)⇒重要事項性という流れで検討する傾向にあるし、甲が〇〇について偽っている⇒甲が偽った〇〇は重要事項性を満たすか思考過程が自然であるため、挙動による欺罔(又は不作為による欺罔)⇒重要事項性という流れで書いたほうが良いということです。

もっとも、重要事項性が認められる一方で挙動による欺罔も不作為による欺罔も認められないという事案では、論点を落としを避けるために、重要事項性から先に書いたほうが良いです(※重要事項性の当てはめと挙動による欺罔及び不作為による欺罔(告知義務の有無)の当てはめとはかなり重なりますから、重要事項性が認められる一方で挙動による不作為と不作為による欺罔否定されるというケースはかなり稀です)。

2020年12月11日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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