加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

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原因において自由な行為の論じ方

いつもお世話になっております。加藤先生の教材や講座によって日々の成長を感じながら勉強できております。
原因において自由な行為の書き方について、初歩的なことで申し訳ないのですが、質問させて頂きます。
心身喪失の場合、「責任能力が否定され犯罪が成立しないのが原則である(刑法39条1項)。もっとも、原因において自由な行為として、犯罪の成立を認めることはできないか。」として、結論として犯罪の成立か成立しないかに分かれると思います。
心身耗弱の場合、「犯罪が成立する。もっとも、心神耗弱により刑が必要的に減軽されるのが原則である(刑法39条2項)。では、原因において自由な行為として、例外的に完全な責任を問うことができないのか。」というように、中止犯と同様、犯罪の成立を先に認定するのでしょうか。
勉強不足で申し訳ないないのですが、ご回答いただけますと幸いです。

心神喪失は、責任の阻却という形で犯罪の成立を否定するものであるのに対し、心神耗弱は、責任減少を根拠として犯罪が成立した場合における必要的減軽を導くものにすぎませんから、①構成要件該当性⇒②違法性⇒③責任⇒④処罰阻却事由⇒⑤減軽の有無という刑法の理論体系の一番最後(⑤)で顕在化するものです。

したがって、心神耗弱の場合は、犯罪が成立することを認定した上で、原因において自由な行為について論じることになります。

2020年12月01日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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