加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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短答刑法の見解問題の正答率を高める方法

短答刑法で、犯罪の成否等を問う身に事例問題はほぼ正解できるのですが、見解問題になると正答率が一気に下がってしまいます。見解問題の正答率を上げるためには、どういった勉強をすればいいでしょうか。

現行司法試験・予備試験の短答刑法の見解問題は、旧司法試験の短答刑法の見解問題と異なり、複雑な情報処理を要するものではありませんから、事務処理能力や読解力・思考力に問題があるのではなく、読解・思考のコツを掴んでいないことと、解答で使う学説(問題文で示されるもの)に関する知識が曖昧であることが原因であると思われます。

まず、読解・思考のコツについてです。見解問題では、論文レベルの知識を前提とした読解・思考により解答することになります。旧司法試験のようにマイナー論点に関する学説知識を使うことはほとんどありませんし、複雑な情報処理を要するわけでもないため要求される読解力・思考力は高くありません。論文レベルの知識と、読解・思考のコツにより、正解を導くことができます。これについては、令和2年司法試験短答刑法第13問を解答する思考過程をまとめた「画像」と、令和2年司法試験短答刑法を最初から最後まで解く過程について説明した「記事」が参考になると思います。

次に、学説知識についてです。問題文では、解答の前提条件となる学説知識が示されるのが通常ですから、極論すれば、学説知識が無くても、解答することができます。もっとも、学説知識が無かったり、学説知識の理解・記憶が曖昧であると、解答の前提条件として示された学説知識をその場で理解するのに時間がかかったり、限られた時間内に正確に理解することができない、ということにもなりかねません。なので、解答の前提条件として示される学説知識をその場で素早く正確に理解することができるよう、過去問から見解問題として出題されやすい論点をピックアップして、学説知識を事前に身につけておいた方が良いと思います。私は、普段は、論文知識と思考読解だけで8割近く取ることができる現行司法試験・予備試験の短答刑法の対策として学説知識を記憶するということはあまりお勧めしていませんが、思考・読解が追い付いていない分を知識で補うために、やむを得ず、学説知識を強化することをお薦めさせて頂きました。

2020年10月18日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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