加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

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盗品等の保管を委託された者による不法処分、盗品等の有償処分をあっせんした者による代金の着服

いつも大変お世話になっております。
加藤先生の総まくり2020を受講させていただいた者です。
総まくり2020刑法の横領罪の[論点7]「盗品の保管を委託された者による不法処分」「盗品等の有償処分をあっせんした者による代金の着服」(総まくり2020刑法247~248頁)につきまして、先生は判例とは異なる考え方を採用なさっています。
自分も先生と同じ考え方を採ろうとお思うのですが、その際に判例について言及せず、自説を論証するだけで良いのでしょうか。それとも判例については一言触れた方が良いでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、何卒宜しくお願い致します。

ご指摘の通り、総まくりテキスト・論証集では、右余白に「判例は、委託物横領罪の成立を認めている」とメモ書きをした上で、委託物横領罪の保護法益論から委託信任関係の要保護性を否定することにより委託物横領罪の成立を否定しています。論文試験では、総まくりテキスト・論証集の枠内の論証の立場に立った方が良いと思います。そのほうが、委託物横領罪の保護法益論という問題意識について正面から論じることができるからです。

刑法では、民法と同様、論理の繋がりが重視されており、判例に言及することはさほど重視されていないので、(事例1)については、「肯定説⇒否定説」という流れで論じているので、判例に明示的に言及する必要はないと思います。(事例2)では、「確かに、・・という意味で「他人の物」に当たる。」という記述を「確かに、・・という意味で「他人の物」に当たる。判例も、同種事案において委託物横領罪の成立を認めている」という形に修正することにより、判例に言及すれば足りると思います。

2020年11月09日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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